昨日の日記、『海へ』のアクセスカウントが100件を超えていた。
ちょっとびっくり。
俺の日記は基本的に、身辺雑記ばかりだし、とりたてて魅力ある文章があふれているわけでもない。しかも、足あとはほとんどついていないのだ。みんなの日記、つまりネット側からのアクセスがほとんどなんだろうなぁ。
タイトル『海へ』がそんなに人の関心を引くとは思わなかったけど、内容はいつもとかわらない。
なんだか申し訳ない(苦笑)。
ブログが副業として成立するためには、100件どころか10000件単位のアクセスを様子というし、そんなところを目指す気はさらさらないので、mixi日記をやっていてこんなこともあったね、という愉快なエピソードとして思っておこう。
さて、本題。
海へ行く前日の話になる。
「カブトムシくん、そろそろ放してあげよう」
と息子shu-2に伝えていた。
偶然、マンションの廊下で出会い、大喜びでつかまえてきたカブトムシくんだ。
ボール紙の箱でケージをつくり(俺がつくったんだけど)、
毎日、バナナをあげたり、かわいがっていた。
正直、俺自身も彼が好きだった。
「明日から海に行くから、誰もいなくなるだろ。かわいそうじゃないか。それにカブトムシの寿命はそんなにないんだ。ちょっとでも元気なうちに、広い外に逃がしてあげよう。香川照之さんも、逃がしてただろ」
先日みたカマキリ先生の場面も引き合いにだして、俺と妻で話していた。
学童のキャンプが台風予想のため中止になり、その前日に逃がすという約束が、延び延びになってもいた。
ちょっとがっかりした様子だったけど(上のねっころがってる写真)、「わかった」とうなずき、金曜日の朝、最後の別れを惜しみ、遊んでもらった。
タオル一枚上にかけて、というところがややヘタレ感あるけど、けっこうさわれるようにもなった。
「いたい、いたい、くすぐったい」
と嬉しそうだった。
ちなみに、こっちの腕は俺だ。二の腕がやたら白いけど、お父さんというのは、そういうものである。
弟shu-3はまださわれはしないものの、それでも喜んでいた。
しっかりと別れを惜しんだあと、カブトムシがいると噂の公園に向かう。ちょっとでも仲間に会えるといいね、って。
やや沈んだ感じはあったものの、shu-2はしっかりとケージをかかえて公園に入っていった。
なにかを感じたのだろうか。あるいは外に出たとことへの反応か。カブトムシくんはそれまで飛んだことがなかったのに、ケージの中で、バタバタと飛び始めた。
「やっぱり、外がうれしいよな」
寂しい気持ちはあるものの、そういうカブトムシくんの反応をみるとあきらめもつくというものだ。
「くぬぎの木どれかな」
といいつつ、森の中を歩く。
ネットで調べたものの、札でもかかってないとわかるものでもない。
それっぽい気をみつけて、カブトムシくんを置いてみた。
ひしとしがみつき、樹液を吸い始めたのか、口のあたりがぴたりっとくっついているように見えた。
なんとか笑顔でお別れ。
ちょっと顔がひきつっているようにも見えた。
「じゃあ、ばいばいしよう」
「うん
と、カブトムシくんに背を向ける。
森を出たか出ないかくらいのところで、shu-2が泣き始めた。
「あ、あ、あ・・・あーん」
少し歩いていくと、もう号泣だった。
立ち止まり、しばらく待つ。
「もう一回、会いに行くか」
ひきかえしてみてみる。もちろん、どこかに行っていなくなっていることも考えていた。その方がふっきれるかな、と思ったところもある。
でも彼はまだ、そこにいた。
一瞬、
「やっぱり連れて帰ろうか」
という言葉もよぎった。でも、それはちがうとも思った。だから、黙って息子が別れを惜しむのを見ていた。
しばらく待って、
「行こうか」
と声をかけた。
歩きながら、shu-2は声をあげて泣いていた。
公園内を散策し、他の虫を探しながら気をまぎらせた。
車に向かう道も、shu-2は声をあげて泣いていた。
肩を抱いたり、手をつないだりしつつ、かける言葉もなく車に向かった。
途中、バス停のベンチでおばあさんがけげんな顔をしてみていた。
まぁ、そうだろうね。
べつに叱られたわけじゃないんですよ。
車に乗り、しばらくして泣き声は途絶えたけど、しばらく無言だった。
なんとなく、あらいぐまラスカルとかこぐまのミーシャあたりの最終回が頭をよぎる。俺の世代か(苦笑)。
少したって、shu-2は涙をとめて、ぼうっとしていた。帰りの車、
「アイスでも買ってかえるか」
「うん」
で、元気になったと思う。
まぁいい経験になったんじゃないかな。
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