原始仏教コミュの「十一涅槃道」　十一科四十六道・三十三涅槃名

コミュニティのトップに引用してある修行と同じ定型文で繰り返される解脱に到る修行方法で、十一の科目に分けられ、全部で四十六道あります。涅槃には三十三の別名がありますが、その意味するところはいずれも「三毒の根絶」です。





［十一科］

1　念身　　　身に行った念（カーヤガターサティ）
2　止観　　　奢摩他・毘鉢舎那（サマタ・ヴィパッサナー）
3　三三摩地　有尋有伺三摩地・無尋唯伺三摩地・無尋無伺三摩地
4　三三摩地　空三摩地・無相三摩地・無願三摩地
5　四念処　　身念処・受念処・心念処・法念処
6　四正勤　　律儀勤・断勤・修勤・随護勤
7　四神足　　欲神足・勤神足・心神足・観神足
8　五根　　　信根・精進根・念根・定根・慧根
9　五力　　　信力・精進力・念力・定力・慧力
10 七覚支　　念覚支・択法覚支・精進覚支・喜覚支・軽安覚支・定覚支・捨覚支
11 八正道　　正見・正思惟・正語・正業・正命・正精進・正念・正定


七科三十七道に四つの科目が足されています。




［四十六道］

1　念身
2　奢摩他
3　毘鉢舎那
4　有尋有伺三摩地
5　無尋唯伺三摩地
6　無尋無伺三摩地
7　空三摩地
8　無相三摩地
9　無願三摩地
10-13　四念処　
ここに比丘がいて、身について身を観察して住し、熱心・正知・正念にして世の貪と憂を調伏する。同様に受・心・法。
14-17　四正勤　
ここに比丘がいて、未だ生じていない悪不善法を生じさせないために、意欲を起こし、努力し、発勤し、心を張って精勤する。同様に已生悪不善法・未生善法・已生善法。
18-21　四神足　
ここに比丘がいて、意欲三摩地勤行成就の神足を修習する。同様に精進・心・考察。
22-26　五根　　
ここに比丘がいて、遠離に依止し、離貪に依止し、滅に依止し、放棄に変化する信根を修習する。同様に精進根・念根・定根・慧根
27-31　五力　　
ここに比丘がいて、遠離に依止し、離貪に依止し、滅に依止し、放棄に変化する信力を修習する。同様に精進力・念力・定力・慧力
32-38　七覚支　
ここに比丘がいて、遠離に依止し、離貪に依止し、滅に依止し、放棄に変化する念覚支を修習する。同様に択法覚支・精進覚支・喜覚支・軽安覚支・定覚支・捨覚支
39-46　八正道　
ここに比丘がいて、遠離に依止し、離貪に依止し、滅に依止し、放棄に変化する正見を修習する。同様に正思惟・正語・正業・正命・正精進・正念・正定


十一科を分解したものです。



［三十三涅槃名］

いずれも意味するところは「貪りが尽き、瞋りが尽き、癡かさが尽きること」です。

1　無為　asaṅkhata 　
2　終極　anata 　無下
3　無漏　anāsava　無流
4　真諦　sacca
5　彼岸　pāra
6　巧妙　nipuṇa　聡細
7　極難見　sududdasa　難見
8　不老　ajajjara　無壊
9　堅牢　dhuva　無争
10　照見　apalokita　無失
11　無譬　anidassana
12　無戯論　nippapa
13　寂静　santa
14　甘露　amata　不死
15　極妙　paṇīta
16　安泰　siva　止
17　安穏　khema　安　
18　愛尽　taṇhākkhaya
19　不思議　acchariya　希有
20　希有　abbhuta　未曾有
21　無災　anītika　
22　無災法　anītikadhamma　
23　涅槃　nibbāna
24　無損　abyāpajjha
25　離貪　virāga
26　清浄　suddhi　浄
27　解脱　mutti
28　非住　anālaya
29　燈明　dīpa　洲
30　窟宅　leṇa
31　庇護　tāṇa
32　帰依　saraṇa
33　到彼岸　parāyana








原始仏典における記述は以下を参照してください。



・相応部経典 六処篇 無為相応
　1　http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=27636288&comm_id=951429
　2　http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=27731551&comm_id=951429
　3　http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=27770898&comm_id=951429　　完