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2023年01月28日01:54
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考古学が語るシルクロード史 エドヴァルド・ルトヴェラゼ 平凡社 2011年5月21日
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今夜放送『クレイジージャーニー』、アフガニスタンを取材 国に見放された地帯「地獄の橋」とは？
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p.142
その他ビールーニーBiruni(973-1048)の『年代学』Chronologyの中に月や日、星座、祝祭日のホラズム語名称が入っていた。一部のホラズム語は10世紀のアラブとペルシアの地理学者アル‐ムカダシ、イスタフリ、イブン・ファドランらの著作に入っていた。
…
ホラズム文字はアラム文字を基礎にして形成され、ソグド文字の場合と同様に、長い間アラム語の表意文字ideogramが存続した。これは文字だけで、日常会話には用いられなかった。
…「Gaumashamiの家族；Gaunshami(息子たち)−最初に列席する者Ｍ……最初に列席する者Friiafhvash、娘の夫Gaufarnak；奴隷：Sagaidak、Katfanak、Pandakacak、Saubagdak、Bevarsavak、Vah(u)shvari；戸主の妻の奴隷はRazmbevarak、Pitanak、子供たちの奴隷はFarnabgavak、妾の息子の奴隷は初めて列席するDagateganak……」。
p.143
7‐8世紀に属するもう1つの古代ホラズム語銘文がカマ川[ヴォルガ川の大支流]で発見された。
p.147
『アヴェスタ』という用語はそのときに現れ、中世ペルシア語で「基礎」を意味するアパスタークapastakに由来し、基本的テキストの意である。
p.150
この器は『ウィーデーウダード』書でウズダナuzdana、少し後代のパフレヴィー語テキストではアストダンastodanと呼ばれた。…
…
このほか、『アヴェスタ』の用語の中でよく広まっているものにナウスnausがあった。これは、神殿templeを意味するギリシア語のナオスnaosに遡るが、ササン朝期と初期イスラム時代のゾロアスター教徒にとっては死者の浄化した遺骨を納める墓上建物を意味した。
p.151
この犬は彼らの言葉で墓堀人entaphiastaiと呼ばれる。…
…カニシカ王はカラルラゴKaralrang(国境の長官)シャファルShafarに、カシグ平地にバゲ‐アブBage-abと呼ばれる神殿の建設を命じた。その神殿は栄光のウンマUmma、ナナNana、アウルムズドAurmuzd、ムズドゥワンMuzhduwan、インドでMahasenaと呼ばれるスロシャードSroshard[スラオシャ]、Visakhaと呼ばれるナラサNarasa、ミフルMihrなどの神々を招くためである。…
…スラオシャ神の名はカラテパの洞窟に出ているし、別のゾロアスター教の神ファッローPharroとマオMaoの名はファヤズテパとダルヴェルジンテパの仏教寺院址出土の土器片文書に現れている。…
…また、複合的固有名詞にはゾロアスター教のヤザタYazata[ボイスによると礼拝に値する存在の意、アムシャ・スプンタと同じ]であるミスラMithra(ミフルMihr)の名が多い。
p.152
例えば、ミフルザドMihrzad、ボロゾミフルBorzomihrなどである。
アイルタム発見の銘文にもヤザドiazadoの語が見える。
p.156
このとき使節団とともに、最初の仏教徒施設として、迦葉摩騰Kasyapa Matangaと竺法蘭Dharmaratnaが中国へ来た。…
p.157
そのうち、安世高と安玄は後漢(紀元25-220年)の時代に、他の2人、つまり曇(無)諦(Dharmasatya?)と安法欽(Dharmabhadra?)は魏の時代に活躍した。書家の安慧則は紀元4世紀に生きた。…
…ここで彼は安世高の弟子と名乗る中国人の僧厳仏調Yang-Fotaoとともに『法華経』を中国語に訳した。
p.158
すなわち、康巨、康孟詳、康僧鎧、康僧会(チュルヒャーは、Sanghavarman?、バグチBagchiは、Sanghavarmarというインド名をあげている)および宝意(Ratnamati)である。康巨は月氏の著名な僧支婁迦讖Lokaksema?の同時代人で紀元190年以後中国で活動した。…
…その1人は仏教の僧でありながら書家としても知られる康法識である。…彼は当時書家として最も有名であった康�気反討靴�った。
p.159
別の月氏出身の優婆塞、支謙(またの名を支越、字は恭明)はロカクセマの弟子であった。支謙は体つきが細長く、黒く痩せて目は白が多く、眼精は黄色であった(ついでに言えば、これは月氏の具体的外貌についての唯一の記述である)。…
…
竺法護(ダルマラクシャ)も中国仏教の普及に大きく貢献した。…
…6行のバクトリア語碑銘つきの彫刻は、ベルナールP. Bernardがシヴァとパルヴァティであるとしてるが、ハルマッタJ. HarmattaはファッローPharroとアルドクショーArdochshoであるという。
p.160
また、ダルヴェルジンテパの第2仏教寺院発掘のとき、クシャン朝時代の神々の中で月神を表すマオMaoの名が墨でバクトリア文字で書かれた土器片が発見された。
…古メルヴ郊外のストゥーパから発見された写本は、声聞乗Sravakayana[小乗]の教えを基礎にした編纂であるが、声聞乗は説一切有部に属するシュラワカ[仏弟子]のための救いの乗である。大衆部も説一切有部も仏教における大乗的方向の流派に属する[著者のこの見解には異論もある]。
…ヤコブ派は西シリア教会の一教派で、創始者ヤコブ・ツァンツァルJacob Tsantsalにちなむものである。
p.161
その頃商人のナバンNabban(またはハバンHabban)は、「インド王」ゴンドファレスGondopharesによって、南の国へ送られた。…トマスはインド王の宮廷に着いてからキリスト教を広め、王とその弟ガドGadをはじめ、多くの都市や村の住民を改宗させた。それから彼はマズダイ王が統治している都市に行き、王妃のテルティアTertiaとほかの高貴な女性たちを改宗させた。
p.162
キリスト教の伝統によれば、中央アジアのキリスト教布教において、メルヴの伝説的主教Bishopで東部イランのキリスト教会の創立者であるバルシャバBarshabbaは、大変大きな役割を果たした。
p.163
シリアの年代記によれば、総主教イエシュベJeshube2世(628-643)のとき、サマルカンドとヘラート、それにインドと中国に大主教座が設置された。バルトリドV. V. BartholdとザハウE. Zakhauの引用によれば、ヘラートの大主教座は6世紀後半に、サマルカンドはアハイAkhai総主教(紀元410-416)のときに設置された。おそらく6世紀にはメルヴに、7世紀にはカシュガルとネヴァカト[キルギス]に大主教座が設置された。644年に、メルヴの総主教イリヤIliyaは、オクサス川の対岸に住むチュルク人をキリスト教に改宗させた。…シモカッタのテオフィラクトゥスTheophylactus of Simocattaのデータによると、591年ササン朝の将軍ワフラーム・チョービーンBahram Chobinの反乱が鎮圧されたとき、チョービーンの同盟軍として戦ったチュルク人が額に十字架のしるしをつけていた。…
…トルストフS. P. Tolstovは、8世紀の古文書研究に基づいて、ハザール主教管区内に特別のフワリスKhwalis、つまりホラズムの司教座も含まれたとの見解を述べている。
p.164
ネストリウス派タイプの十字架の図文のある青銅コインは、ウストルシャナの支配者(アフシン)ロハンチRohanch(7世紀)によって発行された。…これは、おそらく中央アジアで稀でないユスティニアヌス1世(527-565)のコインのコピーと考えられる。
p.168
現地住民の意識にキリスト教のシンボルを浸透させるうえで、ビザンツのコインが一定の役割を果たしたことは疑いない。…
…これは聖書Bibleのシリア‐ヴァージョンであるペシットPeshittoに含まれた詩篇psalmsの断片であった。…
…「このフームは教師ヤルク‐テギンのものである。アーミン、アーミン」。…チュー川渓谷のヤッカリチ都城址発見の別のソグド語銘文には、聖職者の称号で、典型的なソグド人名「主教シルファルン」とある。…フームの壁面に書かれた垂直のソグド語銘文は、聖職者の称号とチュルクの人名で「司祭イルータグ」とあった。
p.169
「210年。私は内地(つまり東トルキスタン)から来た。サマルカンドの奴隷(神の)ノシュファルンはチベットのカガンにおもむく」(リフシツの訳)。…
…
東トルキスタンのオアシスづたいのシルクロードによって、ネストリウス派キリスト教は中国本土へ入り、中国の年代記によれば、6世紀には既に甘粛省にシリア人のネストリウス派教徒マル‐サルギスMar-Sargisの家族が住んでいた。…シリアの年代記によると、総主教ティモフェイTimofei1世(780-819)のときネストリウス派のすぐれた布教師スバレシュSubbaleshuがカスピ海地域から中央アジアを経由して中国へ入ったが、その途中チュルクの異教徒や拝火教徒、マニ教徒、マルキオン派信徒Marcionite[2-7世紀に栄えたグノーシス的禁欲を旨とする教派の信徒]を改宗させた。
p.170
これは、トハリスタンの都市バルフから来た司祭ミリスの息子、フマダナHumadanaの大司教khorvishopヤゼドボウジドYazedbouzidによって建てられた。…
p.171
マニ自身が東アラム方言と中世ペルシア語で多くの著作を書き、ペルシア語に母音をつけるためにシリア文字の変形である「プラエストランゲロ」アルファベットを適用した。
p.172
とりわけサマルカンドは、一時マニ教徒の最高位の人物の所在地となり、7世紀末にはソグド語が東方マニ教会の公用語となった。チャガニアンのマニ教も強く、719年にはチャガニアン(支汗那)の王帝賖Teschがマニ教の教師(大慕闍)を使節として中国皇帝に送っている。…
こうしたことは、マニ教がチャガニアンで公式に認められているだけでなく、おそらくは支配的宗教であったことを物語っている。…
…東トルキスタンで豊かに挿図の入ったマニ教の著作が発見されたが、その中にウイグル語のテキストKhvastuvanifta(悔悛の祈り)がある。
p.183
コメドは一部の研究者によれば、カラテギンに同定されている。
p.184
北路は、ソグドからフェルガナを経由して石塔のある商人の宿場を通った。カラテギンとアライ溪谷を通る南路も同じく石塔を通過した。
…最も根拠のある研究者の意見では、石塔はアライ溪谷のダラウトクルガンDaraut-Kurganに相当する。石塔の後は、道は中央アジアの範囲を離れて東トルキスタンの地域に入り、イルケシュタム地域にいわゆる「商人の宿場」があった。
p.185
マスーディによると、イランでの絹織物の生産は、ササン朝のシャー、シャープール2世(紀元309-379)の治世で、このためにネストリウス派のキリスト教徒ポシュPoshがすぐれた職人として雇われた。
p.191
ヘラクレスが偉業を達成した後、岩の上またはオンパロスomphalos[古代ギリシアのデルフォイのアポロン神殿にあった世界の中心と考えられた円錐形の石]に座っている像は、前2世紀から紀元2世紀までのブハラ・オアシスで発行されたエウティデムスのテトラドラクマ模倣貨に描かれている。
p.194
カンピルテパ出土のコインの量は、大シルクロード上での公益活動の規模の大きさを示している。…
バルトリドV. V. Bartholdは、バルダグヴィが古くからアムダリヤの最も川幅の狭い渡河点であるケリフであったとしている。しかし、マッソンM. E. Massonは、バルダグヴィがスルハンダリヤ州の今のホシュマン村付近にあるチュシカグザル(イノシシの道)渡し場にあったとしている。
p.195
ヘニングは、ギリシア語起源のこの言葉の最初の音声は客舎を意味するパンドキpandokiであったが、後にソグド方言の1つであるバルダグヴィpardagviに転化したとしている。ミノルスキーは、ギリシア人によって建設されたこの渡し場の古代名は、パンダヘイオンπανδοχειονで、テルメズに近いスルハンダリヤとアムダリヤとの合流点にあったとしている。
…バルダグヴィはハーフィズ・アブルーが言うように、税関の意味を持っていたのである。
p.204
その1つアルジオフシュArziochshは、リフシツの見解によれば、古代バクトリア語のアムダリヤの河神オフショOchsho[オクス、オクサス]を含んでおり、「価値の高い(神にとって)ワフシュVakhsh」と訳し得ると言う。…
例えば、マルクス・クラッススMarcus Crassus麾下の4万のローマ軍がパルティア軍と戦い、1万人がパルティアの捕虜としてマルギアナ(トルクメニスタンのムルガブ川下流部の地)に送られ、パルティア王国の北東国境の守備兵となった。
p.205
陳湯が郅支の首都を奪取した後、中国皇帝に報告書を送ったが、その中で、郅支の都城には当初、門の両側に鱗の形に隊列を組んだ百人以上の兵士が並んでいたと記している。
…ダブスは、鱗の形の隊形に並んだ100人あまりの歩兵はほとんど疑いなく、郅支単于の傭兵となったクラッススのローマ軍団の一員であったに違いないとしている。
また、中国軍が突撃した都市に二重の柵があったことも注目される。このような防禦施設はローマ人によって、特に門前に造られた。
p.212
中国語の葡萄p'u-taoは、ペルシア語のbu-dawに遡り、ソグドとフェルガナから中国によって借用されたものと考えられる。
p.213
その中の1つに、インド産のチトラガンダcitragadha[吉田真弓は質汗と訳している]があった。
p.214
研究者たちは、既に19世紀に、この記述は明らかにアムダリヤ(古代のオクサス川)のデルタを記述したもので、ヴォルカシャの海をアラル海に同定し、女神アルドヴィをアムダリヤの水神であると考えた。…
これに関連して、1558年にホラズムへ旅行したイギリスの使節ジェンキンソンJenkinsonは、アムダリヤの主要な支流としてアルドク川の名をあげているが、この名称はアルドヴィ川および『アヴェスタ』の女神に類似していることを指摘しておこう。
p.216
「サマルカンドの大海」の位置をめぐっては、研究者の見解は分かれている。…当時、サマルカンド出身の人たちは、積極的に海上貿易に加わり、航海にしばしば現れて、インド洋の東半分を自分たちの故郷の都市名で呼称したと考えられる。
…一部の学者によると、サマルカンド川はインダス川である。…
この道は、インダス川からクンドゥズダリヤ[クンドズ川]、バルフアブ川[バルフ川]、ついでアムダリヤとウズボイを経由してカスピ海へ出た。
p.218
船底は丸く、アシで編んだ上から皮でくるんだもので、ドラゴンの頭のような高く持ち上げた船首と破砕用の衝角protruding ramsを備えている。船側には、船首から船尾まで5本の水平の線があり、それはまた、10本の垂直の線によって区切られている。船尾には大きな操舵の櫂が示され、その下には18本の櫂があった。つまり、この船の漕ぎ手として36人と1人の舵手がいたことになる。このほか、船上には5人の槍兵が描かれていた。
p.220
「夏季にはホラズムからテルメズへ小麦と大麦を運ぶ。これには水路で10日を要する」とある。
…テルメズからホラズムまでの水路の距離は約600km、したがって船は毎日約60km走ったことになる。
…『フドゥド・アル‐アラム』によると、フジェントまたはフジャケト(マッソンはこれをタシケントの南東端にあるハナバードテパ都城址であるとし、ブリャコフY. F. Bryakovはチルチク川との合流点にあるグル村の都城址であるとしている)には、パルク(チルチク)川とハシャルト川(シルダリヤ)で働く船乗り(ケシュタバナン)が住んでいた。シルダリヤの重要な渡河点は、ホジェント、ベナケント(アハンガラン川との合流点のあるシャルヒヤ)およびチナズ地域(中世にチナチケトの町、つまり中国[チナ]商人の町があった)であった。
p.227
古代フェルガナは、ソグドやバクトリアとは違って、自らのコインを発行しなかったので、五銖銭を流通に用いた可能性も除外できない。
p.228
ソグドおよび中央アジアの一部地域に対する中国コインの影響は、貨幣またはコインを意味するソグド語のrpuという言葉にも表れている。これは、チュルゲシのコインでは「チュルゲシ王の貨幣」という名称とともに刻まれている。また、チャチとチャチ領内のベナケト‐シャニアバグのコインでは、ラクダの像とともに刻まれている。7世紀の中国では、フェンfenという語が重さと貨幣の単位を意味したが、rpuの語はfenに由来している。
p.230
12字の中にある迷密Mi-miは、サマルカンドの南西にあるソグドの領土マイムルグである。
p.231
明緑色の自然石である軟玉(玉)Nephriteは、古代の多くの民族の間で、労働用具として、あるいは儀礼的、呪術的目的で、広く用いられた。…この石の名称がギリシア語のnephros(腎臓)からきているのも偶然ではない。
p.233
後にフェルガナは、中国コインを模範として、自らのコインを発行した可能性も否定できない。五銖銭の一部は、複製のように見えるからである。
p.238
また竹杖は、卭山山中に産する中空部分のない竹で作られた。この竹は矢の軸としても用いられたという。
p.240
この中には、チャチの支配者王朝の創始者ザッバグZabbagとヴァヌンVanunのコインも含まれている。
p.244
その後、グレコ‐バクトリアのコインの発見はいくらか多くなり、主にカバラとトビリシで見つかった。
…
バラフワンツェフの見解では、グレコ‐バクトリアのコインがザカフカスに入ったのはカスピ海の水路経由であって、この手のコインが全く見つからないカスピ海北部地域とカフカス山脈北部を経由したものではない。したがって、メディア経由ではないとしている。
しかし、グレコ‐バクトリアのコインがその鋳造地から遠く離れたザカフカス地域へ入ったことは、そのコインが含有している銀による実質的価値と結びついている可能性が高い。それははるかな異国で、流通の手段としてではなく、他の商品と交換できる商品としてであった可能性がある。
…バクトリア人はコルキスの主要都市であるファシスに住んでいた。
p.246
日本の若い研究者影山悦子は、これによく似たコーリア使節の像が敦煌の莫高窟寺院の壁画に12回出ており、ザングナイZhangnaiの王子墓にもあることを指摘し、アフラシャブの壁画の高句麗使節像は中国美術の一種のステレオタイプであって、必ずしも7世紀後半にサマルカンドを訪れたことにならないと結論した。ここで影山は、「もし私の論拠が正しければif this argument is right」という慎重な但し書きを付しているので、別の見解も認められるであろう。
p.250
こうしてジャルパクトベは、距離、集落の規模、居住の時期から見て、玄奘の記録にある中国人の済んだ無名の「小孤城」であると言うことができる。
…考古学調査によると、咀邏私城の後の大きな都城址はタラズの南西にあるサイラムSairamである。考古学者バイタナエフB. Baitanaevは、サイラムを中世のイスピジャブIspijab(白い町)に同定している。もっと古い時代には、この町が白水であった可能性は充分にある。
…第3に、チャチのヌジケトはボスタンディク地域ではなくて、マッソンM. E. Massonによって、タシケントの南東方5km、チルチク川の渡河点に位置するハナバドテパKhanabadtepa都城址に同定されている。…
…
玄奘は笯赤建国(ヌジケト―チムケント)から約200里を克服して赭時国(チェシ、石国)に至った。…しかも、タシケントの地域に、玄奘の時代のいくつかの都城址と集落址があり、その中の主要なものは、数人の研究者によって初期中世のチャチの首都であったとされているミング‐ウリュクMing-Uryuk都城址である。
p.251
1本はアングレンAngren川峡谷を東方へ進み、クラマKurama山脈のカムチクKamchik峠を越えるもので、もう1本はシルダリヤ沿いに南東へ進み、ホジェント、ついでフェルガナに至るものである。…
…窣堵󠄀利瑟那国、すなわちウストルシャナUstrushanaの主要な部分は、この地域の考古学と歴史について多くの著作や論文を発表しているネグマトフN. N. Negmatovによれば、その首都ブンジケトBundjiketとともに、フェルガナから南西と南に位置している。
p.255
第2の道は、ケシュから南へ、いくらか西へ傾いてグザルに至る。グザルの後は、道は南東に曲がり、水も樹木もない西部ヒッサール丘陵や山々に入り、タンギ‐ホラムTangi-Khoram(現代のデフカナバード)に至り、キチク‐ウラダリヤを渡って、同じくアクラバトとブズガラハナ峡谷(鉄門)へ出た。
羯霜那国から鉄門への道の記述から判断して、玄奘は初め南西、ついで「人の住む里もなく、水草にも乏しい」南東へ、つまり第2の道を利用した。
p.256
調査によると、峡谷の出口から7kmの地点にバクトリアとソグドの境界、同時にクシャン国家と康居との境界をなすシュロブサイShurobsai峡谷を閉鎖する強固な国境の防壁が発見された。ダラ‐イ・ブズガラ‐ハナDara-i Buzgala-khana(シカの家の峡谷の意。鉄門)はシュロブ村北西部の手前3kmの南側に位置している。
この狭い峡谷は約2kmにわたって、幅広いサルィマスク山の断崖を切断している。峡谷の底を年間の大部分が水のないクルホジャサイKurkhodjasai(盲目ホジャの川)が流れている。川の両側に高さ150-160ｍのサルィマスクの断崖がそびえている。峡谷の北側起点の幅は約10mほどに過ぎず、この空間を門のある防壁で閉鎖することはそれほど困難なことではなかった。
…1本の道はバイスンBaisun(中世のバサンドBasand)を経由して東のチャガニアンChaganianへ、別の道は南方へ急角度に転じ、シェラバードダリヤ沿いに、ノン-ダハナNon-Dakhanとカフィール‐カラKafir-Kalaのところで初期中世のタフカTavka要塞のそばを通り、ホチュ(アムダリヤ)と呾蜜国(テルメズ)低地に至る。
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今夜放送『クレイジージャーニー』、アフガニスタンを取材 国に見放された地帯「地獄の橋」とは？
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本日1月16日21時より放送される『クレイジージャーニー』（TBS系）に、TBSテレビ中東特派員・須賀川拓が登場。タリバン暫定政権下のアフガニスタンをリポートする。
本番組は、独自の研究課題や探求心で日本から世界まで旅する探検家（＝クレイジージャーニー）がスタジオに登場し、貴重な体験をMCの松本人志、設楽統、小池栄子に語る伝聞型紀行バラエティ。「自分じゃ絶対行けない！ だけど見てみたい！」、そんな神秘、危険、タブーなエリアにも潜入し、未知の世界をリアルな映像でお届けする。
新年2回目の放送となる今夜は、TBSテレビ報道局外信部中東支局長であり、中東特派員の須賀川拓が登場する。須賀川は2006年にTBS入社。スポーツ局を経て2010年に報道局に配属され、2019年から中東支局長を務めている。現在はロンドンに在住しており、パキスタン、イスラエル、カタールなどのイスラム圏を中心に特派員として活動し、ヨーロッパで紛争や事件が起きれば現地に出向き、日々取材をしている。
今回の取材先は、2021年にタリバンが政権を奪取したアフガニスタン。タリバンとは、イスラム教の教えを厳しく解釈し、その教えを守った国を作ろうとする組織だが、その過激なやり方が問題に。銃を持ったタリバン兵があちこちに溢れる緊張感のなか、アフガニスタンの現状を須賀川がリポートする。
アフガニスタンはタリバン政権以降、失業率が上昇、食糧難にも陥り貧困が急激に深刻化しているという。そんな貧困層が集まる、国に見放された地帯「アフガニスタンの地獄の橋」を取材。なんと橋の下には1000人以上の麻薬中毒者が。日々戦地を取材している須賀川もその光景を目の当たりにし、言葉を詰まらせる。その衝撃のVTRにスタジオのMC3人も呆然とする。
さらに、パレスチナの行政区画であるガザ地区の“武装組織イスラム聖戦のアジト”も取材。世界でも人口密度が高い地域のひとつであり、“天井のない監獄”と呼ばれているガザ。ドローンでの監視、告知爆破、ユダヤ人とアラブ人の土地争いから始まり、約2000年前から現在に至るまで紛争を繰り返しているガザとイスラエルの対立の現状とは？
戦地の最前線にクレイジーすぎる度胸で突撃し、顔色一つ変えずにリポートをするジャーナリスト・須賀川の取材から、中東で今も起きている事件や紛争、貧困等の社会問題をお届けする。
TBSテレビ中東特派員・須賀川拓が出演する『クレイジージャーニー』は、TBS系にて本日1月16日21時放送。
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