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2017年10月08日13:56
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読了３冊／お江戸物
｢あかんべえ｣上下／宮部みゆき 装画:藤田新策
宮部さんの既刊本からまだまだ多数ある未読本をチェックしたら、
あれ？ これ読んでない？
ということで、即、借りてきて、
ちょっと読み始めて、やはり既読だ！と思ったけれど、
ついつい読み進めて、再読了。
若いころから苦労して賄い屋｢高田屋｣を興した七兵衛は、
子飼いの包丁人太一郎夫婦に、念願の料亭を託した。
それが海辺大工町の小さな料亭｢ふね屋｣である。
太一郎夫婦の一人娘｢おりん｣は、ある時
生死をさまよう大病をし､生還して以来､
その｢ふな屋｣に居付く幽霊を見るようになった。
彼らは5人。
若い武士｢玄之介｣
色っぽい女｢おみつ｣
おりんに あかんべえ する幼女｢お梅｣
あんま｢笑い坊｣
恐ろしい｢おどろ髪｣
なぜ､彼らは｢ふね屋｣に居付くようになったのか？
彼らを見得る人は、どーゆー人？
｢ふな屋｣が建つ前にそこにあった寺にまつわる忌わしい物語｡
それが5人に関わって…
おりんは､彼らを成仏させてやれるのか？
さすがの宮部さん！
物語の始めに撒き散らした多数の伏線を、
ラストで丁寧に完璧に回収し、
ふね屋に居残らずにおられなかった幽霊たちと同時に､
生きている人の心に棲む｢怨念｣も表出させる。
ヒトは哀しい…
それでも、ヒトを救えるのはヒトだけなのだ。
再読に足る佳作だった。
｢滔々と紅｣(ﾄｳﾄｳﾄﾍﾞﾆ)／志坂 圭 装画:ワカマツカオリ
本屋さんが選ぶ､作家の新人賞『本のサナギ賞』第一回受賞作品。
賞も作家さんも全く知らず、
タイトルと裏表紙のキャッチコピーに惹かれ手に取った作品。
｢駒乃｣は
飢餓の農村から女衒の伊佐治に買われ、
苦界､吉原｢扇屋｣に身を落とした少女｡
花魁｢翡翠｣の抱え禿｢しのほ｣となり､したたかに苦界を生きていく。
ここは吉原じゃ。
世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。
ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。
それができないものは死んでいく。
馴染む者には極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。
まあ、これはどこも同じじゃがな...地獄か極楽かはお前さん次第じゃ。
新人ということで、いま一つ深みが足りないかな〜と思ったけれど、
吉原の女達の日常や、登楼の仕組み、女郎の位と出世…
よく調べ、こまかく描かれ興味深い。
ラストの展開も、明るく、
佳作である。
宮部さんの既刊本からまだまだ多数ある未読本をチェックしたら、
あれ？ これ読んでない？
ということで、即、借りてきて、
ちょっと読み始めて、やはり既読だ！と思ったけれど、
ついつい読み進めて、再読了。
若いころから苦労して賄い屋｢高田屋｣を興した七兵衛は、
子飼いの包丁人太一郎夫婦に、念願の料亭を託した。
それが海辺大工町の小さな料亭｢ふね屋｣である。
太一郎夫婦の一人娘｢おりん｣は、ある時
生死をさまよう大病をし､生還して以来､
その｢ふな屋｣に居付く幽霊を見るようになった。
彼らは5人。
若い武士｢玄之介｣
色っぽい女｢おみつ｣
おりんに あかんべえ する幼女｢お梅｣
あんま｢笑い坊｣
恐ろしい｢おどろ髪｣
なぜ､彼らは｢ふね屋｣に居付くようになったのか？
彼らを見得る人は、どーゆー人？
｢ふな屋｣が建つ前にそこにあった寺にまつわる忌わしい物語｡
それが5人に関わって…
おりんは､彼らを成仏させてやれるのか？
さすがの宮部さん！
物語の始めに撒き散らした多数の伏線を、
ラストで丁寧に完璧に回収し、
ふね屋に居残らずにおられなかった幽霊たちと同時に､
生きている人の心に棲む｢怨念｣も表出させる。
ヒトは哀しい…
それでも、ヒトを救えるのはヒトだけなのだ。
再読に足る佳作だった。
｢滔々と紅｣(ﾄｳﾄｳﾄﾍﾞﾆ)／志坂 圭 装画:ワカマツカオリ
本屋さんが選ぶ､作家の新人賞『本のサナギ賞』第一回受賞作品。
賞も作家さんも全く知らず、
タイトルと裏表紙のキャッチコピーに惹かれ手に取った作品。
｢駒乃｣は
飢餓の農村から女衒の伊佐治に買われ、
苦界､吉原｢扇屋｣に身を落とした少女｡
花魁｢翡翠｣の抱え禿｢しのほ｣となり､したたかに苦界を生きていく。
ここは吉原じゃ。
世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。
ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。
それができないものは死んでいく。
馴染む者には極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。
まあ、これはどこも同じじゃがな...地獄か極楽かはお前さん次第じゃ。
新人ということで、いま一つ深みが足りないかな〜と思ったけれど、
吉原の女達の日常や、登楼の仕組み、女郎の位と出世…
よく調べ、こまかく描かれ興味深い。
ラストの展開も、明るく、
佳作である。
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