3回目から、公募展の審査員をさせていただいている。今年は7回目、立体公募展を入れると6回目の審査だ。
基本、mikepo'sのオーナー・くろやぎ堂さんと「猫とも新聞」主宰の鷲見さんと3人で、大賞以下各賞を決め、月刊誌「ねことも新聞」翌月の号に、各賞発表とともに全ての作品の講評を載せる。
お二人はわかるが、なぜ私に白羽の矢が立ったのか…まあ、頻繁に猫ギャラリーには通っていたし、美術展をたくさん見ているからだろうとは思うのだが、自分も(写真なれど)作品を発表する身、自分の「眼」への自信はいつも揺らぎっぱなしなので、恐れ多いと思う。
とはいえ、基本作品鑑賞は楽しく、ワクワクするし、評するのもまた勉強になるので、やらせてもらって光栄だ。身が引きしまる。
受賞した作家さんがこれをきっかけに飛躍的に活躍する場合もあるし、毎回応募する人がどんどん腕を上げていることもあり、そういうのを見ているととてもやりがいを感じる。
で、今年の受賞者さま
大賞:琴月リュウ様
月下美人と猫の一夜限りの逢瀬が、幻想的な青につつまれていて、その美しさに息を飲みました。これまでは、ラブリー、ゴージャスな可愛い猫のイラストという感じだったのに一皮剥けたみたい。
猫とも新聞賞:odeconocoさま
石粉粘土の造形。ユーモアあふれるフルーツシリーズ。細部まで丁寧だし、着彩のマチエールもよく、完成度の高さに文句なく決まった。
ねこの引出し賞:原野恭子さま
公募展ご常連である。CG作品は評価の難しいところなのだが、構図といい、色調、配色など手描き水彩のように美しいグラデーションやぼかし、にじみで素晴らしかった。特に上2点がよい。応募は一人3点までで、画風をあえて変えてくる人、3点セットで応募する人、まちまちである。
技能賞:smile.j.y.r.c. さま
上手い!と審査員が声を上げた写実性。目力、胸の辺りの毛割れ、髭の向き、よく観察しているし、抽象的な背景も半端にならず全体の雰囲気を盛り上げている。写実だけでない何かが出てくるかも、と今後にも期待。
ユニーク賞:田中黒さま
単純に描くのは難しい。ひとくせあるものが好きな審査員たちが全員惹かれた作品。漆のような色、塗り方も良い。細部まで描き込んだ作品が多い中、極限まで省いて、これだけの猫の表情、姿体、毛並みを出せるのは実力派。もっと作品を見てみたい。
受賞を逃した方の作品も力作揃い。7日まで展示していますので、ぜひお出かけください。
猫とも新聞は、毎月22日発刊、定期購読制です。
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