『 永遠の０ 』

楽しみにしていた『 永遠の０ 』を観た。ファーストシーンで早くも目頭が熱くなった。海面低く飛んで、激しい対空砲火をかわしながら、敵艦に向かって行く特攻機を観ただけで鼻の奥がツンとした。このシーン以降、流れる涙をずっとハンカチでぬぐいつつ、全編を観なければならなかった。

　原作は未読だが、脚本が原作に忠実だとすれば、原作が見事な出来であるのは間違いない。これだけ理解しやすい太平洋戦史ダイジェストでありながら、物語の「芯」が空戦ではなく、主人公と家族の愛を描くことにあるのだ。特攻で戦死した祖父を調べる孫が、かつての戦友や知己からの証言によって徐々に「 祖父・宮部久蔵 」の人物像に迫って行く構成は使い古された手法だが、実にわかりやすい。戦史や戦争映画に興味がない一般層から高評価を受けるのも納得である。いや、これで目頭が熱くならない方がどうかしていると言っても良いだろう。劇場必見の傑作である。

『 永遠の０ 』 原作読了
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