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2023年09月02日08:08

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「日本3大盆踊り」の1つで国指定重要無形民俗文化財・ユネスコ無形文化遺産、秋田県羽後町「西馬音内(にしもない)盆踊り」を見物(8/17)

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5月に秋田勤務になったが、8月は東北地方各地で盛大な夏まつりが行われる季節だった。

秋田県でも秋田市では8月3日から6日までの4日間、東北3大夏まつりの1つとしても全国的に有名な「秋田竿燈まつり」が開催され、初日の8月3日に見物した。
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mixi日記の投稿はまだこれからだが、せっかく秋田勤務になったんだから茨城県土浦市・新潟県長岡市と並んで日本三大花火大会の1つとして有名な、8月26日に開催された秋田県大仙市の「大曲の花火(全国花火競技大会)」も雨じゃなければ見物しに行くことにしていた。

そのほか、全国的にそこまで有名ではないが、8月5日から7日までの3日間開催されることになっていた秋田県湯沢市の「七夕絵どうろうまつり」も見物しに行った。
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自分が事前に知っていた秋田県内のぜひとも見たいと思っていた夏まつりはその3つだったが、秋田に着任して以降、仕事で面会する人達の中で秋田県羽後町の「西馬音内(にしもない)の盆踊り」は見た方がいいと進言する人が多かった。

だいたい羽後町なんて昭和48年には鉄道も廃止されたくらいの人口1万3千人台の小さな町で、「西馬音内」と書いて「にしもない」と読むことすら知らず、そんな田舎町の盆踊りなんて全然知らなかったのだが、「西馬音内の盆踊り」は岐阜県郡上市の「郡上おどり」や徳島県徳島市の「阿波踊り」と並ぶ日本3大盆踊りの1つなんだそうで、その「阿波踊り」が指定されていないのに「西馬音内の盆踊り」は国の重要無形民俗文化財に指定されているほか、2022年には「ユネスコ無形文化遺産」にも採択されたすごい盆踊りなんだそうだ。

毎年8月16日から18日までの3日間、羽後町の中心・西馬音内の本町通りで行われるとのことなので、ものは試しに2日目の8月17日木曜日、仕事を定時より30分早上がりさせてもらってとりあえずクルマで羽後町西馬音内を目指す。

事務所のある秋田市から羽後町西馬音内までは約80km、一般道で1時間半ちょっとで到着し、会場周辺は当然ながら交通規制されており、警備員に駐車場の場所を教えてもらい、臨時有料駐車場として開放されている羽後中学校に停め、会場の本町通りまで歩いて向かう。
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駐車場は有料で、協力金として1000円掛かるが伝統行事を守るためにそのくらい出すのは構わない。
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本町通りに着くと通行止にされた向こうに盆踊り会場が見えてきたが、自分がイメージしている「盆踊り」と言えば広場や公園の真ん中に櫓を設置し、炭鉱節とか東京音頭などの民謡を流し、櫓の回りを踊りながらグルグル回るものだが、「西馬音内の盆踊り」はそんな会場は見当たらない。
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本町通りを進んで行くと、盆踊りの中心となる「西馬音内盆踊り会館」の前は双方の路肩とも有料観覧席以外のスペースはない。
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とりあえず「西馬音内盆踊り会館」を通り越し、桟敷席がなくなった先の「西馬音内盆踊り会館」側の道端の電柱の影に空いているスペースを見付けて陣取り、いよいよ開始時刻の19時半になると軽妙な音頭と共に踊り子達が踊り始める。
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篝火を焚いた薄暗い本町通りで踊るので、スマホのカメラではシャッタースピードが遅く、動く踊り子さんがブレでしまって静止した写真を撮るのが非常に難しい上、目の前をたくさんの人が通るので、オートフォーカスが通行人にピントを合わせようとしてしまってなかなかうまく写真が撮れず、本来動画で撮るべきだと思う。

先頭の派手な衣装の踊り子が着ているのが数種類の絹布を左右対称にパッチワークのように組み合わせて縫った「端縫い」という衣装で、これを着ることができるのは家族や周囲から「踊りが上手になった」と認められた者だけが着ることを許されているそうである。
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さすがに先頭の「端縫い」を着た女性の踊りは非常に優美で美しい。
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2人目以降の踊り子が着ているのは「藍染め」と呼び、元々「端縫い」を作ることができたのは旧家など裕福な家柄の人だけで、この藍染めの浴衣がポピュラーな男女兼用の衣装とのことである。
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目元に穴の開いた覆面をかぶって鉢巻きでとめているのは「彦三頭巾」と言い、「彦三頭巾」を着用する場合は衣装は必ず「藍染め」を着用することになっているんだそうである。

子ども達は「編み笠」も「彦三頭巾」もかぶらず無邪気に踊る姿もかわいい。
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「編み笠」は「端縫い」だけではなく「藍染め」でも着用することができるそうで、女性が「編み笠」を目深にかぶって見物人からは顔が見えないのが何とも言えず優美である。
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自分が勘違いしていたのは、もっと厳かな格式高い歌詞の音頭なのかと思ったら、「地口」と呼ばれるお囃子で、秋田弁なので正確には意味が分からなかったものの、結構お下劣な「隣の娘に踊りを教えたらふんどし礼にもらった、早速持って来てカカ(奥さん?)に見せたら横面殴られた」とか「にしもにゃ(西馬音内)おなご(女)はどこさへたたて(?)目に立つはずだんす(です?)、手つき見てたんせ、足つき見てたんせ、腰つき見てたんせ」とか、「『ありがとうございます』なんて言うのは昔の話、今の若い子『サンキューベリマッチ』」とか「秋田のにしもにゃ(西馬音内)本当にいいトコ皆さん来てたんせ、湯沢の駅から道のり10kmクルマで15分」とか現代チックな歌詞や、「一杯機嫌で踊り踊ったらみんなに褒められた、いい気になって頬かむり取ったらば息子に殴られた」とか、ユニークな歌詞の音頭で1時間15分、20:45にいったん休憩となった。
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15分の休憩をはさんで21時から後半戦が始まるとのことで、もうちょっとよく見えるところはないかと探して場所を移動すると、ここからが本番だそうで踊り子の数も増えてきている。
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後半戦は前半戦のハイテンポなおチャラけた歌詞の「地口」とは異なり、「甚句(がんけ)」と呼ぶ抑揚の乏しいゆっくりしたリズムの民謡に替わり、雰囲気も一気に優雅な感じに変わる。
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ただ、踊りは一緒なのだがテンポがゆっくりになったから歩みも一層遅くなり、ここから踊り子はオッサン達が連続しており、踊りは上手なのだが全然優美ではなく、内心「早く男性の踊り子さんが通り過ぎてくれないかな」と思いながらひたすら待つ。
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やっぱりうなじと腕の白さが目立つ「端縫い」に「編み笠」の女性の踊りが断然美しいな。
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4分の4拍子5小節を繰り返しているが、5小節目の最初の1泊、最初から17拍目に360度回転するのだが、そのときの軸足の草履のこすれる音が何とも言えず聴き心地がいい。
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後半戦は優雅な「甚句(がんけ)」の合い間にところどころおチャラけた「地口」も交えながら1時間半続き、22時半に終了すると、最後はお囃子部隊の演奏で締めくくった(3日目の最終日は23時まで)。
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踊り終えた地元踊り子達からの「アンコール」の声に応えて、お囃子部隊がもう1巡演奏し「西馬音内の盆踊り」2日目が終了。

トイレの行列がすごかったのを見て、トイレに行かずに済むよう一切飲み食いしないで見物していたが、非常に蒸し暑い日で汗ダラダラだったこともあり冷たいハイボールを飲みたいところだが、クルマで帰るから飲むわけにもいかない。

興奮冷めやらぬ中、できれば西馬音内で夕食くらい食べて帰りたいところだったが、まっすぐ帰っても秋田市に着くのは日付が替わってしまう時間帯でもあり、羽後町では何も飲み食いしないままクルマに乗り込み秋田へ帰るしかなかった。
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