I 鮫の齒の眞珠母色や匕首マック 式神のプロペラー唸るみ胸かな 虎穴へと入りて還らぬ泥んかな 火星なる贋の父母いかにいます 黄昏のそらより剥がすニッケル硬貨 屋上に五月の鷹が落ちてゐた 銀漢に棹さし落ちてゆかむ哉 きりきり舞ひののち犬の床さだまれり
地車〔ぢぐるま〕を曳きて踏切のスベリヒユまで憂國やあをきカナリア高鳴ける(悼ロジャー・ムーア) オリーヴを一顆Creole Screamにきみを抱きてともに冷たき水底へ海藻のごとくテッサロニカ揺るるエナメルの海中〔わたなか〕の道果つるところ公園の土管で體