mixiユーザー(id:6007866)

2008年04月01日09:03

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「被取締役新入社員」。

 いドラマとの出会いというのは、いつも偶然に左右されるものだと思う。全く観るつもりのなかったドラマを、たまたま目にし、たまたま面白そうな展開に目を引かれ、そのまま見入ってしまうという「偶然」である。昨夜放映された『被取締役(とりしまられやく)新入社員』も正にそうだった。

 子供の頃からずっといじめられっ子で、真剣にやればやるほど何をやっても失敗ばかりの鈴木信男。超一流の広告代理店の入社試験でも案の定、大失敗をしてしまうが、なぜか彼の元に採用通知が届く。彼の見事なダメ人間ぶりに注目した会長が、彼に「代表取締役新入社員」という特命を与え、職場の悪口、陰口を一身に受け、社員達が仕事に集中できるよう、「真面目にダメ社員ぶりを発揮せよ」というのだ。社員達の不満の捌け口として機能すべく、極秘任務を遂行する彼に与えられた新しい名前は「羽ヶ口信夫」。月給20万円、役員手当て年間3千万円という立派な「役員待遇」(ただし極秘)であった。
 精鋭の第一制作チームに配属された信男は、一生懸命やればやるほど数々の失敗を犯し、会長の期待通り、職場は信男を捌け口とすることで活性化され、短期間に結束を固めて行く。しかし、取引先役員の誕生祝いの接待の酒席で見せた信男の行動が大きな転機となり、広告業界の寵児として一躍、スタークリエイターにのしあがってしまう。本来の職務に反する「偶然の好調」に信男は焦りつつも、自分の仕事が初めて人の役に立つという大きな手ごたえを感じるのだった。しかし、彼を待っていたのは、予想外の展開だった・・・。

 私が観始めたのは、誕生祝いの前、酒席で若い女性社員にセクハラする先輩から、女性をかばおうと信男が奮闘する(見た目はそう思えないのがミソ)シーンからである。信男を演じた森山未来が実に上手い。自信なさげな表情、頼りない雰囲気がぴったりであった。信男に特命を与える会長・川崎又三郎に宇津井健。信男に呆れ、大声で叱りつける第一制作チームリーダー・保坂部長に陣内孝則。共に好演が光った。それにしても、宇津井健もこういう役柄がはまるようになったなぁ〜。
 コメディーではあるが、最後にホロリと感動させるドラマこそが「本物のコメディ」だと思う。その点、『被取締役・・・』は期待以上のドタバタと感動のドラマを観せてくれた。会社を舞台に、人が集まって構成される「組織」の難しさ、人である以上「組織内で自らの働きを認められたい」「人を馬鹿にしても、自分は馬鹿にされたくない」という心理についてスポットを当てる構造とクオリティは、先年話題となった『ハケンの品格』に匹敵する。録画していなかったのがなんとも悔やまれる。再放送は逃さないようにしよう・・・。
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