米原万里「旅行者の朝食」文芸春秋
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「大食い早食い」通訳を自称する著者、初めての食にまつわるエッセイ集。
旧ソ連時代の奇妙な缶詰や幻の蜜飴など、美味珍味が勢揃い。
『文芸春秋』はじめ雑誌、新聞等に掲載されたエッセイに加筆、書き下ろしを加える。
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亡くなった米原万里さんの食に関するエッセイです。
米原さんは日本共産党の国会議員だった事もあった父の関係で子供の頃東欧にいました。
その後、ロシア後の通訳として各国を訪れています。
そういう色々な経験からの色々な食物の話が楽しいですね。
沢木耕太郎「無名」幻冬舎文庫
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父が脳の出血により入院した。ゆっくりと、だが確実に衰えてゆくその横顔を私は飽かずに眺め続けた。
父と過ごした最後の日々。自らの父の死を正面から描いた書き下ろし長編。沢木文学の到達点。
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沢木耕太郎さんが父の入院から死までを描いた長編です。
父の入院から死までを感情的にならず抑えた筆致で描きます。
さすがは沢木さん、読ませます。
森博嗣「魔法の色を知っているか?」講談社タイガ
森作品のネタバレがあります。
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チベット、ナクチュ。外界から隔離された特別居住区。
ハギリは「人工生体技術に関するシンポジウム」に出席するため、警護のウグイとアネバネと共にチベットを訪れ、その地では今も人間の子供が生まれていることを知る。
生殖による人口増加が、限りなくゼロになった今、何故彼らは人を産むことができるのか?
圧倒的な未来ヴィジョンに高揚する、知性が紡ぐ生命の物語。
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森博嗣さんのWシリーズ2作目。23世紀の世界。
人工生命体ウォーカロンを識別できる研究をしている主人公ハギリは前作で命を狙われます。
今回もシンポジウムに出席するためにチベットに向かいますが、色々と事件が起き、巻き込まれることになります。
ラストには再びマガタ・シキが登場します。続巻も楽しみです。
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