時々考える。
小学校時代から家出を繰り返していたような自分が、もしアフリカに生まれていたらどうだったろう。
栄養失調などで死んでいたに相違なく、誰からも見向きされなかったに違いない。
これが中国、インドならどうだったか。
集団スリや集団窃盗グループの仲間入りをして、マンホールの中だとか、廃屋で仲間と暮らしていたに違いない。
ましなケースでアメリカだったら?
それでもギャングが血気盛んに息づいている国だ。
身体中にタットゥーを入れて、仲間が殺されたらその復讐に自分も銃をとっていたに違いなく、州刑務所にずっといるような、そんな人間に育っていたろう。
なんだかんだ、日本に生まれると言うことは、それだけでありがたい。
それでも貧者には貧者の生き方がある。
無学には無学なりの生活をさせてもらえる。
病があれば皆保険で治してもらえ、学がなければ職安で何がしかの職業訓練を斡旋してもらえる。
日本人に生まれたという、ただそれだけで強運の持ち主なのだ。
感謝しなければいけない。
この歳になって、天を仰ぐことが多くなった。
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