mixiユーザー(id:1609438)

2023年10月24日07:44

15 view

プレゼンで相手の心をつかんで離さない3つの方法


冒頭が最大のチャンス
by マット・エイブラハムス
翻訳 藤原 朝子
2023.10.17
T
プレゼンで相手の心をつかんで離さない3つの方法
AndreyPopov/Getty Images
サマリー:プレゼンテーションの成功は、オーディエンスの注目を獲得するだけでなく、それを維持することにかかっている。メッセージを効果的に伝えたいならば、筆者が提案する「エンゲージメント」の3つの手法が有効だ。特に... もっと見る
注目を獲得することの価値
 注目は、現代社会で最も価値のあるものだ。人々は、常時接続されたデジタル機器と24時間絶えず流れてくるメディアに囲まれ、すべてがハイペースで変化する時代に生きている。その中でコミュニケーションを成功させるためには、オーディエンスの注目を獲得することが決定的に重要だ。注意をそらそうとする大量の誘惑に囲まれているのだから、とにかくオーディエンスの注目を積極的に得なければならない。

 だが、目と耳を引きつけるだけでは不十分だ。注目を獲得することは、最初の「戦い」にすぎず、その後にまったく別の戦いが待ち受ける。それは、注目を維持することだ。だからこそ、賢いコミュニケーターは、相手の注意を引く方法を積極的に活用するだけでなく、それを持続させようと努める。

 筆者は、注目が持続している状態を「エンゲージメント」と呼んでいる。オーディエンスをエンゲージメントできれば、その集中力を持続させ、気が散ることを減らせる。さらに、あなたのトピックがオーディエンスにとってどれだけ意味があるのか、また価値があるのかをより効果的に示せるだろう。

 以下、オーディエンスの心をつかんで離さないための3つのアプローチを紹介しよう。

オーディエンスの心をつかんで離さない3つの方法
身体的なエンゲージメント
 身体が動けば、心も動く。オーディエンスに身体を使って何かをさせることは、なんであれ、エンゲージメントを生み出す。対面でプレゼンテーションをする場合であれ、オンライン会議をする場合であれ、身体的なエンゲージメントを組み込む方法を考えよう。

 たとえば、動画を見てもらう、配布資料を読んでもらう、自分のデバイスで何かをクリックしてもらう、挙手してもらう、バーチャルリアクションをしてもらうといったことだ。これらはどれも、オーディエンスに単なる傍観者としてではなく、コミュニケーションの参加者として関わってもらうよう求める行為である。「隣の人にあいさつしてください」「スライドの内容を読んで、感想を教えてください」といった簡単な呼びかけで、オーディエンスをエンゲージメントできるのだ。

精神的なエンゲージメント
 オーディエンスがぼんやりしたり、他のことをしたりするマインドセットに対抗するために、認知的なエンゲージメントを促そう。シンプルな方法として、(1)プレゼン中に何かにつけて質問をする、(2)挑発的なコメントやデータ、統計を組み込む、(3)スマートな例え話(アナロジー)をする、という3つがある。

 たいていの人は、質問を受けるとほぼ自動的にその答えを考え始める。そのため、何かにつけて質問をすることで、受け身な状態のオーディエンスを積極的な参加者に変えることができる。

 また、挑発的な発言をしたり、説得力のあるデータを示したりすることで、オーディエンスの好奇心をくすぐり、自問を促すことになる。たとえば、研修部門の人数が適切であることを訴えたい時に、「ユーザー向けの研修を改善することで、サポートチケット(コールセンターへの問い合わせ記録)の30%をなくすことができます」と言ってもいいだろう。

ドラッカー経営理論の核心
人にはなぜマネジメントが必要なのか
リーダーシップ
Read now
ドラッカー経営理論の核心人にはなぜマネジメントが必要なのか
 アナロジーとは、私たちが知らないことを、知っていることになぞらえることである。言い換えれば、馴染みのあるものを使って、馴染みのないものを説明できる。そのため、アナロジーを用いると、相手の積極的な思考を喚起して関与を促せる。

 ただ、注意が必要なのは、アナロジーを使うときは、相手が簡単に共感できるものにすることだ。過度にスポーツの比喩に頼ったり、理解が難しく複雑な比較をしたりすると、本来の目標である「エンゲージメントと理解の拡大」に対して逆効果になる。

言葉によるエンゲージメント
 言葉によるエンゲージメントとは、インクルーシブ(包摂的)な言葉の選択、時空を超える表現の使用、共通の視点や経験への言及を意味する。

 インクルーシブな言葉選びをすることで、オーディエンスをあなたのコミュニケーションに招き入れることができる。人は自分の名前を呼ばれたり、「あなた」という言葉を聞いたりすると、反射的に反応するものだ。そのため、オーディエンスの名前を呼んだり、「あなたも知っているように」や「あなたも不思議に思うかもしれないが」、「今日あなたが学ぶのは」といった表現を使ってみたりしよう。

 また、時空を超える表現を使うと、相手を未来または過去へといざなうことができる。「想像してみてください」「もしあなたが○○できたらどうなるだろう」「思い浮かべてください」といった表現は、オーディエンスをその未来へと誘い、「思い出してください」や「○○を思い返してみると」では、人々を過去へと導く。

 さらに、共通の経験や信念を通じて人々を結びつけ、共通の基盤をつくることだ。たとえば、会社のミッションや価値観を強調したり、互いに過去の経験に言及したりすると、友人や家族と昔話やジョークを交わし合う時のように、オーディエンスを引き込むことができる。

複数のテクニックを組み合わせる

複数のテクニックを組み合わせる
 一度に使えるエンゲージメント・テクニックは1つだけとは限らない。いくつかを組み合わせて、その効果を高め、強化しよう。

 たとえば、アンケートは心と身体の両方を引き込み、3つの恩恵をもたらす素晴らしい方法だ。「XYZのうち最も重要な要素はどれだと思うか、手を挙げてください」といった簡単な質問でも効果がある。この1つの質問が引き起こす身体的、精神的、言語的なエンゲージメントの相乗効果によって、オーディエンスをニュートラルな状態から引っ張り出して、あなたのつくった場の流れに乗せることができる。

 なお、アンケートを取る時は、回答方法を最初に示す必要がある。「挙手で」や「チャットボックスに書いて」などと示すことだ。寄せられた回答に対してコメントすることも重要だ。たとえば、「思ったとおり、約半数が同様の回答でした」「なんと、全員同じですね」などだ。発表者がコメントしないと、オーディエンスは「だまされた」とか、「回答を気にもかけないとは、形だけのアンケートだったのか」と思うかもしれない。

 もちろん、こうしたアプローチがあなたの置かれた状況に適さない時もある。たとえば、目の前にいる3人のエグゼクティブの意見を聞く場合などがそうだ。したがって、状況とオーディエンスの規模に応じた方法を選ぼう。

 エンゲージメント・テクニックは、いつでも使えるものではあるが、会議やプレゼン、ピッチの冒頭で特に重要な役割を果たす。アクション映画のオープニングシーンを考えてみてほしい。あっと思うような、興味深くて、好奇心をくすぐるアクションシーンの真っ只中に放り込まれているはずだ。人々の注目と関心をがっちりつかんだうえで、初めてタイトルや監督名が表示される。

「こんにちは、私の名前は○○です」という伝統的なスタートの仕方では、冒頭で人々をエンゲージメントできる最高のチャンスを逃してしまう。自己紹介の前に、オーディエンスに質問を投げかけたり、アンケートを取ったり、ビデオを見せたり、アナロジーを使ったりして相手の心をつかむことで、エネルギッシュな雰囲気をつくることができる。

* * *

 オーディエンスの集中をつかんで離さないことは、コミュニケーションを成功させるうえで決定的に重要なことである。説得力のあるコミュニケーションやコミュニケーターを思い浮かべてみると、本稿で説明したような身体的、精神的、言語的なエンゲージメント・テクニックをいくつか活用しているはずだ。

 あなたには重要なメッセージがある。だから、まずはオーディエンスの注目をつかみ、さらにそれを維持して、メッセージを伝える最高のチャンスをモノにしよう。



0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年10月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031