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2017年10月09日01:58
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『光の帝国』by キャラメルボックス
キャラメルボックス2017グリーティングシアターVol.4
10/4(水)初日 ＠ シアター1010(北千住)
19：00〜20：30
原作は恩田陸さんの｢大きな引き出し｣(常野物語シリーズ｢光の帝国｣掲載)
2009年2月ハーフタイムシアターで60分の作品として初演された作品を、
今回、90分に拡大、充実させての再演。
原作が大好きで、初演も佳作だったので、
今回も楽しみに出掛けた。
常野物語シリーズとは、
ひっそり隠れ住む異能の人々の物語で、
本作は､少年｢春田光紀｣(関根翔太)の能力の発現の日を描く。
彼の一族は､とてつもない記憶力を持ち､
意味もわからずただ“記憶する”だけの自分に､
光紀は疑問を感じていた。
そんなある日出逢った老医師｢猪狩｣(原口健太郎)と関わり、
人生で大切な事を学んでいくのだが、
彼が実は死を目前にし､
人知れず､仲違いした長男｢悠介｣(鍜治本大樹)と再び心を通わしたいと
願っている事を知る。
そして､彼の臨終に立ち会った光紀に、
一瞬で猪狩の全人生の記憶が流れ込んだ！
そう、彼の一族の本当の能力とは､
人の人生をその記憶に留める＝“しまう”ということだったのだ。
猪狩の記憶から本当の想いを伝えられた悠介は、
その後、光紀の能力から常野一族の存在を知り、
それを元に映画を撮ろうとするが、
光紀と姉の説得で、
常野一族の秘密を守るため、映画化を断念する。
30分拡大されたことで、より常野物語に描かれる、
異能であることの哀しさが明らかにされ、
特殊能力を持つ事は、
私などの凡人は､羨ましいと思うのだが、
（常野一族に、動物の言葉が理解できる能力を持つ人々がいて、
それは本当に羨ましい。)
決して幸福ではないと、伝わってくる。
それにしても、
シェークスピアや平家物語をしまう春田家の人々を演じた
森めぐみさん、家納ジュンコさん、毛塚陽介さん、
そして､特に関根さん、
実際記憶し台詞として発する記憶力！ 本当にスゴイ！！
キャラメルボックスらしい、
｢人が人を想う気持ち｣に“不思議”を散りばめた
佳作だった。
※ この常野一族のシリーズ、
同じように在野に隠れ住む超能力者の物語ということで、
私が、よく七瀬三部作／筒井康隆
（｢家族八景｣｢七瀬ふたたび｣｢エディプスの恋人｣）
と混同するので、ここに特記。
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