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2023年11月03日09:29

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10月31日 浅草演芸ホール余一会 昼の部「あしたこそ」夜の部「龍志、志ん輔、扇遊、遊雀四人会」


 龍志の落語が聞きたくなったので、浅草余一の三人会を予約しようと志ん輔HPを開いたら、いつのまにか龍志、志ん輔、扇遊に遊雀が加わって四人会になっていた。予約ついでに、同じく志ん輔仕切りの余一会昼の部もついポチ。ヤバい、昼夜通しで落語を聞くと、必ずと言っていいほど頭痛で苦しむのに。それに浅草の古いシートに一日座りつづけることに老腰が耐えられるだろうか。

 以前は10月余一会昼の部は「読売杯争奪 激闘二つ目バトル」で、演芸ホールと何かとつながりが深い読売新聞社が冠だったか。出演者数も5、6人程度で、合間合間に応援団として参加した各々の師匠連の落語(や講談)が演じられたと記憶している。今回は協賛三団体から計10万円の賞金、焼酎や味噌、かわら版一年分、反物などが優勝者に授与されるとのこと。内容も以前とは異なり、9人の二つ目の落語を5時間弱にわたり休憩以外切れ目なく延々と聞かされる(最後に志ん輔が一席)という客にも忍耐を強いるバトルロイヤル。タイトルは「あしたこそ」(?)となっている。

●オープニングトーク
 志ん輔と本日の演者、審査員の挨拶。今日の登場順は全員参加のZOOM会議で決めたらしいが、なぜかそこにきよ彦が呼ばれていなかったので、前座の小せん門下・小じかが大きなくじを持って登場。きよ彦が「ごはんつぶ」を引き当てたため、登場順は一番手・ごはんつぶの後の二番手に決定。客入りは一階席のみで8割強の入り。年齢層は通常の寄席より少し若いかなという程度。
 
●前座 小じか「あなごでからぬけ」
 初めて見るが、落ち武者ヘアでなかなかインパクト強い外見。
●ごはんつぶ「三人無筆」
 一番手になった時点で優勝はあきらめたか、敢えての古典。普通に上手いのだが。
●きよ彦「令和が島にやって来た」
 時間制限が17分程度とのことでこの噺なのかな。もっと面白いのをやればいいのに。
●昇「新聞記事」
 関節が小さい女の子って意味わからん(笑)。後で一花が擦っていたが。
●小ふね「粗忽長屋」
 協会では珍しい天然素材。ダダ洩れるフラ、どうぞこのまま無自覚でいてほしい。
<中入り>
●一花「不動坊」
 風格ついて(エラそうなわけではない)、もうこの人の優勝かなと思ってしまう。
●朝枝「紫檀楼古木」
 公推協杯と同じネタなのはどうだろうか。丁寧に演じたい気持ちはわかるが。
●兼太郎「五目講釈」
 爪痕残そうと熱演。講釈に今日の演者のくすぐりがバンバン入る。
●ぐんま「土底の英雄」
 17分のところ23分くらい演じたらしい。最後は「アルマゲドン」(モグラだけど)。
●信楽「聖夜の奇跡」
 全編笑わされっぱなし。今日一番客ウケしたのではないか。最後なので客もいい加減ハイになっていたところも無きにしもあらず。でも本人は至って冷静でそこも良かった。

●志ん輔「岸柳島」〜大喜利〜結果発表
 観客票を佑輔と前座の枝平、小じかが集め、集計タイムに志ん輔の落語。場内も一旦チルアウト。
 その後演者全員出てきて大喜利の謎かけ。瞬発力があるごはんつぶ、ぐんま、兼太郎らが大活躍。芸協組もまあそこそこ。逆に一花、朝枝の春風亭組は振られても対応しきれず、小ふねは何が何だか。そうこうしている内に審査員も登壇して結果発表。

 優勝は朝枝。呼ばれた本人が一番驚いていたようだが、意外とも当然とも思える結果。審査員評価はわからないが、一番A評価が取れたということなのだろう。安定高評価の一花に「これ以上」を望む部分もあったかもしれない。
 10月余一会を任されている志ん輔自身が、長らくもう面白ければいっそ落語でなくても良いと考えていたとのこと。実際自分が過去に見た読売杯でも講談の松之丞やきらりが優勝していたし、活弁の坂本頼光が優勝した年もあったらしい。その一方で志ん輔もここ数年の若手落語家の意識の高まりは感じており「古典をやって新作も・・・ではなくて、新作落語をやるために落語家になる人が増えてきている。これは凄いことじゃないだろうか」と冒頭の挨拶で云っていた。この日の演者でNHK本選出場を決めたのは一花。公推協杯の決勝に進むのが信楽(兼太郎、一花は4回目予選の結果次第)、そしてXには今年朝枝が初出場で優勝したさがみはら若手落語家選手権の来年の予選日程が早くも届いていた。エントリーしてる黒酒は、無事に伊勢参りを終えたのかな。

 一旦退場。昔自宅の近くにもあった懐かしい喫茶「珈琲館」で休憩。銅板で焼くホットケーキ、マジウマい。5時半開演夜の部は「龍志 志ん輔 扇遊 遊雀 四人会」。客は昼より少ないが七割弱程度で平日夜の浅草なら十分ではないか。当たり前だが分かって来ている落語好きな人ばかり。 

●前座 枝平「子ほめ」
 結構いろんな会で立ち働いているのを見る。声がすごく大きい。

●始「近日息子」
 来年秋に真打昇進とのこと、おめでとう。

●龍志「紙入れ」
 龍志曰く「いつ誰がいなくなるかもわからない」ので新メンバーを迎えたとのこと。遊雀が「師匠も後期高齢者」と云っていたから、自分の師匠の年も越えたということでしょうね。「紙入れ」は正に本寸法。このところ変化球の「紙入れ」ばかり聞いていたので、これで自分の頭の中のスケールが調整された感じ。
 
●志ん輔「小猿七之助」
 売れっ子の浅草芸者・お滝と船頭・七之助。芸者ひとりに船頭ひとりの「二人船」は禁じられていたが、ふたりは構わずこぎ出してゆき・・・という講談由来のピカレスクもの。自分は談春でしか聞いた覚えがない。6月池袋主任の時も思ったが、昔は正直耐え難かったこの人のクセの強さが、最近枯れた味に変わって来たというか、受け取るこちら側も年を取ったということなのか好ましく思えてきている。
 
<中入り>

●遊雀「蛙茶番」
 「三越落語会」に続き、出番からして今回もコメディリリーフ。この会はトリが持ち回りだから、そのうち色々な面を見せてくれるだろう。「包丁」聞きたいな〜。


●扇遊「富久」
 昼の部で信楽が「落語では季節を先取りした噺がよく演じられますが」と云ってクリスマスの噺をしたが、もう「富久」の季節なのだな。噺の細部を若干刈り込んで、寄席の主任程度の長さにしていた。円熟とも清々とも少し異なる、登場人物の温度を感じさせる描写が良い。燗酒が気になって気になってしょうがないこらえ性の無い久蔵が、旦那同様我々にも可愛いく思えてくる不思議。

 

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