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2023年09月08日21:29

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都響第981回B定期@サントリーホール

コンサートシーズン到来の火蓋を切るのは都響、ベートーヴェンのvl協奏
曲という定番と、コルンゴルトのシンフォニエッタというレアものの取り
合わせで、ベト協は久しぶり、コルンゴルトは(多分)初めてです

サッシャ氏は初めてと思っていましたが、プロファイルを拝見すると
昨年4月の新国立劇場での薔薇の騎士を指揮されているとのこと
あわてて日記を読み返すと、海外からの招聘歌手たちがコロナで来日不可
となり日本人キャストが大活躍ということが重点的で、指揮者のことまで
は(名前さえも)触れておりませんで、まことにご無礼いたしました
見た目アラフィフと思われましたが、後でWikipediaを見ると1970年生まれ
とのことでしたから当たってました

ソリストのラドゥロヴィチ氏はダブダブズボンに厚底靴、レゲエ風の頭と
いう個性的イデタチ(こちらは30代かなと思ったら37歳でこれも当たり
やはり男を見る目があるのかな)
見た目を良い方に裏切って、弱音が美しくテンポも遅めで、この曲に抱い
ていた威風堂々のイメージはなく、なるほどベートーヴェンも19世紀の
音楽で、既にロマン派入りしてるんですね

ソリスト氏はオーケストラの主題の提示が終わる前に待っていることに耐え
きれないとでもいうように第一ヴァイオリンのパートをともに弾き出して
しまいます(いかにも自由人という感じ)
顔の表情も豊かに、演奏するのが楽しくてたまらないという感じで、むしろ
女流の方が親の敵に会ったように、ニコリともせず、「男社会に伍して行く
のよ」みたいな悲壮感があります(個人的感想です)

2楽章に入る前にコンマスの山本さんとチューニング、指揮者もタクトを
置いて素手です
事程左様にデリケートな曲への向き合い方でした

終楽章はさすがに愉悦に満ちて活き活きと弾き納め、スタンディングも
出る喝采を浴びました
ソロ・オヴェイションは第二楽章第二変奏で美しい演奏を聴かせてくれた
ファゴット奏者に与えられ、納得であります

ソリスト・アンコールはアリガトゴザイマスの挨拶に続いて曲目アナウンス
があるのですが聴き取れない、初めて聞く曲で民謡の編曲のような感じ
後でサントリーホールのWSで確かめると、ヤドランカ・ストヤコヴィッチと
いう日本に滞在したこともあるシンガーソングライターによる「あなたはど
こに」という曲の由、日本の聴衆に対するサーヴィスだったのですかね
でも知名度はなかったのではないかな(ワタシだけ?)

休憩後のコルンゴルトという作曲家は、これまで、オペラを含む声楽作品と、
花岡千春さんのリサイタルでのピアノ曲ばかりで、オーケストラ曲は初め
てです(マックス・ラインハルト監督の夏の夜の夢の映画音楽は聴いてお
りますが、あれはメンデルスゾーン作を編曲したものですから)
16型のフル編成で、サッシャ氏の指揮ぶりも打って変わって前屈みになっ
たり仰け反ったり、身体をよじったりで動きのあるもの

公演パンフの解説に全曲を貫くモットーが載っており、四度の跳躍を続けて
重ねるメロディはペンタトニックで東洋的、頭の中で歌ってみるとトゥーラ
ンドットを思い出させます
しかし第一楽章冒頭にそれが早速出てくると、思ったより速いテンポで
いささか慌てましたが、確かに譜例のとおりでした(これが全曲を貫く)
ワルツ調で薔薇の騎士を思わせ、映画音楽的に聞こえないこともない
これって悪口ではありません、弱冠15歳でこの充実した響きはマーラーを
して「天才だ」と言わしめたものがあります

ということで本日はロマン派先取りの音楽と、20世紀初頭に残るロマン派
がコンセプトでしょうか(でも演奏の仕方は両者全然違いますけど)

この日記もサントリーホールからの帰りの電車内で書き起こした原稿に画像を
添えて、11日月曜にインターネット回復に併せてアップしました(東条さんに
先を越されちゃったけど、影響は受けてません)
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