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2024年05月15日19:43

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本場で観る「阿波おどり」

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島出張の折、「阿波おどり会館」で毎日行われている公演を観ることができた。もともと、YouTubeで観るくらいに阿波おどりに興味があったのだが、実際に生で観て、自分でもびっくりするほどハマってしまった。特徴的な「ぞめき囃子」のリズムに血が騒ぎ、しなやかで艶っぽい女踊りに完全に魅了された。自分で踊るのは男踊りだが、観るなら絶対に女踊りだ。特に、大勢が並んで整然と踊る女踊りの妖艶な集団美は素晴らし過ぎて、頭がクラクラした。あまりに感銘を受けたので、翌日の夜公演にも出かけてしまった。

 阿波おどりは「連」と呼ばれる、踊り子さん達のグループ単位で行われる。連によって、踊りやぞめき囃子の特色があり、踊り自体の演出・構成はかなり違う。男性は浴衣の端をまくりあげるスタイル「浴衣踊り」と、祭り半纏(はんてん)に白い短パン(半股引)をつけるスタイル「半纏踊り」がある。「浴衣踊り」では踊り手個々が好き勝手に自由に踊ることが多いが、「半纏踊り」はフォーメーションを組んで整然と踊る。女性が男踊りをする場合はこの「半纏踊り」がほとんどだ。連によっては「女法被(はっぴ)」と呼んでいる。

 「女踊り」の女性は編み笠をかぶり、着物に下駄を履く。下駄はつま先立ちで、前歯(ハマ)だけついて踊る。MCによると、このスタイルはかなりきつくて、女踊りの踊り子さんはみな足が赤くなるそうだ。女踊りはフォーメーションを組んで、全員が同じ動作で踊る集団美が特徴である。いくつかの連の阿波おどりを観ていくと、腕のふりのしなやかさ、なまめかしさ、足運びのキレなど、同じ女踊りでも連ごとに微妙な違いがあることが少しずつわかるようになる。

 徳島滞在最終日は飛行機の時間の都合上、朝一番の「昼公演」を観た。夜の公演は「有名連」が出演し、入場料千円。昼の公演は一日4回あり、「阿波おどり会館専属連」が出演して入場料800円。普通に考えれば、夜の「有名連」がメインだろう。全く期待せずに昼公演に出かけた。ところが、どっこい。阿波おどり会館専属の「阿波の風」は有名連に所属するメンバーで構成されていて、出演する踊り子さんの人数こそ少ないがレベルは高かった。しかも、毎日4回の公演をこなしているだけに、構成はよく練られていて、MCのしゃべりも淀みがない。鳴り物(お囃子)さんは三味線2、篠笛2、締め太鼓1、大太鼓1、鉦(かね)1と夜公演より少ないのだが、実にパワフルな「ぞめき囃子」で鳥肌が立つほどだった。何より感心したのは、時代と共に変化して来た「阿波おどり」の3つのスタイルを流れるように披露し、後からMCがわかりやすく解説をしたことだ。これなら、昼公演を観るだけで「阿波おどり」について充分に理解し、楽しむことができる。ちなみに、現在の2拍子の「阿波おどり」スタイルが確立したのは1970年のこと。なぜ、明確に断言できるかといえば、大阪万博を機に「世界中から訪れる外国のお客さんにわかりやすく、受け容れられるようにと工夫改良されたから」だそうだ。私が心酔する「女踊りの集団美」も1970年に生み出されていたとは、びっくりだ。

 昼公演も夜公演も観客に阿波おどりの基礎をレクチャーし、一緒に踊る「阿波おどり体験」の時間があり、楽しい。8月の阿波おどり本番時期以外に徳島を訪れることがあれば、ぜひ、「阿波おどり会館」の公演をご覧になることをお勧めする。

 YouTubeに「阿波おどり会館」の2018年の夜公演の模様がアップされていたのでリンクしておく。有名連ごとの特色がよくわかり、この動画だけでも十二分に「阿波おどり」の楽しさを堪能できるだろう。



 「総踊り」の集団美!!


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