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2024年02月29日17:09

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2月23日 新宿末廣亭下席昼の部〜池袋演芸場下席夜の部「桂文雀独演会」

 先日のチャリ亭の時は初夏の陽気だったのに、この日は朝から雨模様で極寒。開場15分前に券売に並んだが、続々人の列が出来てよくもまあこんな日に・・・というべきなのか、こんな日だから一日居られる寄席に来るのか。下手前列の席に座る。
 混んだ日の末広亭らしく前座の「狸札」の最中は客入れでバタバタしていた。

●小はぜ「子ほめ」
 高座にあがると、目線を上げて少し驚いた風だったので、こちらも後ろを振り返ると、なんと開演早々二階も開いている。まくらも振らずにきっちりとした「子ほめ」。小はだと交替。

●志ん輔「漫談」
 本来は三朝の出番だが、中入り後に出るはずのこの人が登場。珍しいことに酒を呑む仕草を日本酒、ホッピー、ビールと三態交えての漫談で下がる。

●漫才 ロケット団 
 中入り後のにゃん金と出番交替。

●つくし「女子会こわい」
 いくら落語好きがいたとしても、「饅頭怖い」で盛り上がる女子会はないない。普通に女性どうしの「あるある」ネタなんだから・・・とは思うが、結構客席を沸かせていたので結果オーライ。

●菊志ん「宮戸川」
 菊太楼の代演。叔父さん宅の二階に上がってからの描写がしんねりとしていた。

●奇術 アサダ二世

●白酒「茗荷宿」
 いつものことだが、本当に無責任にすっとぼけるなぁ。

●正蔵「おすわどん」
 歌丸や五代目圓楽で聞いた噺。最後の地口オチでは客席から「ほぉ〜っ」と声があがった。相変わらず良い着物で、この日は帯が高そうだった。

●浮世節 橘之助

●菊丸「ふぐ鍋」
 前半は主任が柳派とは思えないほどの古今亭ラッシュ。冬の噺でじっくり聞かせるが、基本木戸で外とを仕切る末廣亭、上下にデカいエアコンがあるが非常に寒い。菊丸の語りを以てしても暖は取れなかった。

小丸2権太楼「無精床」
 日ごろから正蔵や㐂三郎がこの人の口調を真似るが、あのお馴染みの調子も、病気から回復して以来は抑え気味かな。でもこの人が元気で寄席に出ているとやはり嬉しいし寄席らしい。

<中入り>

●わん丈 新作
 くいつきは来月昇進新真打の交替出番で自称こみち姉さん似(確かに!)のわん丈。云うことをきかないZ世代新入社員にどうやったら自分の非を認めさせるか・・・という部下からの相談を、上司がことごとく県民性で解決してしまうという新作落語。

●漫才 すず風にゃん子金魚

●白鳥「老人前座・じじ太郎」
 この出番、日によって文菊だったり白鳥だったりするのか・・・まあいいけど。元旦に裸をさらした時も思ったが、かなり健康維持に気をつけてるのではないか。ひところより締って見えます。

●燕路「時そば」
 志ん輔の出番なのだが、確かにこの出番、本来末廣亭初主任のこみちの為にも師匠が出るべきところじゃないだろうか。

●太神楽 翁家和助・小花
 本来なら紙切りの正楽が出るはずだったヒザ。出演者予定表も宣伝チラシも正楽のママだった。

●こみち「任侠流山動物園」
 自称萩原流行寄りのこみちも満員の客席にびっくり。自身のXでは連日オチで嚙んでしまった云々と反省ばかりがポストされていたが、この日の大入りは夜席主任のたい平のおかげばかりでもないだろう。祝日なのでプログラムが進むにつれ客席や桟敷にも家族づれがちらほら。子供もいるので「動物たちがお話する落語をやります」と白鳥の新作へ。こみちの「任侠〜」は上野のパンダが女親分なのね。豚次を演じるときは手をヒヅメにするという細かい仕草も含めて、白鳥イズムを引き継ぎながらこみちの噺になっている。噺の舞台・千葉市流山はド田舎設定だが、今は子育て世代優遇でプチ武蔵小杉みたいになっているようだ。

 新宿三丁目から副都心線で池袋へ。
 池袋演芸場夜の部は協会特選会でこの日は文雀独演会。確かDMで案内が来たのが一月の半ば過ぎ。しばらく独演会に足を運んでいなかったので、久しぶりに予約をしたのだが、その後すぐに鈴本演芸場の2月下席夜の部で珍しくトリを取ると知り、な〜んだ、だったら鈴本の方に行ったのに・・・。
 しかしこの日の文雀の話によると、主任の打診があったのが1月20日ごろというから相当急。しかも珍しい噺をやってほしいとの企画ありき。「もう時間も無いし、(噺を稽古したとは云っても)覚えては忘れ・・・で頭の容量がありますからね、正直出来るだろうかと」悩んだが、寄席の主任が取れるチャンスはそう多くあるものではないので、「文雀珍品堂」と題し、「鬼の面」「派手彦」「朝顔宿」などあまり演じられない噺を集めての下席となった。独演会は以前から決まっていたので、今日だけ休演(代演はきく麿)とのこと。残念ながら仕事の都合で鈴本の方には行けそうにない。
 
 会場は九割方満席で、中には応援うちわを降る女性グループも。開口一番は松ぼっくりだったようだが間に合わず。高座返しの長身の前座は東村山かな?

●文雀「笑い茸」
 凡そソラ夢、ソラ泣きなど、言葉に空が付くと実際には無いこと、ウソの意味になる・・・という前フリから始まる。仏頂面が過ぎて「仏頂さん」と怖がられる男。女房も亭主の笑ったところを見たことがないし、本人も笑った覚えが無いので、医者に笑い茸を処方してもらって煎じて飲むと、笑う門には福来るの通り、どんどん天から金が降ってきて・・・という景気の良い噺。談志の音源があるようだが、自分は初めて聞いた。

●紙切り 八楽
 確かこの人コロナ前の文雀の独演会が、前座で落語を演じる最後の高座ではなかったか。お題は「大谷選手」、「バルタン聖人」、「正楽と仙三郎」。最後のお題を切り終えて「むこうで一緒に・・・」と云っていたが、まだ四十九日が過ぎていないから、八楽の近くにいるのではないかな。

●文雀「子なさせ地蔵」
 明治時代の北海道・北見。臨月の妻が産気づき、慌てた夫がお産婆さんを呼びに家を空けると、そこに網走監獄の脱獄囚が忍び込み・・・というサスペンス味もありの心温まる人情噺。先代金馬(金翁)の新作(演芸作家・大野桂による)で、北海道の北見で何千人もの出産に立ち会ったという実在するお産婆さんを登場させた、企画もののご当地落語。文雀はこれを金馬本人から習ったそうだが、先代金馬門下でもあまり演じられないようで、いずれにしても珍品らしい。

<中入り>

●文雀「蛙茶番」
 珍品というなら「子なさせ地蔵」だろうが、あまりにもイイ人情噺過ぎるので、昔なら「禁演落語」だったこの噺を最後に持ってきた。金のない半公が質屋でなんとか緋縮緬のふんどしを請け出そうとする件や、それを後生大事に油紙で包んでの(でも締め忘れる)お湯屋の場面など実に丁寧。丁寧過ぎて、それが馬鹿馬鹿しくも楽しかった。



 




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