mixiユーザー(id:411965)

2024年04月13日02:41

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放置の原因とは?

 こんなふうに十数行にまとめたら「なんで主治医は良性だと思い込んだんだ?」と不思議に思われるだろうな。
 このあたりに医療が専門分化してしまった弊害があって、つまり画像診断の所見をつける医師はとにかくたくさん所見を書く。なにしろそれが仕事なのだから細かいところまで、全部所見を書く。腹痛ということで多分内臓を全部撮影して、全部の臓器に色々と所見をつけたのだろうし、もっとも適切と思われる所見をつけたのだろう。

 主治医がそれに目を通したときに当然いらない所見も含めて見渡して、多分だけれども肺に関して「肺がん」とは書いていないはずだ。だって一回の画像だけでそこまで判断できないもの。多分「肺に腫瘍のような陰影が見られる。再検査を含めて今後もフォローが必要だ」的な記述だと思う。
 ここでその記述を重視しなかったために、結局放置した形になったのだろうな。

 分かりやすい例で例えると『ER』の初期の話でグリーン先生が肺炎かどうかを知りたくて胸のレントゲン写真を画像診断の医師に渡したらその医師がそれ以外の所見から延々と読んでいってジリジリしたグリーン先生が肺炎の所見を聞いた瞬間に「ありがとー!」と叫んでレントゲン写真を持って飛び出していく。

 このシーン臨床医ならグリーン先生の気持ちがよくわかる。とにかく目の前の症状の解答が欲しいのだ。
 しかし、もしこの話の主人公がが画像専門医だったら展開が変わってくる。とにかく肺炎かどうかだけを知りたいレジデントに対して肺炎だけでなく、他の病気とかも含めて読影する医師は途中で写真を持ち去られて肺がんを見落としたかもしれない、と悩むはずなのだ。

 別にこの主治医をかばうわけではなく、「なぜこんなことが起こるのか」をちょっと説明しました。

■肺がん疑い、3年余放置=通院の高齢患者死亡―名古屋大病院
(時事通信社 - 04月11日 21:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=7822493
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