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2024年03月23日13:14

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3月20日 「ナポレオン(2023年)」「隣の八重ちゃん」見る

この日は前から見たかったリドリー・スコット監督の超大作の歴史劇を見ました。
映画館で観たかったのですが、タイミングを逃したので、ネット配信で買ってみたら、2000円もしました。アップルTVの製作を、アマゾンプライムという別会社を通して見たので、高かったのですが、この値段なら、映画館で観たかったです。
正直、スコット監督は昔から好きで、映像効果が素晴らしい監督だと思いますが、人間ドラマが良いといつも思ってましたが。失敗作も多い監督ですが、今回は評判が良さそうでしたので、見ました。
なるほど、さすがハリウッド映画は、戦闘シーンが凄いこと。エキストラを入れた撮影はリアルに血も飛んで、細かい所までリアルにグロテスクで凄いです。役者の重厚な演技も素晴らしいし、鮮やかな色を使わないリドリー・スコットのタッチは、暗い色にして重々しくて良かったです。
ただし歴史を勉強したことがある人なら、不満だらけの映画でした。
ナポレオンがエジプト遠征の途中で、パリに戻ったのは、敵国に侵攻されそうだからであって、ジョゼフィーヌの浮気が原因ではありませんし。エルバ島にいたときに、ロシアの皇帝がジョゼフィーヌと浮気したように描かれてますが、ジョゼフィーヌはこの時点では既に亡くなってます。
衣裳や小道具などは歴史に忠実に作っているのに、ナポレオンの常識を、何故、リドリースコットは拡大解釈してしまうのか。
20世紀の映画なら、そこまで誰も調べないから、気にせず、映画は大成功したと思いますが。
今の映画は、客も知識を持ち、事実を簡単に知る状況になりましたので、もっと史実に忠実であるべきだと思いました。
昔のソ連の映画で、エイゼンシュタインが監督した「イワン雷帝」の二部作では、ロシアの英雄となりつつ、やがて孤独に陥っていく歴史上の英雄を、独特の手法ではあっても、歴史には忠実に描いてました。英雄から独裁的な地位に立った時の独裁者が陥る人間の孤独に迫っていて、そちらの方が映画としては上だと思いました。
ナポレオンのファンからは批判された内容ですが、超大作の映画が見たい方には良いと思います。

更にもう一本、久しぶりに島津保次郎の1934年の映画を見ました。
八重子が住む服部家と隣の新海家とは、1つの家族のように仲良く。
父親同士は毎晩酒を飲みかわす仲で、八重子も、隣の兄弟といつも仲が良いのですが。
そこに八重子の姉の京子が嫁ぎ先から戻ってきます。
京子は、新海家の兄に惚れるのですが、兄にフラれると、またどこかへ家出します。
同じタイミングで八重子の両親も転勤になり、隣の八重ちゃんは、隣ではなく新海家に住むことになるという話。
今では、未成年の女の子が、他の人の家に住み込みになるのは考えられないのですが。
当時はスーパーもコンビニも宅配便もなく、冷蔵庫も洗濯機も掃除機も無かったので、一人で料理や家事をしながら生きていくのは相当、大変だったので、娘を信頼できる家族に預けるという事があったのでしょうね。
服部家の父親が転勤になるなら、辞令は突然、来ないので伏線があったほ方が良かったと思いましたが。
あと隣の兄は帝大に通っている割には遊んでばっかりで、まったく”らしさ”の感じられない帝大生でした。せめて三流の大学生ぐらいの設定でも良かったと思いました。
島津保次郎監督の家族映画は、当時の人情を描いていてとても良かったです。
たまには戦前の邦画の傑作を見たいという方にはお勧めの映画です。

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