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哲学の塔コミュのシルエット3

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 みっつ目のシルエットがひとつ目のシルエットに追いついた。

その夜は満月だった。
月の光に照らされたひとつ目のシルエットは、幻想的で儚かった。
そのシルエットは“赤いリンゴ”を宙にふわふわと浮かしていた。

そこは“哲学の塔”の屋上。
奇跡の間。

何が起きても不思議ではない。
人が死んでも不思議ではない。
人が蘇っても不思議ではない。
そして…

「君の存在が歴史を変える。」
みっつ目のシルエットは、宇宙人のような不可能な存在に敬意を払った。

ひとつ目のシルエットは、何も語らない。
ただ、虚空にその姿を詩的に織り成しているだけに過ぎない。

まるで、人々の言葉だけで構成されたようなその存在。
足跡だけを残し、誰の手にも掴めなかった、本当に実在するのかも定かではなかったそ
の奇跡の存在。

ロッド・シルバーフィールドを密室の屋上で落下させ死なせ、再び密室の塔で死体を消
した奇跡の存在。
エリ・マーリンを屋上で落下させ死なせ、空を落とした奇跡の存在。
そしてこの直後、屋上でエメット・ロジャーに隕石を落下させ死なせ、
ロズウェル・アンダーソンを屋上から突き落とすことになる、
恐ろしく残虐で、奇跡の存在。

魔術師も、魔女も、宇宙人も、私立探偵や、警察ですらも、この存在には誰ひとり敵わなか
った。後は、残された希望は最後の哲学者だけ…

ひとつ目のシルエットは、みっつ目のシルエットを罠にはめ、意識を失わせた。
それは、宇宙人論学者が絶命するほんの数分前の事だった。

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