下北沢でメキシコ料理のお店をやってらっしゃる友人が居る。
数年前、その下北沢に次男が引っ越したので様子を見に行き、ついでにそこでランチをしようとしたら、あいにくランチはやっていなかった。
処が今月の初めに彼女のお店にスペイン語を勉強している学生さんが来ることになり(メキシコはスペイン語)急遽ランチタイムに店を開けることになったと言う。
そして2階はその学生の団体さん、一階には私たちの仲間を8人までならお受けすると言う。
喜んで声をかけたらあっという間に10人を超え、キャンセル待ちの人まで出る人気。
結果、8人がけのテーブルにぎゅうぎゅう詰めで10人が腰掛けたけれど、意外と皆さんとの近さが話し声もよく聞こえて良かった。
初体験のメキシコ料理はどれもおいしく、特にチーズの入ったお粥の様なスープは絶品だった。
さすがテレビのお料理番組に何度も出演された方!
お店はメキシコの雰囲気のインテリアに、それらしい食器も使われている。
その中に「日 友好 墨」と書かれているお皿があった。
墨?
もしかしたらこれはアメリカを米、イギリスを英、フランスを仏、と書くように、メキシコを漢字一文字で書いた国名?
聞いたら案の定そうだと言う。
帰宅して調べるとメキシコは漢字では「墨西哥」と書くのだとか。
この文字をメキシコと読める日本人はまずいないだろう。
そもそも亜米利加も仏蘭西も独逸も当て字である。
だから何となくそう読めなくはない。
基本的に漢字一文字表記は大抵最初に来る漢字を使う。
処がアメリカはなぜか「亜米利加」の2番目の文字「米」である。
何でも「ァメリカ」はメのアクセントが強く、メリカと聞こえたらしく、それで米になったとか。
じゃあイギリスが昔はエゲレスと言っていたのも、そう聞こえたから英吉利になり、英になったのか?
けれど墨西哥にはどこにもメキシコと読む手がかりなどない!
そこでさらに調べると江戸時代中期、世界地図を作成する際、中国で使っていた墨西哥という当て字をそのまま使ったらしい。
同じ漢字でも日本と中国や台湾は読み方が違うから、中国では墨西哥は「メキシコ」に近い発音だったようだ。
世界の国を漢字一文字で表すようになったきっかけは新聞などの見出しを作成する際、カタカナでの表記はスペースの都合上難しかったため、新聞記者たちの間で表記のルールが決められ、現在の漢字表記に統一されたとのこと。
そこで幾つかの国の漢字一文字を調べて見た。
カザフスタン 香佐富斯坦は香 (この一文字はなかなか)
ラオス 羅宇または老檛は老 (ちょっと抵抗ある当て字)
コンゴ 公果は公 (公はともかく、公果となったらキミカという名前に使えそう)
アイルランド 愛蘭は愛 (中華系の女性の名前みたいなのも、漢字一文字が愛だなんていうのも、国名としては違和感しかない)
トルコ 土耳古は土 (耳は土より壁にあるものなんだけど)
ギリシャ 希臘は希 (希はいい当て字よね)
ペルー 秘露は秘 (秘境か?)
アイスランド 氷州又は氷島は氷 (これは和訳じゃん!)
メキシコ料理から始まった漢字一文字の国名は、私の好奇心を刺激し、日本の歴史を変わった視点から捉えることができて、なかなか面白かった。
よーし。
こうなったらついでだ!
年末になったら恒例の「今年一年を漢字一文字で表したら」というヤツにトライしてみよっかな。
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