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2015年01月16日12:38

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『 96時間レクイエム 』


友P氏と、昨年から劇場公開を楽しみにしていたリーアム・ニーソン主演『 96時間レクイエム 』を観た。普通、ヒット映画の二作目三作目ともなると駄作になる可能性が高いが、『 ・・・レクイエム 』はそのあたりそつなくまとめて、「 普通のアクション映画 」としては満足のいくクオリティに仕上がっている。しかし、前2作の雰囲気をここまでガラリと変えてしまったことと、今回のブライアンの言動にはシリーズファンとしては、いささか違和感を覚える。私が観たかったのは、こんな静かで理性的なブライアンではなく、怒りに任せて大暴走する「 誰にも止めることができない、無敵の父親 」の姿だ。今回のブライアンの怒りは不完全燃焼にしか見えない。

 もともと、三部作にする企画ではなかったのだろうが、完結編でうまく脚本をまとめた努力は認めよう。しかし、シリーズ前2作の根本にあったのは、家族を守る、家族を救い出すためには何でもやってのける主人公の怒りのエネルギーのすさまじさだったはずだ。今回失敗しているのは、守るべき妻がすでに殺されてしまっていることだ。ブライアンに濡れ衣を着せたところで、警察に簡単に捕まるような男ではないし、事件の核心に一気に肉薄してくることは目に見えている。物語は急速度で展開していくが深みがなく、クライマックスに意外性は何もない。あぁ、やっぱり、そうなったかと感じるだけだ。妻をいきなり謀殺せず、終盤まで引っ張るべきだったと思う。最終的に殺されたとしても、そこに至る物語の緊張感はまるで違っただろう。妻を殺されたブライアンの怒りも一挙に大爆発だ。第一、ブライアンのもつ特殊能力の凄さは警察からの逃走劇ではなく、敵との戦いの中でこそ見せるにふさわしいよ。

 ちなみに、予告編で大きく期待した「 ブライアンの過去 」も掘り下げられることがなかったのは残念。敵がブライアンの正体を知っていながら、「 プロ対プロ 」の激しい攻防戦に向かわなかったのももったいないと思う。唯一感心したのは、事件を追う警察のリーダー、フランク・ドッツラー警部を演じたフォレスト・ウィテカーの「 誠実で物静かだが、切れる刑事 」ぶりだ。いっそ、彼を主役にした事件ものをシリーズ化してほしいくらいだね。


◆96時間
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◆96時間 リベンジ
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