東野圭吾『永遠の記憶』(文藝春秋)を読みました。著者は、日本でもっとも人気のあるミステリ作家の1人であり、先日大腸がんで亡くなっています。本作品は最新作であると同時に、絶筆というか、遺作というべきなのかもしれません。この作者の作品の中でもっと
小田真由『インフレ日本の安い賃金』(日経BP)を読みました。著者は、(株)小川製作所取締役だそうで、その会社は家業を引き継いだということのようです。家業の前はエンジニアであり、大学では経済学や経営学などを学んだわけではなく、理工学部のご出身です。
小田正規『21世紀型通商政策への転換とその課題』(日本評論社)を読みました。著者は、日本大学国際関係学部の准教授です。シンクタンクのご出身のようで、したがって、というか、何というか、本書ではぶっちぎりで難しい定量的な分析は示されていません。とい
先週水曜日の9月2日、国連環境計画(UNEP)から Limiting Overshoot - Navigating exceedance of 1.5°C and pathways towards return と題するリポートが公表されています。国内でもいくつか報道があったと聞き及びましたが、今後数年で産業革命前からの気温上
信国遥『未館成の殺人』(光文社)を読みました。著者は、小説家なのでしょうが、『あなたに聞いて貰いたい七つの殺人』が新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」に選出されてデビューしており、本書が2作目となるようです。タイトルから何となく理解できると思
木村忠正『スマホは心を操る』(朝日新書)を読みました。著者は、立教大学社会学部教授であり、ご専門は科学技術社会論、メディアコミュニケーション論だそうです。本書は6章構成なのですが、前半3章では独自データに基づく数量分析が展開され、後半3章ではハ
小林和樹『兵庫県知事問題 失敗の本質』(ちくま新書))を読みました。著者は、NHKのジャーナリストですが、東京都知事選挙や兵庫県知事選挙があった2024年には退職しているようです。まず、タイトルにある「失敗」とは誰の失敗なのか、選挙で示された兵庫県民
大和書房編集部[編]『アンソロジー引っ越し』(大和書房)を読みました。フィクションの小説ではなく、たぶん、ノンフィクションのエッセイを集めたアンソロジーです。図書館で借りた本の表紙の見返しには、平井太郎、すなわち、江戸川乱歩の転居通知のはがきの
加藤真也『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』(かんき出版)を読みました。著者は、名城大学経済学部教授であり、同時に、内閣府経済社会総合研究所の客員主任研究官も務めています。私が定年退官した時の職場であり、そのラインからご寄贈いただ
ブランコ・ミラノヴィッチ『ミラノヴィッチが語る資本主義大難題』(明石書店)を読みました。著者は、ユーゴスラビア出身のエコノミストであり、ルクセンブルク所得研究センター(LIS)上級研究員や世界銀行の主任エコノミストを務めています。主として、格差・
植田健一『経済成長』(日本評論社)を読みました。著者は、当時の大蔵省からシカゴ大学で学位を取得して転籍し、現在は東京大学経済学部の教授です。本書は、著者の講義ノートを基に『経済セミナー』にマクロ開発経済学として連載されていたものを単行本に取り
ナオミ・クリッツァー『陽の光が消えた町で』(早川書房))を読みました。著者は、米国ミネソタ州在住の作家です。本書に収録されている「報酬は猫の写真で」で2016年度のヒューゴー賞とローカス賞をダブルで受賞するなど、受賞作品や最終候補作品などがいっぱ
"A Macro Study of the Unequal Effects of Climate Change" と題する論文を読みました。米国のデータから、気候変動による気温上昇が家計にもたらす分配上の影響を経済厚生から把握しようと試みています。米国に限らないと思いますが、この論文では家計が2つ
リモートとオフィスのハイブリッド勤務の最適解を考える論文 "Is Hybrid Work the Best of Both Worlds? Evidence from a Field Experiment" を読みました。コロナ禍以来、大いに普及したリモート勤務ですが、パンデミックの終息とともにオフィス勤務に戻った
畠中恵『猫君 りんねの輪』(集英社)を読みました。著者は、時代小説作家であり、「しゃばけ」のシリーズが人気だと思います。「しゃばけ」のシリーズは私も10巻近くまで読んでいた記憶がありますが、あまりにもマンネリなもので読むのを止めました。本書は、
秋吉理香子『月夜行路 Returns』(講談社)を読みました。著者は、ミステリ小説家であり、基本的に、私はイヤミス作家と見なしていたのですが、本書の前作となる『月夜行路』とともに、本書もイヤミスではありません。当然ながら、私は前作の『月夜行路』も読ん
河野有里『日本史はいかに物語られてきたか』(新潮選書)を読みました。著者は、法政大学法学部教授であり、ご専門は政治学・政治思想史だそうです。本書は、新潮社の国際情報サイト「フォーサイト」の連載を書籍化しています。タイトルからビミョーに理解でき
馬奈木俊介[編著]『ウェルビーイングの経済学』(中央経済社)を読みました。編著者は、九州大学大学院工学研究院教授です。本書は、タイトル通りの学術書であり、かなりフォーマルな定量分析に基づいており、一般の読者にはややハードルが高いかもしれません。
宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』(新潮社)のデザインマンホールが、あの「この夏を西武に捧げようと思う」と成瀬あかりにいわしめた西武大津店跡地に設置されました。我が家から10キロ足らずなのですが、炎天下にロードバイクを飛ばして見に行きました。
永井紗耶子『めぐる糸』(双葉社)を読みました。著者は、たぶん、時代小説家であり、私は『木挽町のあだ討ち』を読んだ記憶があります。本書は、『小説推理』に連載されていた短編を単行本として出版されています。副題は表紙画像に見えるように、「明治浪漫霊
カーター・ディクスン『赤後家の殺人』(創元推理文庫)を読みました。作者は、ご存じ、今世紀前半もっとも傑出したミステリ作家の1人です。米国ペンシルヴァニア州生まれながら、英国に移住してロンドンを舞台にしたミステリも数多くあります。英語の原題は Th
杉谷和哉『エビデンスの罠』(PHP新書)を読みました。著者は、岩手県立大学准教授であり、公共政策学がご専門のようです。また、本書の冒頭では何度か村上靖彦『客観性の落とし穴』についての言及があり、かなり意識しているように感じました。ただ、本書では
依田高典『ノーベル賞で語る 現代経済学』(中公新書)を読みました。著者は、我が母校の京都大学経済学部の教授です。ご専門は応用経済学だそうです。本書では、1968年から始まったノーベル経済学賞、スウェーデン国立銀行が創立300周年祝賀の一環としてノーベ
8月3日、国立教育政策研究所から「令和8年度全国学力・学習状況調査」の報告書や調査結果資料が公表されています。下の表紙画像は小学校-算数の報告書なのですが、これを含めて、小学校では国語と算数、中学校では国語と英語と数学の5種類プラスアルファで分
渡邊勉『調査票のなかの「戦争」』(勁草書房)を読みました。著者は、関西学院大学社会学部教授であり、本書はシリーズ「数理・計量社会学の応用」の一環として出版されています。冒頭に明記してあるように、本書のテーマな戦争です。終戦から6年後の1951年に
飯倉穣『なぜ日本経済は停滞したのか』(エネルギーフォーラム)を読みました。著者は、日本開発銀行、すなわち、現在の政策投資銀行のOBであり、設備投資研究所長も務めています。本書は、タイトル通りに、現在、というか、バブル崩壊以降の日本経済の停滞につ
スティーヴン・キング『チャックの数奇な人生』(文藝春秋)を読みました。著者は、世界的なホラー小説の巨匠です。ただし、本書はホラーというよりは、ホラーの要素はあるとしても、どちらかというと感動ストーリーに属するのではないかと考えています。2話の
データ経済の新しいモデルを考える論文 "A Model of the Data Economy" を読みました。この論文では、「データ」について、生産活動の副産物ではなく、企業が生成し、蓄積し、活用し、さらには、売買する無形資産(intangible asset)として明示的に組み込んだ
村上春樹『夏帆』(新潮社)を読みました。著者は、日本人で3番目のノーベル文学賞が待望されていて、日本でもトップクラスの小説家です。ですので、出版社でもこの作品への期待は大きいようで、特設サイトが開設されています。小説の主人公はタイトル通りに夏
未公刊の論文ながら、"The Child Cost Index" という子育てコストを推計した論文を読みました。1990年から2023年までの米国における広い意味での子育てコストを推計しています。この論文は、1990年から2023年の米国における子育てに必要な財・サービス、さら