mixiユーザー(id:61748763)

2016年06月04日20:13

442 view

「弱気を助け、強気をくじけ」『超訳 君主論』許成準

 「弱気を助け、強気をくじけ」というと、いかにもそれが善行で道義的のように思える。しかし、マキャベリに言わせると、君主にとって戦略的にも有利な行動だという。外の弱小勢力が他の強者と結ぶのを防ぐべきだし、自陣営の不満を持つ弱小勢力が強大な外敵を呼び込む可能性もあるからだ。


 たとえば、イギリスは伝統的に上記の戦略をとっている。ナポレオンやヒトラーが現れたとき、彼らはヨーロッパの「弱者」を巻き込んで大同盟を組んで対抗した。あとは、その弱小勢力が成長しないように均衡を保てばよい。


 次に、二つの勢力が対立しているときはどうするべきか。中立でいるよりは、どちらかに味方するべきだという。なぜならば、中立でいる限り、最終的な勝者の残敵とされるかもしれないからである。潜在的な味方は助けて欲しいと求め、敵は中立でいよという。つまり、中立の立場は敵に利するといえよう。


 同盟を組むときは、自分よりも強い勢力と組んではいけない。たとえ敵に勝っても、結局、同盟国に生殺与奪の権利を握られてしまうからだ。 ゆえに、「弱気を助け、強気をくじく」ように、最善を尽くすのである。


 


  
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する