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2024年03月28日15:31

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日本株は誰がなんと言おうと、やっぱり暴落する


コロナ後の「バブルのおかわり」は3回で終了だ

小幡 績 : 慶應義塾大学大学院教授
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2024/02/24 6:30


ついに日経平均は1989年の最高値3万8915円を突破、3万9000円台に突入した。歴史的な瞬間を刻んだ野村證券のディーリングルーム(撮影:梅谷秀司)
「小幡の言うことはめちゃくちゃだ」

ほとんどの人はそう思っているようだが、私はまったく違うと思っている。それどころか、私の観察結果はつねに同じで、すべての現象が私の仮説を裏付けるものばかりだ。

「株式市場はバブルの真っただ中」にある

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています【2024年1月5日編集部追記】2024年1月1日、山崎元さんは逝去されました。心から哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りします)。

「あのねえ、それを行動経済学では『確証バイアス』(自分の思い込みや願望を肯定する情報に注目し、否定する趣旨の情報を軽視しやすくなる心理)と言うんだよ、小幡くん」と言わそうだが、とんでもない。

客観的には、この数年の株式市場で起きている現象はすべて、ただ1つの事実を指し示している。「現在、株式市場はバブルの真っただ中だ」と。

私は2月17日土曜日の朝に、株価の見通しについて議論するテレビ番組に出席したが、プロフェッショナル2人を差し置いて、私の株価予想が一番高く、「3月8日までに日経平均株価4万円を必ず突破する」「1989年につけた過去の最高値3万8915円は、2月19日の月曜日にでもすぐ突破するか、あるいはその週の22日までには必ず突破する。もし突破すればその勢いで4万円も必ず突破する」などとコメントした。

一方、2月21日水曜日の朝7時過ぎのラジオ番組では、一転して「明日は大暴落するかもしれない」と発言した。

そもそも「明日大暴落する」などと軽々に発言する人は、小幡しかこの世にいないわけで、それだけですでにクレージーであるが、「4万円は必ず行く」と言ったその4日後に「大暴落する」と正反対のことを言い切ってしまうのだから、どうかしている。そして、その断言は見事に外れ、いやそれどころかまさに正反対、22日の日経平均は前日比836円もの大幅上昇となり、日経平均3万8915円の史上最高値をあっさり更新してしまった。

しかし、だからこそ、私は「まごうことなきバブルであり、ほぼ頂点にある」という私の仮説に対するエビデンス(証拠)が次々にそろい続けていると思うのだ。


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株がバブルであるという「5つの証拠」
第1に、乱高下を繰り返している。バブルの頂点付近であるからこそ、乱高下し、急騰し急落し、それを繰り返しながら最後に大暴騰するのだ。まさにバブルの頂点に典型的な動きを毎日続けている。

第2に、上がり方が急激である。わずか数十分で日経平均が簡単に200円以上も上がることさえある。バブルの頂点では、最後に急激に上がる。そして、崩壊するのである。最後はスピード違反が起きて、暴走し、それで崩壊するのだ。1月からスピード違反を続けているが、今、最後にとことん違反をして暴走し、クラッシュしようとしている。

第3に、取引高が急増している。バブルのピークでは売り買いが交錯し、また乱高下を利用して、トレーダーたちはとにかく売買を繰り返す。乱高下で値幅が大きくなったことを最大限活用し、荒く稼ごうとする。

第4に、先物主導である。さらにTOPIX(東証株価指数)ではなく、日経225先物に偏った動きである。「半導体株が主導している相場だから」と説明されるが、日経225先物が主導で、例えば19日の週は午前中に何度も3万8915円に挑むような動きをつくり、それに誰も乗ってこなくて、その後は失速し下げる、ということを繰り返していた。

2月22日の史上最高値更新も先物主導で上がっていき、午後に最高値付近で現物も張り付いて、高値を続けている。先物主導、日経225主導(TOPIXでなく)というのは、まさに投機的な動きのパターンである。

第5に、史上最高値更新だけが焦点になっている。株価のファンダメンタルズと無関係なことだけが注目されている。そして、実際、先物の動きがすべて従来の最高値3万8915円を中心に動いた。そこがターゲットになり、そこに近づける仕掛けがあり、そこから引き潮があり、翌日、また3万8915円にチャレンジする。

そして、22日にも何度も3万8915円を意識し、最後に突破してからは一気に上げる。つまり、理屈抜きに、史上最高値更新か否かだけが焦点になってせめぎ合いが行われた。これはバブル以外の何物でもない。


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解説を加えると、バブル末期には動きは激しくなる。まともな投資家、長期の投資家は、ここが売りタイミングかどうかは思案するが、売り切っておしまいである。買い戻すことはないし、ポートフォリオの入れ替えすらしない。じっと様子見するか、売る株数をじっくり判断するだけである。

つまり、大量に売買しているのは、短期トレーダーと投機家である。そして、異常に強気な短期投資家である。最後に、浮ついた個人である。すなわち、絶対的な株価水準などまったく気にしない取引者だけが残っているのである。あとは、異常に強気という誤った投資家と、狂った投資家だけである。

だから、まともな投資家は売るべきものは売りつくしている。売り手は存在せず、狂った買い手だけである。それゆえ株価は異常に高い水準であり、異常なスピードで上がっているときほど、ますます、とことん上がる。バブル崩壊直前の、断末魔ではなく、狂喜の叫びである。

だから、取引量も膨らむ。同じトレーダーがとことん繰り返し仕掛けて、売買し続けているのである。今はプログラムが大半だが、プログラム同士の仕掛け合い、せめぎ合い、だまし合いが行われているのである。

皆が「ゲームの『降り時』」を見計らっている
こういうゲームで重要なのは「降り時」である。いつ、このバブルゲームから撤退するか、というタイミングだけだ。

タイミングの根拠は、ほかのトレーダーの動きだけである。多数派の動きに同調し、その流れに乗って、かつ利用して儲ける。モメンタム(勢い)がついているときはとことんついていく。しかし、モメンタムが失われる前に、逃げ遅れないように、ほかのトレーダーより一瞬先に降りる。そのタイミングを計っている。

そうなると、株価が企業収益対比で割高か否かなどは関係ない。雰囲気に尽きる。

また、同時に、日柄(経過日数)が重要である。どのくらいの期間、熱狂が続いてきたか。これは、ある意味、体力、気力が持続する間の勝負だから、みな疲れてくる。そろそろ手じまいして、利益が熱いうちに降りたいと思い始める。しかし、とことん儲けたくもあるから、最後まで残っていたいことはいたい。しかし、疲れてきたら、そろそろ、ということである。

2月19〜21日の3日間はそろそろ疲れが見えてきたのであり、世界中のトレーダーが注視しているアメリカの画像処理半導体最大手エヌビディアの決算発表(日本時間22日午前6時過ぎ)を待って、小休止していたのである。

私が、前出のように暴落すると考えたのは、この決算が予想を下回れば、当然いままで一気に上げてきたために、その反動が必然的に生じるからだ。この場合、決算が悪いということはありえない。期待が高すぎて、予想水準がかなり高く、良い決算だったが、高すぎる期待を上回ることはできなかった、という可能性だけがあった。


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一方、たとえ予想を上回っても、いわゆる好材料出尽くしとなる。つまり、好決算を待ち構えていて、実際に好決算だったら、よし、好決算で暴騰するに違いない今こそ売り時だ、絶好の売りタイミングだ、となって、みんな売ろうとする、というのが典型的なパターンである。

絶好の売りタイミングのはずが、全員が売れば、それは誰もうまく売ることができず、一斉の売り、つまり、暴落となる。私は、このどちらかのシナリオになると予想した。

この予想は、これ以上ないというくらい外れた。それは、エヌビディアの決算が、私のような思考をして、売ろうと待ち構えていた投資家たちの予想をさらに超える好決算だったからだ。

となると、「よっしゃ、もうひとヤマ」ということになる。バブルのピークにさらに、もう1つ最後のヤマ(あるいは山)が加わったのである。せっかく儲かるのに、ここでパーティーをしない理由はない。「一気に盛り上げろ―!」ということになる。

これはエヌビディアバブルのほうの話で、日経平均バブルのほうとして、「待ってました! 最後の3万8915円の突破エンジン、ターボジェット噴射の支援が届いたんだから、一気にイケ―――!」ということになったのである。

「3回目のアンコール」後、幕が下りるのはいつなのか
つまり、世界株式市場は、完全にバブル崩壊になったはずのコロナショックから、「おまけバブル」が3回もあった。

すなわち、コロナ支援金バブルという「おまけバブルその1」、アメリカの中央銀行であるFEDの利下げを勝手に期待する、金融政策プットオプションバブルという「おまけバブルその2」、そしてAI(人工知能)、半導体バブル、あるいは「マグニフィセント6」(7と言われているが、テスラを除くので6)バブル、あるいは直接的にはエヌビディアバブルという「おまけバブルその3」である。

つまり「バブルのおかわり」を要求する投資家たちに応えた、バブルのアンコールを3回も繰り返した。コンサートではアンコールは2回まで、例外があるとしても3回までだ。4回目はない。ありえないと思われたこの3回目のアンコールのあと、幕は下りるのである。

私はサブシナリオとして、早ければ週明けの26日の月曜日は材料出尽くしで暴落が来る可能性が若干あるとみているが、メインシナリオはこの勢いで26日以降、早々と4万円台を突破し、その後、乱高下を続け、3月8日のいわゆるメジャーSQ(先物とオプション取引が同時に清算を迎える日)、この日に最後の幕が下りると考える。つまり、大暴落が起きる、ということである。

この2つのシナリオ(おそらく26日暴落説はすぐにまた外れることが判明するだろうが)が短期的に実現するかどうかよりも、私にとって重要なのは、これがバブルであり(それは間違いのない事実であるが)、しかもそれがまさに頂点に達しているという仮説が正しいかどうか、である。

バブルの頂点がいつかというのは、見かけ以上に難しく、ほとんど誰も当てることができない。あのアイザック・ニュートン(1642〜1727)でさえも、欧州を中心に起きた「南海泡沫バブル」(まさにバブルバブルだ)で失敗した。

簡単に言えば、「もうバブルのピークだ」と自信をもって売って大儲けしたあと、さらにバブルが続き、売ってから約2倍になってしまったので、後悔して買い戻したが、そこが実際のピークで、買い戻した瞬間にバブルが崩壊したのである。これがまさに典型的なバブルである。

ということは、賢明な読者はお気づきと思うが、いちばん可能性の高いシナリオは、小幡が降参して、「バブルは当分崩壊しない」という記事を「東洋経済オンライン」などに書いた直後に暴落する、というものだ。”Stay tuned”.(乞うご期待)。





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競馬である。

大変なことになった。

週末の24日(土)は「サウジカップデー」であり、昨年パンサラッサが勝って1000万ドル(当時の換算レートで13億1865万円)を獲得したサウジカップ(G1・ダート1800メートル)がある。

愛馬がサウジのG2に出走!しかも騎手は「あの男」
しかし、サウジカップデーのレースの1つに「ネオムターフカップ」(G2・芝2100メートル )というのがあり、なんとわが愛馬、ハーツコンチェルトが出走することになったのだ。しかも、鞍上はマジックマンの異名を取る、ジョアン・モレイラ騎手である。まさに″Dream comes true″ である。

個人的な話としてはそれだけなのだが、ご存じのように、年々、中東のレースに押しかける日本馬が急増しており(まさにそれでハーツコンチェルトまで行ってしまったのだが。ただし招待ではある)、今年のサウジカップデーにはなんと22頭もの日本調教馬が大挙参戦予定である。

実は、17日に行われたカタール・アミールトロフィーにも日本馬3頭が参戦した。G1やG2よりもさらに格下のG3レースであるにもかかわらず、1着賞金は142万5000ドル、2億円超である。結果は日本馬の2、3、4着で、1着は2022年の「ブリーダーズカップターフ」(G1・芝2400メートル)を勝ったレベルスロマンスだった。

ちなみに、ネオムターフカップもG2であるにもかかわらず、欧州芝最強馬の1頭ルクセンブルク(2022年のアイリッシュチャンピオンステークス・G1の勝ち馬)が急遽参戦することになった。

このように、なぜ中東に世界中の一流馬が押しかけるかというと、シンプルに賞金がバカ高いからである。ただそれだけのことだ。中東側としては、高額賞金で一流馬を釣り(招待し)、レースのレベルを上げ、早く国際G1の格付けを取り、さらに一流馬が安定して来るようにしたいのである。

ただ、問題は、そんなことをしてまで一流馬を集めたレースを中東で行うことによって、何かいいことがあるのか?ということである。

私の不勉強かもしれないが、たぶん、ない。何もない。日本であれば、日本に一流の馬を集め、それを負かすことを目標にして、日本の生産馬、調教馬のレベルを上げる。

さらに、欧米一流馬を倒すことによって、日本馬のレベルの高さを国際マーケットに知らしめ、さらに、欧米の一流競争、向こうの土俵でも勝ちまくることによって、真に世界一流の馬たちを生産する国だ、と思い知らせる。そのことによって、今後、日本で生産された馬を、世界中に高く売りつけることが可能になる。


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実際、サンデーサイレンス、その仔ディープインパクト(いずれも死去)という傑出した種牡馬との交配が大成功し、今や世界中のホースマンの間で、世界一の馬は日本にいることがコンセンサスになった。

一方、欧州は一流牝馬の流出が続き、ガリレオ、フランケルという神馬が2代続いたが、その影響力もフランケルの場合はとくに、欧州に限定され、世界における競争馬の生産マーケットではじわじわとした衰退の兆しが見られている。

逆に、日本生産馬は世界中で大人気を誇っており、種牡馬も世界中に輸出されている。香港やオーストラリアでの海外競争に日本のホースマンたちが積極的な理由の1つが、チャイニーズマーケット(馬主)、オセアニアマーケット(馬主、生産者)に対するマーケティングの一環ということである。彼らが走らせたいターフでの競争能力を直接示すことで、日本の良血馬が現地適性も高いということになり、さらに高く売れる。日本競馬界はまさに好循環を謳歌してきたのである。

競馬界を本質的にリードするのは何なのか
ここでカギとなる問題は、競馬界を本質的にリードするのは、レースなのか、レースに伴う馬券の売り上げなのか、それとも高いレベルの生産、それに伴うオークションセールでの売り上げなのか、ということである。

要は「興業が重要か、それの根本にある生産が重要なのか」という話だが、それと同時に、売れることが重要なのか、それとも売れることの根底にある本質的なスポーツとしての競争のレベルの高さ、生産馬の質の高さにあるのか、ということである。

株式市場でいえば、IR(インベスター・リレーションズ)などによる投資家への見せ方が重要なのか、本質的なファンダメンタルズ、企業の収益力、持続力が重要なのか、ということである。「株価のパフォーマンスか、ファンダメンタルズ(しかも金融ではなく産業としての)なのか」ということである。


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日本としては、今後も賞金つり上げ競争では中東にかなわない。18日に行われたダートG1競争であるフェブラリーステークスもレベルが低下し、有馬記念もジャパンカップも、もはや風前の灯に近い状態である。

イクイノックスが教えてくれる「日本競馬の針路」
しかし、イクイノックス(2023年の競走馬ランキング世界1位、同年引退)のおかげで、日本競馬はとことん盛り上がった。

「イクイノックスはどこから来たのか」というと、高額賞金から来たのではなく、また、はやりの超一流血統から来たのでもない。ディープインパクト産駒ではなく、ブラックタイドの仔のキタサンブラック産駒であり、母系の大種牡馬(4代前の曾祖父)には、いまやマイナーになりつつある(しかし素晴らしい背景を持つ)ダンシングブレーヴであり、トニービンがいるのである。

つまり、流行に左右されない多様性、偏らない生産なのであり、スピード一辺倒でないスタミナ重視なのである。一方、欧州ではすべてが少しずつ活力を失っており、今後も苦しくなると思われる。日本は自信をもって、世界の競馬をリードする気概で、レースの興行、主催者としてのJRA(日本中央競馬会)の成功、すばらしさはあるが、やはり生産の幅広い裾野を確保し続けることが重要であると考える。

社台グループへの生産の一極集中を避け、近年成功している三嶋牧場(北海道浦河町)などのほかの北海道の生産者や、北海道よりも歴史の長い青森県産馬、そして今後のあり方が課題となる九州産馬など、生産の多様性を長期的視野で維持、発展させていく必要がある。

24日のサウジカップは日本馬上位独占となって、さらに3月30日のドバイワールドカップへ向かってほしい。

※ 次回の筆者はかんべえ(吉崎達彦)さんで、掲載は3月2日(土)の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

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