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2015年03月09日16:44

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2/28 森山大道写真展「ACTOR シミズイサム」@AKIO NAGASAWA GALLERY

少し前の事だし、写真展感想日記なんてどなたも興味はないと思うけれど、私自身はとても刺激を受けた写真展だったし、このギャラリーはぜひとも覚えておいてしばしば立ち寄りたいところなのでやっぱり書いておこうと思う。

小杉放あん展を出光美術館でみた後、歩いていかれる距離だから、と夫を誘って新しく出来た東銀座のギャラリーに行った。
いつだったか写真の師匠に「銀座に行くついでに三好和義を観に行こうと思う」と話したら「銀座に行くんだったら、三好和義より長澤章生のギャラリーで森山大道を見るといい」と勧められたのだった。その時は結局銀座に行く時間がなかったのでどちらも行かなかったが、頭の隅に残っていた。なにせ、最近森山大道の写真展を立て続けに三つ観て、それまでちんぷんかんぷんだった「凄さ」ががつんと解って来たところだったから。

森山大道写真展「ACTOR シミズイサム」
http://www.akionagasawa.com/jp/exhibition/actor-shimizu-isamu/

フォト

ボードビリアン、シミズイサムのポートレートを中心とした展覧会。
1967年に『カメラ毎日』誌に発表された後、『にっぽん劇場写真帖』に一部再録された他、あまり発表の機会 にめぐまれなかった幻のシリーズです。
近年、森山の初期 の重要なシリーズとして高く評価されています。
『カメラ毎日』に 掲載された作品の他に、ほぼ未掲載カット作品を中心に構成、本展は同シリーズをまとまった形で紹介する 初の展覧会となります。


シミズイサムと言う役者さんは覚えないけれど、みたところ白木みのると同様の低身長(小人症?)で、言葉は悪いけれどそれを売りにして喜劇役者(ボードビリアン)として活躍した人のよう。キャバレーの舞台やその楽屋、あるいはプライベートな場所で撮った写真群は、彼の魅力〜その姿と芸によりコミカルで、だけれど昭和のダンディの代表のようなカッコ良さ、ニヒルさ、それからボードビリアンとしてのプロ意識や一人間としての優しさと悲哀〜をとても多面的に捉えていて、すごくよかった。肖像画がただ似せて描くものから人の内面を表現するようになって大いに発展を遂げたように、ポートレート写真はその人物の外面も内面も、裏面も表面も、しかもふとした瞬間にしか見せないような意外な面をもばっちり捉えて、ぎゅっと凝縮、初めて魅力的な作品となるのだなぁと、つくづく思った。やっぱり森山大道はいい。見に来て損はなかった。

そしてこのギャラリーの展示の、かっこいい事と言ったら!
フォト

オーナーは長澤章生という人、なんでも写真ギャラリーや写真集出版の方面でコンサルタント、アートディレクター、キュレーターとして活躍されている人らしい。ギャラリーにはプロデュースしたたくさんの名写真集が展示されていました。

私が行ったときは丁度森山氏本人もいらしていて、なんだか緊張。こんなスタイリッシュなオトナな写真ギャラリーは日動画廊より敷居が高いのだけれど、また次の写真展も観たくなってしまった。
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