中国・台湾
2023年10月25日 16:46 [会員限定記事]
【香港=伊原健作】中国不動産最大手、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)のドル建て債の利払いを巡り、債券の事務手続きを担う金融機関が債権者に対し「デフォルト(債務不履行)に該当する」と通知したことが25日、わかった。米ブルームバーグ通信が報じた。
碧桂園は18日に米ドル債の約1540万ドル(約23億円)分の利払いの猶予期限を迎えたが、複数のメディアが支払いを確認できないと報じていた。ブルームバーグによると、米ドル債の事務を担当するシティコープ・インターナショナルが25日までに、期限内に利払いをしなかったことがデフォルトに該当すると債権者に伝えた。
碧桂園の海外債券がデフォルトすれば初めてとなる。リフィニティブによると同社のドル建て債の発行残高は99億ドル(約1兆4800億円)にのぼる。日本経済新聞は利払いやデフォルトについて碧桂園に問い合わせたが、返答を得られていない。
碧桂園は18日、「期限内に返済義務の全ては履行することができない見込みだ」と声明を出していた。利払いの有無については明らかにしなかった。
デフォルトは通常、当該企業の発表や格付け会社の認定で周知される。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは8月末、碧桂園の長期格付けをデフォルトに近い状態を示すCaに格下げした。
碧桂園は8月に「クロスデフォルト」が起こる可能性についても開示した。1回でも不払いが発生すると他の債券もデフォルトしたとみなす仕組みだ。今回の米ドル債が正式にデフォルトと認定されれば、他の債券にも連鎖が起こる可能性がある。
碧桂園は6月末時点で1兆3642億元(約27兆9000億円)の負債を抱え、販売不振により資金繰り難に陥っていた。最大手がデフォルトを起こせば不動産業界全体の信用不安が深まり、中国経済の足かせになりかねない。
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