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2023年04月30日15:29
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4/28 江戸絵画お絵描き教室【後期】＠府中市美術館
前期は桜満開に行きましたが、後期は躑躅も終わりかけて新緑眩しい日でした。でもやっぱり桜ソフト。
前期日記はこちら
https:/
展覧の趣旨に沿った話は前期の日記でしたので、後期は気に入った作品の紹介。
円山応挙《雪中狗子図》部分
蘆雪の雀と応挙の雀、前後期合わせてどれだけ集めてきたんだいと思うが、ほぼ個人蔵のようで画像がなかなか見当たらない。
後期は中でも２曲1双《狗子図屏風》が目を惹く。こちらと同じ年に描かれたが、金砂子がまかれ、左隻に6匹、右隻に5匹が描かれている。いつもと違って毛がボソボソしている。それもまた可愛い（部分）↓
中村芳中《狗子図》画像なし
こちらはもっとゆるゆるで5匹が重なり合っている。1匹は尻の穴まるだし。
森田顕忠《牡丹に小禽図》画像なし
秋田藩士で俳人だが、絵も描くとは知られておらず、最近発見された作品。南蘋派だが、岩の描き方などオリジナリティがある。
松尾秀山《西洋人物図》（参考）
この絵ではないが、こんな感じのもので、西洋人2人が犬を連れ狩に出掛ける所の図。ヨーロッパ銅版画を見て描いたと思われるが、版画のグラデーションを筆の掠れで表現。日本人って器用だなぁ！
谷文晁《金碧山水図》
緑青＋群青を厚く塗ったのが「青緑山水図」、それに金泥の線を足したのが「金碧山水図」という。贅沢な絵だね。
伝土佐光起《四季花鳥図巻》画像なし
前期にも展示があったが画像見つからず、今回もまた見つからず、お見せできないのが残念至極。鶴亀から始まり、さまざまな小禽が、そして、籠の鳥を子供たちが放ちたり、雛に匙で餌をやったりと、放生会のようシーンに変わり、果ては小屋の小窓からバードウオッチングのシーンも。花木や小禽、子供達の可愛さたるや、美しい大和絵風絵巻。
長沢蘆雪《寒山図》画像なし
寒山拾得といえば、豊干禅師とともに描かれる奇行の高僧。
画像はないが、この絵は、眠る虎（豊干禅師の虎）の上に覆い被さるようにして眠る寒山が描かれていて、虎も寒山も気持ちよさそうで可愛い。寒山とわかるのは、読みかけの巻物が広げてあるから。同じ蘆雪の絵で、参考に《四睡図》を。こちらでは豊干・寒山拾得・虎全員寝ている↓
谷文晁《孔雀図》画像なし
細かく煌びやかな彩色で孔雀を描く画家は多いが、墨一色の孔雀もまた素晴らしい。骨太な造形だが、絹本なので単色でも羽根が美しく精緻に描かれている。
技法のコーナーでは、付け立て、たらし込み、筋目描きなど。
菅井梅関《蛸図》画像なし
大胆なタコの絵だが、頭の輪郭も８本の足も全て「付け立て」の技で描いている。付け立ては練習しないと相当難しそう。
亜欧堂田善《山水人物図押絵貼屏風》六曲一隻 画像なし
水墨、こちらも全て「付け立て」という技法。亜欧堂田善というと日本西洋画のイメージが強いが、こんな伝統的な水墨画を描いていたんだ。
鈴木其一《猫図》
うちのりょうたんそっくり♡
鈴木守一《紅葉図》部分
たらし込みの美しい葉。よく見ると、一枚の葉には蝉の抜け殻。
伊藤若冲《雨竜図》
ほとんど漫画キャラ！目だけ見ると風神雷神図に似ている。龍の鱗は「筋目描き」
司馬江漢《円窓唐美人図》
日本の絵は余白を大事にするが、この絵には余白なし、きっちり埋めて西洋画風に。
表具のコーナーでは、曾我蕭白《寒山拾得図》のビフォーアフターを。こんな展示も珍しい。
ビフォー
アフター
絵（絹本）の下に黒い裏打ち紙を入れると絵がしまる。
江戸の画家はどうやって絵を学んだかのコーナーでは…
伝徽宗《狗子図》
狩野探信《遊狗図》のなかの1匹は、伝徽宗のとまるで同じ。↓
画像はないが、森狙仙《双狗図》の1匹も同じ。現代だったらパクりと言われてしまうが、この時代は、先人の優れた絵画を模写したり倣らうことは尊敬の念の印ともなった。
岸駒《猛虎図》
応挙は虎の毛皮を参考に被毛の美しさに重きを置いて虎を想像して描いたが、岸駒は、虎の頭骨、四肢骨を手に入れ、その形から想像して描いた。結果、猛々しい！
宋紫山《虎図》
では、この立派な眉毛はどこから学んだものだろう？
与謝蕪村《豊干経行図》
豊干禅師と一緒なら、虎は従順になる？？
最後のコーナーでは、自由な江戸絵画からお絵かきの楽しさを学ぶ。
歌川国芳《坂田怪童丸》
金太郎と鯉の滝登りをどうやって「劇的」に仕上げていくか、この展示に携わっているイラストレーターの長田結花氏の分析解説が面白い。水飛沫は大事な要素。
住吉弘定《百鬼夜行図巻》
色数は少ないのに、グラデーションを使ってカラフルに見せる
長沢蘆雪《鶏親子図》（部分）
ひなの体を塗り残すことによってふわふわのかわいさを出している
長沢蘆雪《唐子遊図》
お絵描きは楽しまなくちゃ！
長澤蘆雪《狗児図扇面》
今回の展覧会は、応挙、蘆雪の作品がいつもに増して多かった。多い犬の絵の中で、最もだらけきった犬がこちら（笑）
遠藤曰人（あつじん）《蛙の相撲図》
府中美で時々見かけるこの俳人の絵。力の抜け具合が最高。
仙�儺想陝埓膤僅他綾餡茣�》
力の抜けようなら、この人も。
極め付けは徳川家光《兎図》
これで、下手でも大丈夫、と自信を持ってお絵描きコーナーへ。
前期と合わせて、6種類コンプリート。楽しゅうございました。
今回はコレクション展も見てきました。一部ご紹介
青木繁・福田だね《逝く春》
高橋由一《墨水桜花輝燿の景》
立石大河亞《登呂井富士》千葉市美で見たのが懐かしい
川村悦子《黄いろい花》写真でなく絵の不思議
浅野竹二の版画、作風が変わっていく様が面白く、また魅力的だったのでいつかまた紹介したい。今回はこの辺で。
５月7日まで
前期日記はこちら
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展覧の趣旨に沿った話は前期の日記でしたので、後期は気に入った作品の紹介。
円山応挙《雪中狗子図》部分
蘆雪の雀と応挙の雀、前後期合わせてどれだけ集めてきたんだいと思うが、ほぼ個人蔵のようで画像がなかなか見当たらない。
後期は中でも２曲1双《狗子図屏風》が目を惹く。こちらと同じ年に描かれたが、金砂子がまかれ、左隻に6匹、右隻に5匹が描かれている。いつもと違って毛がボソボソしている。それもまた可愛い（部分）↓
中村芳中《狗子図》画像なし
こちらはもっとゆるゆるで5匹が重なり合っている。1匹は尻の穴まるだし。
森田顕忠《牡丹に小禽図》画像なし
秋田藩士で俳人だが、絵も描くとは知られておらず、最近発見された作品。南蘋派だが、岩の描き方などオリジナリティがある。
松尾秀山《西洋人物図》（参考）
この絵ではないが、こんな感じのもので、西洋人2人が犬を連れ狩に出掛ける所の図。ヨーロッパ銅版画を見て描いたと思われるが、版画のグラデーションを筆の掠れで表現。日本人って器用だなぁ！
谷文晁《金碧山水図》
緑青＋群青を厚く塗ったのが「青緑山水図」、それに金泥の線を足したのが「金碧山水図」という。贅沢な絵だね。
伝土佐光起《四季花鳥図巻》画像なし
前期にも展示があったが画像見つからず、今回もまた見つからず、お見せできないのが残念至極。鶴亀から始まり、さまざまな小禽が、そして、籠の鳥を子供たちが放ちたり、雛に匙で餌をやったりと、放生会のようシーンに変わり、果ては小屋の小窓からバードウオッチングのシーンも。花木や小禽、子供達の可愛さたるや、美しい大和絵風絵巻。
長沢蘆雪《寒山図》画像なし
寒山拾得といえば、豊干禅師とともに描かれる奇行の高僧。
画像はないが、この絵は、眠る虎（豊干禅師の虎）の上に覆い被さるようにして眠る寒山が描かれていて、虎も寒山も気持ちよさそうで可愛い。寒山とわかるのは、読みかけの巻物が広げてあるから。同じ蘆雪の絵で、参考に《四睡図》を。こちらでは豊干・寒山拾得・虎全員寝ている↓
谷文晁《孔雀図》画像なし
細かく煌びやかな彩色で孔雀を描く画家は多いが、墨一色の孔雀もまた素晴らしい。骨太な造形だが、絹本なので単色でも羽根が美しく精緻に描かれている。
技法のコーナーでは、付け立て、たらし込み、筋目描きなど。
菅井梅関《蛸図》画像なし
大胆なタコの絵だが、頭の輪郭も８本の足も全て「付け立て」の技で描いている。付け立ては練習しないと相当難しそう。
亜欧堂田善《山水人物図押絵貼屏風》六曲一隻 画像なし
水墨、こちらも全て「付け立て」という技法。亜欧堂田善というと日本西洋画のイメージが強いが、こんな伝統的な水墨画を描いていたんだ。
鈴木其一《猫図》
うちのりょうたんそっくり♡
鈴木守一《紅葉図》部分
たらし込みの美しい葉。よく見ると、一枚の葉には蝉の抜け殻。
伊藤若冲《雨竜図》
ほとんど漫画キャラ！目だけ見ると風神雷神図に似ている。龍の鱗は「筋目描き」
司馬江漢《円窓唐美人図》
日本の絵は余白を大事にするが、この絵には余白なし、きっちり埋めて西洋画風に。
表具のコーナーでは、曾我蕭白《寒山拾得図》のビフォーアフターを。こんな展示も珍しい。
ビフォー
アフター
絵（絹本）の下に黒い裏打ち紙を入れると絵がしまる。
江戸の画家はどうやって絵を学んだかのコーナーでは…
伝徽宗《狗子図》
狩野探信《遊狗図》のなかの1匹は、伝徽宗のとまるで同じ。↓
画像はないが、森狙仙《双狗図》の1匹も同じ。現代だったらパクりと言われてしまうが、この時代は、先人の優れた絵画を模写したり倣らうことは尊敬の念の印ともなった。
岸駒《猛虎図》
応挙は虎の毛皮を参考に被毛の美しさに重きを置いて虎を想像して描いたが、岸駒は、虎の頭骨、四肢骨を手に入れ、その形から想像して描いた。結果、猛々しい！
宋紫山《虎図》
では、この立派な眉毛はどこから学んだものだろう？
与謝蕪村《豊干経行図》
豊干禅師と一緒なら、虎は従順になる？？
最後のコーナーでは、自由な江戸絵画からお絵かきの楽しさを学ぶ。
歌川国芳《坂田怪童丸》
金太郎と鯉の滝登りをどうやって「劇的」に仕上げていくか、この展示に携わっているイラストレーターの長田結花氏の分析解説が面白い。水飛沫は大事な要素。
住吉弘定《百鬼夜行図巻》
色数は少ないのに、グラデーションを使ってカラフルに見せる
長沢蘆雪《鶏親子図》（部分）
ひなの体を塗り残すことによってふわふわのかわいさを出している
長沢蘆雪《唐子遊図》
お絵描きは楽しまなくちゃ！
長澤蘆雪《狗児図扇面》
今回の展覧会は、応挙、蘆雪の作品がいつもに増して多かった。多い犬の絵の中で、最もだらけきった犬がこちら（笑）
遠藤曰人（あつじん）《蛙の相撲図》
府中美で時々見かけるこの俳人の絵。力の抜け具合が最高。
仙�儺想陝埓膤僅他綾餡茣�》
力の抜けようなら、この人も。
極め付けは徳川家光《兎図》
これで、下手でも大丈夫、と自信を持ってお絵描きコーナーへ。
前期と合わせて、6種類コンプリート。楽しゅうございました。
今回はコレクション展も見てきました。一部ご紹介
青木繁・福田だね《逝く春》
高橋由一《墨水桜花輝燿の景》
立石大河亞《登呂井富士》千葉市美で見たのが懐かしい
川村悦子《黄いろい花》写真でなく絵の不思議
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