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2022年12月18日20:55

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金曜は……

 金曜は、午後半休をとった。勿論、映画を観に行くのだが……どうにもこの週末は映画の繋がりが悪く(1本で複数のスクリーンを占拠する映画が多く、せっかくのシネコンなのに上映本数が少ない)、せっかく、半休とったのに、今日も映画は2本しか予定を組めなかった。

 で、今日の1本目は、イオンシネマ港北NTで、
 「Dr.コトー診療所」。

 これは、累計発行部数1200万部超えの山田貴敏の同題漫画を原作に、2003年と2006年に放送されたTVドラマの続編となる劇場版。
 主演は、吉岡秀隆。監督は、TVシリーズを手掛けた中江功。

 日本の西端の孤島、志木那島に19年前、東京から赴任してきた外科医の五島健助ことコトー。長年彼を支えてきた看護師の彩佳と結婚。彩佳は現在妊娠7ヶ月で、もうすぐ五島は父親になる。
 そんな五島に、離島医療を統合する総合病院への転任の話が浮上する。その話に即答しなかった五島だが、実は自身の身体の異常を感じていた……

 この話は、原作漫画、TVドラマ共未見。TVシリーズの16年ぶりの続編で、謂わば同窓会のようなものだろうか?作品のファンならば、変わらぬ顔ぶれに懐かしさを感じたりもするのだろうが、自分はこれが初見なので、1本の映画として思った事を書く。
 内容としては、孤島の小さなコミュニティを舞台とした人間ドラマで、孤島という閉鎖社会だからこそ、現代でも成立する、人との距離が近い下町人情劇的ドラマを描く、それは悪くない、と思った。
 そして、本作は、そこに離島と言う過疎地域を舞台に、高齢化と人口減少の中で問われる公共インフラの有り様を問題提起する……劇中の台詞を借りれば「将来の日本の姿がここにある」と言う、着眼点もいい。

 だが、いただけないのはクライマックスとエンディングだ。
 ろくな山もない琉球列島の小島で、台風で土砂崩れが起き、それで多くの人々が被災する、と言う設定が疑問(そもそも、琉球と言えば台風銀座、慣れている筈なのだ)だし、そこでサスペンスを盛り上げるのが、ただ登場人物が絶叫するだけ、と言うのは勘弁して欲しい。
 そして、折角問題提起した高齢化も過疎医療もすっ飛ばし、ただ、「諦めない」気持ちだけで奇跡が起きて、心肺停止の患者が息を吹き返し、切迫流産の彩佳の子供も無事で、立つのもやっとの五島医師は心臓バイパス手術を成功させ、更に病気も治ってハッピーエンド、と言うのには呆れてしまう……提起した問題は何も解決していないではないか。

 ヒューマンドラマと言うのは人情だけを描けばいい、と言うものではないだろうし、この映画のもうひとつのテーマでもある、医療と言うのも、決して綺麗事では済まされない。
 島に研修に来ていた若い医師が「トリアージを」と再三要望するのに、「全員を助ける」と答える五島の言葉には、感動するよりも薄ら寒いものを感じてしまった。
 

 続いて2本目も、イオンシネマ港北NTで、
 「そばかす」。

 これは、「恋愛至上主義」が常識化した社会で、他人に恋愛感情を抱かないアセクシャルの女性が、「自分は何者なのか」を見出していく姿を描くヒューマンドラマ。
 監督は、劇団「玉田企画」の玉田真也。主演は、「ドライブ・マイ・カー」の三浦透子。

 蘇畑佳純は30歳。学では音楽の道を志すも挫折し、現在は地元に戻りコールセンターで働いている。
 妹は既に結婚し、母から頻繁に「結婚しなさい」とプレッシャーをかけられ、ついには無断でお見合いをセッティングされてしまう。しかし、そのお見合いの席で、佳純は結婚よりも友達付き合いを望む男性と出会って……

 佳純を演じる三浦透子は、これが映画初主演なのだと言う。本作では、共演者が、AKB48の前田敦子に乃木坂46の伊藤万理華と、元アイドルなので、並ぶと顔は大きいし、体型も太めに感じるが、まぁ、トップアイドルとの比較じゃ相手が悪いか……でも、あまり女性らしさ、と言うか性的魅力を出して来ない辺りが、役のアセクシャルと言う特性にはあっているように感じた。

 最近の映画では、LGBTQと言うセクシャルマイノリティを登場させるのは珍しくないが、本作が注目したのは、アセクシャルと言う、そもそも性的欲望も恋愛感情も持たない存在。
 その着眼点はよく、その「誰からも理解して貰えない」と言う孤独感を、映画は丁寧に語ろうとし、三浦透子もよくそれを表現している、と思うし、だからこそ、そんな自分を理解して貰える事を望むと共に、それに臆病になってしまう、と言う語り口もいい。

 気になったのは、そうしたマイノリティに対する丁寧な描写の一方で、マジョリティの描写が類型的で、ありきたりに思える事……最後に主人公を走らせて終わるのも日本映画にはよくある、とは言え、これも正に類型的だと思う。
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