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2019年09月02日23:56

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妄想物語

〜HOW SOON IS NOW?〜

店内に響き渡るデモに鳥肌が立った

「えーっと色々訊いていい?」

『はいっ』

二人は双子の様に声を揃えて返事をする
まずは鳥肌の最大の要因である声質について確認せねば

「低いパートは苗木さん‥かな?」

『はい私 苗木りえなです』

「おーっ フルネーム!」

『‥あの はや先輩に〈曳田さんにはフルネームでアピールしろ〉って‥』

僕がはやちゃんに顔を向けるとしらじらしく斜め右上を見上げる

「苗木さんの声って 低い音階でも澄んでいるんだよね
そう 声が低くてもハスキーにならないんだよ なんかいいな」

『ありがとうございます』

「じゃあ 高いパートは佐良‥ゆりあさんかな?」

『はい そうです 何故ゆりあって判ったんですか?』

「だって りえな とくれば ゆりあ でしょう
あっ ごめん 今のはこっちの話」

『こっちって?どっちですか?』
二人がまた声を揃えて訊いてきた

「ごめんごめん こっち って妄想の世界」

『?????』
二人は今度は同じ角度で首を傾げる

『曳田さん 二人はまだついて行けないと思うので
佐良さんの声について感想を聞かせてください』

「うん 佐良さんの声は苗木さんと正反対で
声が高くなるとかすれが入るんだ
中間の音階でも澄んだ声にかすれが入っていて
シャウトする時なんかは〈澄んだかすれ〉って言う感じで
聴いていると二つの相容れ難い声質が同居している気がして
心地いいんだ
だから苗木さんと佐良さんの声が混ざるともう‥なんていうか‥
その‥うーん‥そうだ!これだ!
東北新幹線のやまびこと秋田新幹線のこまちが連結して走ってる感じ!」

はやちゃんが暴走気味の僕の発言に絶妙のタイミングで割り込んだ

『例えがマニアックすぎて良くわかんないんですけど…』
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