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2022年03月23日01:52

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彼の国のこと

私は彼の国に2度行ったことがある。

1度目はまだ修業中、1990年のゴルバチョフの時だった。
物がなく、パンを買うのに行列ができるほど、
しかし手に入れられる人は多くはなかった。

先ずレニングラード(現在のぺテルスブルグ)で入国審査を受けたが、
手荷物検査がとても厳しい雰囲気で、
この私ですら緊張を覚えた。
しかも節電のためか、通路の奥から段々と消灯され、
遂には私たちしか残っていないX線検査機のところだけ
何ともさびしい明かりがともっているだけの状態になり
緊張感も最高潮に達してしまった。
シーンと静まり返った中で、
検査機のモーター音だけが鳴り響いている。
バスに乗ったときは、正直ホッとした。
幹線道路と思しき幅の広い道を一路ホテルへいざ出発!
しばらく行くと踏切があって、遮断機が下りてきた。
ゆっくり貨物列車が入ってきた。
何両位繋がっているのだろうと興味津々で見ていたら
なんと途中で道路を塞ぐように止まってしまった。
すぐに動くかと思いきや、動かない。
なんという国に来てしまったのだろう。

彼の国の人は取っ付きにくいと言われる。
ところがいざ相手の人柄が分かると
これでもか、というくらい尽してくれる。
舞台の仕込みに通訳としてついてくれた
日本語科の学生3人もそうだった。
余りに良くしてくれたので、
持っていた文庫版の日本の童話集を3冊をあげたら、
わざわざ空港まで見送りに来て、
彼の国のロックのレコード25枚、私に贈ってくれた。
えーっ、どうやって持って帰るの?
私は劇団の荷物担当だった。

日本に帰って聴いてみると、
稚拙だけれどもエネルギーがはじけるような感じがした。
彼らミュージシャンは、
当局の目を盗んで地下のスタジオで録音していた。
戦後の日本は、例えば成毛滋らが
ライトゲージやウルトラライトゲージを知らず、
チョーキングをするのに指を鍛えなければならないと考え、
一生懸命指立て伏せをしたという話を聞いたことがあったが、
きっと彼らもラジオから聞いた音を
必死に真似しようとしたのだろうと思えた。
それがゴルバチョフの時代になって爆発したのだろうと
容易に想像できた。

2度目は6年前、
北方領土墓参団の文化担当として択捉島に行った時だった。
島内の移動は個人が所有する自家用車に分乗してする。
私たちの運転手は若い人で、
多少英語が話せるということで
お互い片言の英語でいろいろ話したのだが、
ゴルバチョフは彼の国の経済をダメにしたから駄目だ、
プーチンは経済を再生したから支持する
と言っていた。
彼の国の経済をダメにしたのは
共産党の経済政策の失敗と一党独裁が招いた腐敗のためであって
決してゴルバチョフ個人のせいではないと思うのだが、
国内のプロパガンダのせいで、こうなっているのだろう。
(これは日本も他人ごとではないのだ!)
だからプーチンの支持率は高い。
しかしここ数日彼の口から出てくる言葉は、
丸で共産党一党支配に逆戻りするかのよう。
国民は、当局の目を盗んで地下のスタジオで録音するようなことを
望むだろうか。
早く気付いてほしい。
国内から立ち上がらなければ
プーチンの妄想や”狂”気は止められないのだ。

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