JR3社の21年3月期決算は、合わせて1兆円の赤字――武漢肺炎パンデミックによる度重なる緊急事態宣言、蔓延防止措置などで、運輸企業の壊滅的決算が相次ぐ。
◎JR3社で1兆円超の大赤字
東証上場企業の3月期決算発表が本格化する中、冒頭のJR3社の巨額赤字は特に目を引く。東日本は特に多く、実に5779億円もの赤字だ。次いで西日本が2332億円、比較的強固とされた東海も2015億円の赤字である。ちなみに東日本と東海は、民営化されてから初めて赤字決算である(写真=緊急事態宣言中の昨年5月2日の閑散とした新大阪駅ホーム。これと年末年始の超閑散が、3社の巨額赤字となった)。
空運も、ANAが4046億円、JALが2870億円の赤字、と惨憺たるものだ。
8桁もの巨額赤字のメガ運輸企業より1桁少ないものの、私鉄も軒並み数百億円の赤字だ。
◎大赤字も企業自身の経営責任ではない
鉄道は、装置産業だから、変動費を節約しても、利用者が減れば、即、巨額損失につながる。
同じことは、遊園地でも言える。例えば東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドも、541億円の赤字と上場来、初の赤字決算となった(写真)。
また装置産業ではないが、旅行業界トップのJTBは、21年3月期決算は未発表だが、過去最大の1000億円規模の赤字になる見通しだ。毀損した資本を確保するために、政府系の日本政策投資銀行から資本支援を受ける(3月1日付日記:「旅行会社トップのJTBが『中小企業』に格落ちを決めた切羽詰まった事情と武漢肺炎」)。
ホテル・旅館、飲食業も、言うも愚かな惨状だ。
こうした企業の巨額赤字は、企業自身の責任ではない。度重なる緊急事態宣言、蔓延防止措置の発出で、ダラダラと外出制限をされているからだ。
◎企業赤字は多くの人たちに損害
そして企業の巨額赤字は、回り回って我々にもめぐってくる。例えば企業の個人株主は、無配ないしは減配で、損失を被る。
それ以上に従業員は、給料減額という損害を受ける。さらにANA、JALなどは、他業態へ従業員を出向させているし(写真=コールセンターで働くJAL社員)、CAを目指した新卒は採用カットで夢を絶たれている。
人減らしも進められ、前記のJTBは、店舗閉鎖と国内外合わせて6500人の人員カットが行われる。
さらに出入り業者、下請けは、委託料のカットや打ち切りを受けるし、非正規雇用者は雇い止めの憂き目を見る。だから失業率も、ジワジワと高まっている。
◎営業自粛・外出制限など、もうやめろ、と言いたい
僕は、こうした多数のマイナス面を見ると、暴論の批判を覚悟のうえで言うが、1年以上もダラダラと続く営業自粛・外出制限など、もうやめるべきではないか、と思う。制限を緩めれば、武漢肺炎の新発患者が増え、重症者も増えるだろう。ただ、僕の心の奥底では、それも自己責任なのではないか、とどこか冷めた意識がある。
実際、最近の東京などの新規感染者の10歳刻みの年齢層別内訳では、30代以下が6割を占めている。年齢層別人口では、団塊の世代を含む70代は、少子化世代である10代層、20代層より多いのに、新規感染者率はずっと少ない。いくら自制を呼びかけられても、路上飲みを飲み会などで感染の機会はたっぷりあるわけなのだ。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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昨年の今日の日記:「武漢肺炎収束後にスターリニスト中国にアメリカなどから巨額賠償請求が殺到か」
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