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2020年04月18日21:06

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「時をかける少女」(1983年版)

時をかける少女の「奇跡」劇中設定4月18日に放送
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=6052175

大林宣彦監督の追悼で、地上波で「時をかける少女」が放送された。


舞台が春でこの時期に見るにはふさわしい映画だと思ったが、映画の設定の土曜日の放課後は、1983年の今日と同じ4月16日だった。
関係者がそれを知っていて、4月16日の午後1時半から放送をしたとしたのなら本当に素晴らしい。

映画は春休みと思われるスキー教室からスタートする。
だが、物語のキーとなる実験室で和子が気を失うシーンは、その後みんなで実験室に戻ったシーンが14時ちょうどである事から推測すると、おそらく13時半くらいと思われる。
単純に、直前に放送されていた「メレンゲの気持ち」の終了直後に放送しただけかもしれないが、そうであったとしても、ちょうど上手い時間に放送ができたものだ。

この作品は劇場に観に行ったが、公開当時は非常に評判が悪かった。
当然、原田知世と高柳良一のセリフが棒読みだったためである。
特に、大林監督のこの直前の作品「転校生」を観ていた映画ファンは嘆いた。
制作がATGから角川映画に変わった事で、演技ができない二人を主役にせざるを得なかった、とガッカリした。
だがだいぶ後から、大林監督がこの二人にわざと棒読みの演技指導をしたことが明らかになっている。

この映画は、芳山和子と深町一夫の淡い初恋がテーマになっている。
主役の二人がしっかりした演技をしてしまうと生々しくなってしまい、ピュアな切なさが消えてしまうと考えたのだろう。
元々二人とも演技経験がないので、それほど上手い演技はできなかったのかもしれない。
しかしそれを生かして、40年近く経っても見る者に何とも言えない感動を与えてくれる、青春映画の金字塔とも言える作品を作り上げている。

大林監督はこの作品で「潤色」と言う役割を担当しており、オープニングのスタッフロールにもしっかり表示されていた。
今回初めて気づいて見た後に調べたら「表面をつくろったり、おもしろく飾りたてたりすること」と言う意味らしい。
わかりやすく言いかえれば演出という事なのだろう。
クライマックスで和子が時空を超えるシーンを表現した細かいコマドリの連続シーンは、当時の撮影技術を考えても、日本映画史に残る名シーンである。
松任谷正隆の音楽が尾道と言う舞台設定にマッチしていたことも大きい。
そのすべてが、大林監督の演出である。
それゆえ、平成を超えた令和の今の時代でも、昭和のこの作品が色褪せる事無く感動を与えてくれるのだ。

ここ数年は、闘病生活の中で制作を続けていたとの事。
自分が最後に観た作品は「転校生 -さよなら あなた-」で、最近の作品は観ていない。
最近の作品も観てみたいと改めて思った。

それともう一作品、録画していた「魔女の宅急便」も見た。
こちらも春に見るにはいい作品で、ラストの「落ち込んだりもしたけど、私は元気です」は、今の暗い雰囲気を明るくしてくれるセリフだった。


54.魔女の宅急便(再)
55.時をかける少女(1983年版)(再)
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