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2016年03月03日01:11

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長谷寺の名宝と十一面観音信仰

2月に父が2度の白内障の手術をして自宅療養中。目が見えないことはストレスの極みだが手術前から歯が抜けたりまっすぐ歩けなかったり、と急激にあちこち衰えがみえ心配だ。
ひなまつりなのでちらし寿司の差し入れをもって見舞いに行ってきた。介助疲れの母の慰労もかねて、はまぐりの潮汁を作った。
幼い頃母はひなまつりは必ず雛人形を飾ってちらし寿司と吸い物を作ってくれた。が、結婚してからは(男の子しかいないので)ひなまつりを祝うこともない。本日実家で一緒に食卓を囲みながら、幼い頃の家族行事を懐かしく振り返った。

往路(阿倍野経由なので)、あべのハルカス美術館で開催中の『長谷寺の名宝と十一面観音信仰』展を観る。
今回ごご本尊の観音像は搬入されなかったようだが、なんといっても本展の目玉は、本尊の左右脇侍の2像である。むかって左側には雨宝童子立像(室町時代)、右側は難陀龍王立像(鎌倉時代)。どちらも重要文化財。あまり馴染みのない珍しい像だし彩色も見事だ。本尊の観音様が童子と翁=老若の強者を両脇に携えるというのも面白い。

雨宝童子立像フォト 難陀龍王立像フォト

展示は、ほかに白鳳時代の銅板法華説相図(国宝)や、室町時代の丸文散蒔絵経箱(国宝)長谷寺装飾経(国宝)など。長谷寺が長く栄えたのは豊臣家や徳川家のひとかたならぬ庇護があったからといわれている。

長谷寺は西国三十三所第8番札所で、札所ではめずらしくいつ行っても本尊・十一面観音が拝殿できる。(ふつう札所のご本尊は秘仏が多く公開されていないことが多いらしい。) 私も現地で2度は見ている。
この十一面観音様は高さ10メートルという巨大な仏像で、日本三大仏の一つである。あと2つは東大寺の毘盧遮那仏(奈良の大仏)と岡寺の如意輪観音像である。三大の「大」とはその名のとおりBIG(でかい)ということらしいのが笑ってしまうが。

右手に錫丈を持っているのだが、ふつう錫丈は地蔵の持ち物であることから、ここの観音様は地蔵との合体版といってよく、「長谷寺式」と呼ばれている。 本展では長谷寺と関係のある豊山派寺院など諸寺に伝わるさまざまな大きさや表情の「長谷寺式」十一面観音像が集められており、十一面観音フェチの私には嬉しい限り。

長谷寺は澁澤龍彦の「女体消滅」や「ねむり姫」に登場する。
都からここまでは徒歩で三日を要するほどの遠隔地、それでも長い道のりをものともせず参詣者が途絶えることはなかったという。
ここにお籠もりをして観音の夢のお告げを受けることがさかんだったという。

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