新書サイズで文字も大きく読みやすいシリーズである。1章当たりも短く難解な用語もでてこない。
HBRの内容を手軽に読めるよい良い本。そして、この「セルフ・アウェアネス」は、マインドフルネスやリーダーシップの基礎となるので読んでおいて損はないと思う。
●他者のフィードバック
優秀な人ほど、フィードバックをうまく活用している。ある調査では、称賛だけを求める人よりも、批判的な意見を求める人の方が、周囲からより高い評価を受けることが分かっている。
恥ずかしながら、自分の研究について議論するとき批判的な意見を貰うと思わずムッとくる。だが、その場では真摯に受け止め持ち帰る。
しばらく経ってから受けた批判を検討すると、建設的な意見であることが多いからだ。そして、正論や図星であればあるほど頭にくるものである。
恐らく多くの人が自己の経験だけではなく、正論を言われてキレる他者を見た経験もあるかと思う。
とはいえ、正論が常に正しいとは限らない。相手をやっつけることが目的でないのならば。相手を思いやった言葉であっても、相手を怒らせてしまえば逆効果だからである。
●自己のフィードバック
また、フィードバックには他者からのフィードバックだけではなく、自己によるフィードバックもある。ある研究では、一日の終わりに15分間の内省をしたグループは、10日後のパフォーマンスがその他よりも23%も高かったという。
別の研究でも、通勤時間を使ってその日の計画をを考えたグループは、幸福感、生産性が高く疲弊感も少ないことが分かっている。
内省をする際のコツは、なぜ(Why)ではなく何(How)を問いかけることだ。なぜを問いかけると自分を責めがちである。一方、何をすればいいのかを問えば、オープンで新しいことを学ぼうという姿勢ができる。
要するに、自己のフィードバックでは、他者からのフィードバックとは違って自分を批判するのは良い方法とはいえないのである。
●まとめ
フィードバックを受けるときは、他者からの場合は批判的な意見を、自分からの場合は肯定的な意見を中心に据えるようにすべきである。
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