〜平成の日本の田舎町。自分が“普通”であることに悩む小学3年生の内気な少年・翼は、クラスの人気者で“特別”な存在である暁太郎と出会い、親友になる。ふたりだけの遊びや意味のない会話、夕暮れの帰り道など、小さな世界の中でかけがえのない時間を過ごす翼と暁太郎だったが、日常は少しずつ歪みはじめる。暁太郎はクラスの中で浮いた存在となり、噂や視線が彼を囲むようになる。翼はその変化に気づきながらも、何も言えず、何もしないという選択を重ねてしまう。やがて取り返しのつかない事件が起こり、ふたりの関係は大きく変わっていく〜<映画.comさんより>
当初は観る予定ではなかったのですが、某マイミクさんの感想を読んで、背中を押されました。
結論から言いますと、とんでもなく良かったです!!!!
仲良しだった元少年2人の30年の物語。
冒頭から素晴らしかった。
タクシー運転手が車を停めている。外は雨。フロントガラスに雨粒が流れていく。
それは、外から見ると、運転手が流している涙の如く。
演出力、そして画の力がとんでもない。
「これは凄そうだ」
のめり込むまで、5分もかからなかった。
内気で’普通’な翼は、小学三年生の春、クラスの人気者で’特別’な存在の暁太郎と手裏剣をきっかけに出会い、親友になる。
しかしある出来事から、2人は仲たがいしてしまう。
「そんなつもりじゃなかった」
謝りたい暁太郎は、ある方法で謝罪を伝えるのだが・・・。
また、学校である事件が起こり、暁太郎はクラスでのけ者扱いされていく。
「それはボクじゃない」
今作、予告を見た時、自分向きじゃないと思っていたんです。
ところがどっこい、描かれた物語は随所で心に突き刺さりました。
※予告編
https://youtu.be/0nk-AWBxZPc?si=v3XvS0p-PzsprApf
あらゆるところに感心しまくり。
・まずはリアリティ。
惜し気もなく「この年齢(学年)って、こんなことに関心あるよね。こんなバカなこと言いだすよね。そして・・・こんな残酷なことするよね」が描写され、どんどんリアリティの厚みが増していく。
細かいところまで触れていて、観客は「もしかして自分もそうだったかも?」と記憶をたぐり寄せる。
・絵の隅々までこだわっているのがよくわかる。こんなところにこんなモノが!と見つけた時には嬉しかったり。
・突然画風がホラーになるところは、苦手な人もいるかも。私がちょっとそうだった。
それでも、意味があってやっていることゆえ「固唾を呑んで見守る」のだ。
・物語の構成が巧み。前半は翼、後半は暁太郎。それぞれの視点で振り返る。
翼が小学生の頃、母親との約束を破って、ゲームをとりあげられてしまい・・・。
大人になった翼が、あの当時の自分のゲームを、買い取られたお店で見つけるシーン、好き。
終盤の高速道路シーンが、秀逸!
思いがけずの並走。そこからの「じゃっ○ぇ〜!」そして人生は続く・・・。
途中、これ韓国で実写リメイクしてもらったら面白そうとか。
でも、最後のシーンだけは是枝監督に撮ってもらいたいとか。
総評:覚えていることも大事だが、忘れることも前に進むために大切。
終盤、翼と暁太郎、双方が「あれっ、何だったっけ?」とそれぞれ思い出せないというシーンがある。
その瞬間、こちらは、2人は確かに繋がっていたんだと確信できて、嬉しかった。
今作、軽い気持ちでは受け止めきれないかもしれない。
されど、劇中、幾度となく共感した観客にとっては、たまらない余韻が残ることだろう。
今年屈指の邦画の1本。観れる人は劇場で観てもらいたい傑作!4つ☆
ログインしてコメントを確認・投稿する