mixiユーザー(id:2083345)

2023年11月02日21:50

233 view

10/31 特別展 やまと絵ー受け継がれる王朝の美【2期】@東京国立博物館平成館

1期の日記はこちら
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986164559&owner_id=2083345

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986164724&owner_id=2083345

ちょうど2週間後の同じ時間に訪問だが、1期より空いていた。特に序章と第1章のコーナーは下がっても屏風の全容が見えた。
全部で展示替えが4期ある本展、1期から2期への展示替えはそれほど多くないが、2期の目玉は《神護寺三像》、2期から3期の入れ替えが割と多くて、3、4期の目玉が《三大装飾経》、もちろん、数は少ないが4期のみの展示ー例えば《那智瀧図》ーもある。

今回は1期から2期なので、展示替えになったものだけを中心に見て(それでも2時間)、前回本館で見られなかったものを見ることにした。

《平家納経 分別功徳品 第十七》
1期にも出ていたが、その時はよく見れなかったので今回は最前列で。清盛の願文に「善を尽くし、美を尽くし」とあるようにそれはそれは豪華絢爛。上下の帯に描かれた桔梗や朝顔などの紫の花も可愛く、マイミクさんが指摘した通り、巻かれている部分で見えるが、裏面も金銀砂子の豪華装飾。
フォト

《源氏物語絵巻 柏木二》
1期から場面替え。かつて本物を見たのか画像で見たのか、覚えがないほど有名なシーン。女三の宮との密通で自責の念から病気になった柏木を夕霧が見舞う。柏木が痛々しい。
余計なことだが、画中の屏風が「一扇縁取り」になっていて、別の展示で「これは古い形態の屏風」と知る。
フォト

《粉河寺縁起絵巻》
下の方が火災にあったのだろうか、ひどく損傷した跡がある。
ストーリーは
「長者の一人娘が悪臭を放つ皮膚病に侵され、祈祷を尽しても回復の兆しなく三年が過ぎたところへ、童子が現われて七日間の祈祷を申し出る。千手陀羅尼による加持祈祷によって娘の病いは快癒し、喜んだ父母は蔵の財宝を寄付しようとするが童子は断わり、娘が幼少より肌身離さなかった提鞘(小刀)と紅の袴のみを形見として受けとる。在所を尋ねられた童子は、紀伊国那賀郡の粉河と答えて立ち去ったとみると、消えてしまう。次の春、長者一家は那賀郡に赴き粉河の地を尋ねるが知る人がいない。山のほうにあるだろうと行ってみると、粉を入れたような白い流れを発見し、喜んでたどると上流に庵を見出す。庵の扉を開けると輝く白檀の千手観音像が立っており、その施無畏印を結んだ手に、童子に喜捨した提鞘と袴がかかっていた。人々は童子が千手観音の化身であったと知り、皆出家した。猟師の一家は粉河寺の別当となって今に伝わるという。」(wikiより)
展示は、一家が粉河(白い川)をわたり、千手観音が喜捨した赤い袴を持っていたのを見て、一同平伏し感涙の場面。
手前の木々はリアルに描いているが、遠くの山の木は▲に棒がついた子供の絵のようで、素朴。
フォト

《伝源頼朝像》《伝平重盛像》《伝藤原光能像》
神護寺に伝わる「神護寺三像」として名高いやまと絵系肖像画。いずれも横幅1メートルを超す一枚絹に描かれた、ほぼ等身大の巨大人物像。作者は似絵の名手藤原隆信筆と伝える。
フォト

《伝》とあるのは、伝源頼朝像が足利直義、伝平重盛が足利尊氏、伝藤原光能は足利義詮ではないかと言う説が浮上、論争中なのである。制作時期は12世紀ではなく(こんな大きな一枚絹がなかった)14世紀中葉であるとされ、作者も藤原隆信ではない、と。さらに、《伝藤原光能像》だけは他の手に依るもので製作時期も異なるとのこと。
確かに、実物を見ると1点目2点目と3点目のタッチが違うようだ。
それにしても教科書でインプットされていた源頼朝の姿が、実は違う人だったなんて、今更言われてもなかなか脳内で矯正できな〜い。
フォト

ううむ確かに、本館で展示されている木彫の《伝源頼朝坐像》↓とはちょっと違うような気もしてきたが。
フォト
それはともかく、美術品としてみたら、やっぱりすごい。糊をバリバリに利かせた強装束は平面的に見えるが、座った角度がいいのか、三角形の安定感があって威厳に満ちている。衣の織り文様も美しい。そして顔。目にはよく見ると虹彩まで描かれて繊細な線の引き方だ。出自の良さの気品と武士の力強さが兼ね備えられ、神格化している。崇め奉りたくなる像である。
《伊勢新名所絵歌合》
画像はないが、パステルカラーの淡い彩色が水彩画のようにふわっと綺麗で優しく、いい感じ。

《紫式部日記絵巻》
藤原道長の娘彰子が敦成親王を出産。絵は、道長の妻が敦成親王を抱いている。引目鉤鼻の典型的な顔立ちだが、赤子を抱いている首の傾げ方一つで幸せが伝わってくるような。
フォト

《夜寝覚抜書》伝後光厳天皇宸筆
1期にも展示。
金銀泥に和歌が散らし書きしてあるが、小さい星のようなものが連なっているのは、鳥。単眼鏡で見なければわからないくらい小さいが、ちゃんと鳥の形をして連なって飛んでいるさま、いとをかし。
フォト

《年中行事絵巻(住吉本)》巻第三
鶏合(闘鶏)の様子。東西陣営それぞれの楽屋の様子も楽しい。
鷹司本は白描。
フォト

《春日権現験記絵巻》巻第二
どういうシーンだかわからなかったが、紐に繋がれた猫を発見。絵巻物は絵が小さいし劣化している場合もあるので見落としがちだが、案外多く犬猫が登場しいていて、それを見つけるのも楽しみ。
フォト


ミュージアムショップは大盛況。
フォト フォト

2期は11月5日まで


17 12

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年11月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930