香港のデモが始まって5カ月経ち、8日、ついに犠牲者が出た。
亡くなったのは、名門の香港科技大学コンピューターサイエンス学部の周梓楽さん(22歳;写真=周さんの倒れていた現場に作られた遺影を添えられた祭壇)。
◎催涙弾を避けようと転落死したか
3日夜、ベッドタウンの新界地区での抗議行動に参加し、スターリニスト中国のイヌである香港警察の催涙弾攻撃を避けようと駐車場の3階から転落、頭を強く打っており、翌日、病院に緊急搬送されたが、帰らぬ人になった。当夜は、駐車場の外で警官隊はデモ隊を激しく弾圧、駐車場に避難したが、さらに催涙弾を浴びせかけられたと思われる。周さんは、ガスマスクなどを着けていなかった。
危険を顧みず、丸腰で抗議活動に参加し、若い命を散らせた周梓楽さんとそのご家族に、深い哀悼の意を表したい。
ちょうど卒業式を迎えていた香港科技大など各所で、周さんの弾圧に抗議し、あるいは追悼してマスクを着けて抗議行動が繰り広げられている(写真)。
◎中国共産党4中全会でさらに弾圧強化方針
最近、警官の弾圧は凶暴さを増し、いつ犠牲者が出てもおかしくなかった。実力行動の前面に出る大学生に特に暴力的弾圧が集中し、6月以降、逮捕者は700人を超えている。
スターリニスト中国では先月の31日まで、「4中全会」(中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議)が開かれ、香港での弾圧をさらに強化する方針を定めている。警官の凶暴さは、中国共産党から尻を叩かれたものであり、第2の「天安門」の様相を呈しつつある。
4中全会を取り仕切った習近平は、直後の4日、香港行政長官の林鄭月娥を上海に呼びつけ、林鄭に対して直接、香港弾圧強化のねじを巻いていた。
◎負けるわけにはいかない、民主主義と自由を守るため
香港市民の苦難は、さらに続く。しかし今、抗議行動を止めれば、香港に約束されていた一国二制度は完全に空文化し、香港の民主主義と自由は窒息する。
4中全会でも香港での「愛国教育」をさらに強める方針だ。
学生、市民の苦難は、これからも続くだろうが、どうか怯まず、習近平と林鄭月娥を追い詰めて欲しい。国際社会は、あなたたちの味方だ。
当面、期待されるのは、24日に行われる区議会(地方議会)選挙で、各選挙区に民主派が大量に立候補しているので、これで圧勝し、スターリニスト中国に対し、香港市民の民意を突きつけることだ。
◎区議選ぶち壊し策動も
だが、これについても警戒を緩められない。警察は昨実9日までに立法会の民主派議員3人を相次ぎ逮捕した。大規模デモのきっかけになった「逃亡犯条例」改正案の5月の審議を妨害した容疑という。議会の反対行動で議員が逮捕されるなど、西側自由諸国にはあり得ない暴挙だが、メディアによると警察はさらに4議員も逮捕する方針だ。これら7人のうち4人は区議会選挙に立候補している。
民主派は、形勢不利と見れば、スターリニスト中国と林鄭月娥は区議選そのものを中止する恐れもある、と警戒している。
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昨年の今日の日記:「次世代通信技術5Gから中国の共産党企業、華為(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)を自由世界から閉め出そう」
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