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2018年03月26日13:39

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「不死身の特攻兵」、ルポ・ライター、S園で潰れた計画

 「不死身の特攻兵」、ルポ・ライター、S園で潰れた計画




 「不死身の特攻兵(鴻上尚史・講談社新書)」という本を読んだ。ルポ・ライターの鴻上尚史氏が何回も特攻機攻撃をして生き延びた佐々木友次氏の話を聞きとって、まとめて、書いた貴重な本である。何回もの特攻の様子や、死んで攻撃するはずの所が生還したから上官にその度に怒られていた様子、敵に対しては勿論、味方の兵隊の命までも軽く見た日本軍部やその延長の今の過労死問題なども述べられている貴重な著書であり、皆様も是非お読みいただきたい。




  そのルポ・ライターは貴重な経験を持った人たちに色々と質問して、聞き取り、まず、文に書く。膨大な量の文になる事も多い。それを厳選し、編集して、本にする仕事である。誰にもできる仕事ではない。その真似を普通の人が仕様としても、まず、「質問」でつまずくだろう。学生時代を思い出してみるがいい。どれだけ先生に質問できたかを。僕も中学時代、一先生に「勉強で一番難しい事は、質問する事です」と教えられたのを覚えている。また、「聞き取り書き」。文の書き方は一人一人違う。自分の書く要領では書けないわけである。他人の文体で書く事も極めて難しい。まず、僕にはムリだろう。勿論、文を選び、読みやすいように編集する事も非常に難しい。




  1977年を思い出せば、S園で大人園生の声を聞き取り書きして、福祉関係の会報や機関誌に載せる事を考えた事もある。質問を考える前に、S園内の紛争に巻き込まれ、その計画は潰れた。それを思い出し、紛争に巻き込まれなくても、そのような計画は僕には元々できなかったと思った。「質問」自体が出て来ないだろう。それなら、自分で見た事を書いた方が早いし、正確に述べられるからだ。ルポ・ライターは質問や聞き取り、編集の各能力に非常に優れた人ができる事かもしれない。いわゆる「文章書き」とは性質が違うようである。S園で僕がやろうとしても、恐らくは「質問は何が良いか」とばかり考えて、それに気持ちが集中し、肝心のS園の様子も見られず、園生や職員たちからは変に思われ、交友もできず、何も見えないまま、早く止めただろう。それならば、紛争に巻き込まれた方が良かったわけである。何も見えなかったのでは、勿体ない。




  「不死身の特攻兵」を読んでの戦争関係の論評はその読者のかなりの人達がブログなどで述べているに違いないので、僕にしか述べられない感想を書いたわけである。



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