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2024年05月12日15:41

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5月10日 「アンダルシアの犬(29)」「花腐し」見る

本日は天才、ルイス・ブニュエルの29年の映画を見ました。
この映画は、恐らく映画史上最も、有名なシュールレアリスモの実験映画であり、短編なのに今も映画史で語られている偉大な映画だと思いますが。正直、個人的には、この訳の分からない映画と次の「黄金時代」よりも、後年のスターを使って、変な物語を作り出していた後期のブニュエルの映画の方が好きです。
でも今、見ると、ブニュエル監督自身が冒頭の剃刀で女の目を切る理容師を演じていて、サルバドール・ダリが若い修道僧の役で出演してて、ロープで引かれたりするときの動揺している表情とかは、知ってたら笑えます。
グランドピアノがある家ということは、後年のブニュエルの要素として出てきたブルジョワを馬鹿にする風刺する部分が見られますし。カトリックの修道僧をロープで引っ張るのも、キリスト教の権威を風刺していて、タブーに挑戦しているのが分かります。
気持ち悪い映画なのですが、10年に一回ぐらいは見るには楽しめるかもしれません。

更にもう一本、昨年の批評家から絶賛された映画は殆ど見たのですが、この映画だけは、未だ見てなかったのが、やっとアマゾンプライムで見れるようになったので、再生してみました。
荒井晴彦は、学生の時からファンで、20年前に一度だけパーティーで会ったことがありますが、文章で偉そうに書いてる人は、本人もやっぱり偉そうでした。
映画はロマンポルノにオマージュを捧げている為かもしれませんが、ロマンポルノ以上にエロのシーンが多かったです。ロマンポルノ出身だから、というだけでなく、荒井晴彦が助平な男だからでしょうね。無駄にセックスシーンが出て、綾野剛も柄本佑もさとうほなみとのセックスにとどまらず、アナルセックスまでしてました。
でも敢えて、最高の脚本家への批判をするなら、人間描写はいまいちな気がしました。
冒頭で、さとうほなみ扮する死んだ祥子の通夜に主人公が行くと両親に門前払いをくらいますが。遠くから来た弔問者に普通の日本人の両親が、拒否するなんてありえないです。
両親は、弔問に来たのは、どんな人物かも知らないので、普通は色々と聞き出すはずです。
話の最大のドラマは、綾野剛も柄本佑がバーで話していたら、実は偶然にも同じ女を愛していたという事実を知ります。東京には1000万人ぐらいが住んでますから、1000万分の1が当たった計算ですが。この偶然を作者の物語を語る都合で、そのまま進めるのは下手はドラマツルギーだなあ、と。作者のご都合主義で、メロドラマの悪しき典型。別にフェイスブックの友達だったから、あえて交渉人に選ばれたとかの設定にしたら良いのにと、思いましたが。
あまり批判を書くと、荒井晴彦一派に、小生は潰されてしまいますので、これぐらいにしますが、スタイリッシュな演出と、シリアスな演技と、客寄せの為のセックスシーン以外は、感心しませんでした。
感動している人も多いようなので、無駄に助平な描写が多い映画に耐えられる人にはお勧めかしれません。

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