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2022年06月03日06:00

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習近平のメンツによる上海の「自宅幽閉」やっと終わるも、中国の将来の転換期となるか

 1日、実に61日間も続いた市民2630万人を「自宅幽閉」させていた上海のロックダウンが事実上、解除された。
 1日午前0時以降、待ちわびた市民が街に繰り出し、お祭り騒ぎとなった(写真=自動車も一斉に街へ)。

◎感染者1人出ただけでロックダウンした地方都市も
 緊急事態宣言の出た日本ですら、息苦しい思いをした。1歩も家の外に出られない生活が2カ月余も続くなど、想像を絶する(写真)。
 通勤はもちろん、買い物も散歩もできない。ただ自宅という狭い空間に閉じ込められるだけ。市民や国民の意思に全く拘泥しないでいい独裁国家しかできない暴挙だ。
 上海だけではない。たった数十人しか感染者の出ていなかった首都北京でも、様々な地区で、住居や店、地下鉄が閉じられた。
 中には、新規感染者がたった1人出ただけでロックダウンに踏み切った地方都市もある。
 それでいて、国民から怨嗟の声は完璧に抑え込まれている。

◎WHOから批判されてもなお
 習近平の狂気の「ゼロコロナ政策」は、もともと親スターリニスト中国だったWHO事務局のテドロスからも批判された。ところが習近平は、それで「ゼロコロナ政策」を改めるどころか、意地になって続けた。
 それは、国内の感染症研究の第一人者である鐘南山の学術論文での批判も、歯牙にもかけないものだった(4月27日付日記:「スターリニスト中国、習近平の面子で、経済も株価も、そして上海市民の人権も窒息寸前」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202204270000/を参照)。
 そして習近平からの差し金だろうか、上海の当局から「都市封鎖ではなかった」と弁明の発表があり、ロックダウンを言うメディアに警告を発した。
 つまり習近平と共産党にとって、あれは上海市党委と市の推奨に市民が自発的に協力したものだ、と取り繕いたいのだ。
 なら、外出していた市民を白服姿の拉致連行し、収容所に放り込むものか。
 そもそも上海市の新規感染者はゼロではない。減ってはいても、10数人の感染者は出ている。ロックダウン解除で街頭に繰り出し、マスクもつけずにお祭り騒ぎに興じている若者たちの中からまた感染者が爆発的に出てきたら、どうするつもりなのだろうか(写真=歴史的建造物が並ぶ上海一の観光名所「外灘(バンズ)」で、1日)。

◎意地の習近平
 WHOから批判される直前の5月5日、習近平は党政治局常務委員会で「我が国の防疫方針を疑い、否定する言動とは断固戦う」と吠えた。
 同会議では政治局常務委の総意として、次のように確認した。「我々は2020年の武漢市での防衛戦に成功した。より大きな上海市でも必ず勝利できる」。
 そのように方針を微動だにさせずに、ロックダウンをやり切った。
 武漢市での成功体験があり、また武漢での抑え込みに成功した後、アメリカや西欧、日本など民主主義国が軒並み武漢肺炎のパンデミックに襲われ、国家経済が麻痺状態に陥ったことを根拠に、「共産党統治の方が民主主義体制より優れている」と宣伝した経緯から、習近平には「ゼロコロナ」転換の思考は全く無かったのだ。習近平にへつらう他の政治局の連中や下級も、民衆の怨嗟などお構いなしだった。
 ここに、個人独裁という共産党体制の恐ろしさが出ている。
 いやむしろ、将来に禍根を残す強硬策だったかもしれない。

◎自然免疫獲得できず、次の変異株に怯えることに
 武漢肺炎を強権的なロックダウンで抑え込んだことは、スターリニスト中国14億人のほとんどに武漢肺炎ウイルスに対する免疫が出来ていないことを物語る。アメリカや西欧は、時には数十万人、100万人の感染者を出したことにより(そして一時より激減したとはいえ、今も多数のオミクロン株感染者を出し続けていることにより)、国民の間に自然免疫が出来つつある。ところがスターリニスト中国には、それが出来ていない。
 次にさらに感染力の強い変異株が現れたら、瞬く間に蔓延するだろう。
 それならまた上海のような強制的な自宅幽閉を強いるのか。

◎PMI3カ月連続の50割れ
 そして習近平の「ゼロコロナ政策」によって、スターリニスト中国の経済は、大きく落ち込んでいる。
 上海のロックダウンにより、同市では4月に自動車が1台も(!)売れなかった。家庭用エアコンの生産台数もゼロ台。不動産販売面積は前年同月比約9割減、宅配取扱量も同約9割減だった。
 4月は最悪だったわけだが、5月も多少改善したに過ぎず、5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.6と、3カ月連続で景況改善・悪化の分岐点となる50を下回った。非製造業PMIも5月は47.8と、3カ月連続で50を下回った。
 4〜6月の四半期GDPは、マイナス突入が確実視されている。通年で、共産党・政府の成長率目標5.5%達成はとうてい不可能で、西側調査期間の予測はすべてそれを下回り、中には2%前後という最近にない超低成長になる見通しのところもある。

◎半世紀ぶりの成長率の米中逆転か
 ちなみにアメリカの22年の成長率予測は、3.7%だ。
 これまで常にアメリカの成長率を凌駕し、キャッチアップに狂奔してきたスターリニスト中国だが、ひょっとするとアメリカの成長率を下回る可能性も出てきた。
 仮に成長率の米中逆転となると、文化大革命最後の年である1976年以来、実に約半世紀ぶりのことだ。
 習近平の面子のために、今年はスターリニスト中国が没落に向かうという歴史的な転換点を迎えるかもしれない。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202206030000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「祖業の合成ゴム事業を捨て去ることを決めた先端企業JSRとは」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202106030000/

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