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2024年04月30日07:17

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『小さな修養論』致知出版社

【人間の三つの本能】5492


藤尾秀昭

太古から今日(こんにち)まで、生命は一貫して二つの原理によって存在している、という。

一つは代謝であり、もう一つはコミュニケーションである。


代謝によってエネルギーをつくる。

コミュニケーションによって新しい生命を生み出す。

この二つの原理によらなければ、あらゆる生命は存在し得ない。


この生命を生命たらしめている二つの原理は、人間の幸福の原理と対をなすように思われる。

即ち、あらゆる面で代謝(出と入)をよくすること。

そして物を含めた他者とのコミュニケーションをよくすること。


そこに人間の幸福感は生まれるのだ。

聖賢の教えは、極論すれば、この二つを円滑にするための心得を説いたもの、とも言える。



脳の専門医、林成之(なりゆき)氏は、どんな人の脳も三つの本能を持っている、という。

一は「生きたい」

二は「知りたい」

三は「仲間になりたい」

という本能である。


この脳の本能から導き出せる「脳が求める生き方」は一つである。

「世の中に貢献しつつ安定して生きたい」 ということである。

脳の本能を満たして具現するこの生き方は、そのまま人が幸福に生きる道と重なり合う。

そこに大いなる宇宙意志をみる思いがする。

遠くから来た私たちは、宇宙意志のもとに、幸福を求めて遠くまで歩み続けているのかもしれない。


最後に、四十年ハガキ道を伝道してきた坂田道信(みちのぶ)さんの言葉を紹介する。

「どんな人と一緒になっても、どんなことに出くわしてもつぶされない人格をつくり、幸せに楽しくいられるような人になりたい」

大人の幸福論を説いて、これ以上の言葉はない。



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代謝によってエネルギーをつくり、コミュニケーションによって新しい生命を生み出す。

生命は一貫してこの二つの原理によって生存しているという。


これは、いいかえれば、イタリア人をあらわす有名な言葉、「マンジャーレ(食べて)、カンターレ(歌って)、アモーレ(恋をして)」ということになる。

あれこれくよくよ悩まずに、食べて、歌って、恋をして、毎日、人生を楽しく過ごそうよ、と。


人付き合いの中で最も大事なのが、コミュニケーション。

コミュニケーションで、もっとも大切なのが「傾聴」の姿勢。

それは、自分ばかりがしゃべるのではなく、人の話をじっくりと聞くこと。



そして、その基本ベースとなるのが、「生きたい」「知りたい」 「仲間になりたい」という欲求。

「生きたい」とは、マズローの5段階の中の、最も原始的な「生存欲求」だ。

そして、「知りたい」とは、知的好奇心のこと。

最後の「仲間になりたい」とは、現代でいうなら、どこかのコミュニティ(サードプレイス)に入ろう、ということ。

それは、ファーストプレイス(第一の場所/自宅)や、セカンドプレイス(第二の場所/会社や学校)でもない、サードプレイス(第三の場所/ほっとできる場所)のことだ。


「生きたい」「知りたい」 「仲間になりたい」という三つの本能。

いくつになっても子供のような好奇心を失わず、様々なコミュニティに所属する人でありたい。
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