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2022年12月08日00:12

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歴史を知る

最近歴史を知ることの大切さを説く本を何冊か目にした。
それだけ最近は、
歴史がないがしろにされていることなのかもしれない。
”今”は過去の上に成り立っているのであり、
過去を知ることは今を知ることにもなるのだ。

来年は現代人形劇が始まって100年という年を迎える。
現代人形劇の対極にあるのは、伝統人形芝居である。
現代人形劇の最初の公演は、
1923年の関東震災直後、
伊藤道郎・伊藤憙朔・千田是也3兄弟が灰燼に帰した東京を見て、
こういう時だからこそ気軽にできる人形劇をやったらよいと考え
11月24日から3日間開いた試演会がそれだった。
彼らは1921年から糸あやつり人形を製作していたので
すぐに上演できたのだが、
人形の造形に重きをおいていたため
いざ人形を遣うとなると、相当に四苦八苦したそうである。
その後続いて画家たちの手による糸あやつり人形の上演が
あるのだが、
何故画家たちが糸あやつり人形を遣ったかというと、
実はフランスに留学した画家たちは、
糸あやつり人形の上演を公園で目にしていて、
相当に刺激を受けていたようである。
きっと目にしたであろう人形芝居の絵を
五姓田義松が描いている。
その後伊藤憙朔は《人形座》を作り
1926年から糸あやつりの公演を始めるが
3回目の公演からギニョールによる公演に代わる。
糸あやつり人形は準備するのに時間がかかるし、
操作するのが難し過ぎた。
その後人形劇はギニョールが中心となる。

《人形座》はその後《大阪人形座》に引き継がれ、
それが復活公演に私も関わった《大阪出口座》につながる。

現在人形劇に関わっている人で、
関わる以前に人形劇を一度も見たことのない人は
多分皆無であろう。
ところが、現代人形劇100年という企画を提案しても
各地の人形劇フェスティバルは、全然興味を示さないという。

何とももったいない話である。
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