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2024年04月01日09:10

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3月30日 「新・平家物語」見る

この日は、知り合いの西田プロデューサーから溝口健二の1955年の映画を勧められて、何と西田プロデューサーのお父さんも出演しているということで気になっていたのですが、ユーチューブにあったので、再生して見ました。
美術、衣裳が壮麗なのと、エキストラが凄かったですね。いつもの溝口健二監督の長回しのカメラも計算されていて素晴らしい。
ただし溝口監督にしては、珍しく薄幸の女性のリアルな姿を描かず、女性描写が細かくなかったのと。あと市川雷蔵のメイクで、あの眉毛は漫画みたいで、やりすぎだと思いました。
何よりも芝居も、大仰なのは良いのですが、リアリティーからは無理がありました。
五条の商人が、主人公の平清盛に出生の秘密を、あんな軽く言うのは変です。もっと深刻に言うべきです。
叔父の藤原時信が、清盛に父が暗殺されると密告に来た時も、あんな大勢の武士の中で言ったら、藤原家に怒られるに決まってるじゃん。密告するなら、平清盛を陰に呼んで、こっそり言わないと。
何かみんなの芝居も固くて、リアリティーが無くて。
左大臣・頼長が、父を蹴飛ばすシーンとか、テレビドラマみたいな安っぽい演出で。もっと怒るまでにイライラを演出するでしょ。
台本も弱いしね。
不良の義理の弟の時忠が僧兵と喧嘩したぐらいで、あんなにたくさんの僧兵がいきり立つのもストーリー展開からしたら、不自然な気がしました。
例えば、時忠が僧兵を誤って殺してしまった。僧兵も、復讐で武士を殺したので、僧兵の幹部クラスを殺害。父の平忠盛は自殺したが、武士と僧兵の間で戦争状態になる、とかなら納得もできますが。
クライマックスは矢をいっただけでなく、チャンバラがあって、何人か死んだ方が盛り上がる気もしました。溝口健二監督はチャンバラをやらないそうです。
題材は面白いのに、演出が凡庸で、勿体ない。
海外の映画祭で、無視されたのも分かります。
何か、作りたくない企画を無理やり、押し付けられたとかの裏事情があったのでしょうね。
溝口健二のあまり売れてない映画ですが、豪華絢爛な時代劇を見たい方にはお勧めです。

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