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2022年02月06日16:59

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2月1日 上野広小路亭 芸協定席

 夜に新宿で仕事の予定あり、早めに東京に出て上野で芸協の寄席へ。主任・枝太郎にさほど興味はないのだが、顔付けはなかなか面白い。A太郎と鯉八が入っているので、どんな客層がくるのかいなという興味もあったが、この日の広小路亭、開場時の入場者数9人。つばなれするかしないかという微妙な人数をいったりきたりで、終演まで全出演者数を超えることはなかった。
「(コロナ拡大の)こんな時に来てくださるお客様が本当のお客様」という言葉も聞かれたが、こんな時でも末廣亭の宮治主任のように、来るところには人は来る。

●前座 はち水鯉「新聞記事」
 鯉朝の弟子で、鯉昇一門の末の弟子、柳昇一門の一番若い弟子と、三段アピールしていた。

●伸しん「試し酒」
 5年前に夕刊フジ落語会で見て以来。「古着屋」を聞いたと記憶するが、その時の主任・喬太郎が強烈だったので、一緒に印象に残っていた。伸治一門、この人も今後跳ねてきそう。

●A太郎「初天神」
 テレビのみならず「〇〇法律事務所に相談して〜」とラジオからもこの人の声。どこまで本気かわからないが、「いまやスターなんで」と本日も写真撮影タイムをとった。何々この人気者ぶりっこ…と思うが、古典をやらせれば声と体躯が活きて悪くないんだよね。

●紙切り 喜之輔
 浅草の前座でダルそうに落語していたの見た記憶があるが、右左喜のお子さんとは知らなかった。可龍、小痴楽、この人と、芸協には一見チャラい系芸人の流れがあるのか。紙切りテクニックの方は、花と似たレベル。

●小助六「紋三郎稲荷」
 ここ数年で楽協で云うなら文菊的ポジションになってきた気がする。出番の浅い深い関係なく、この人なら間違いないという感じ。

●鯉朝「あいのすたんど」
 いきなり両腕を広げて膝立ちし、電気スタンドを演じる導入なのだが、新作落語寄席のような度量の広い客ならともかく、平日昼間に広小路亭に足を運ぼうという寄席ズレした客にはハマらなかった様子。

●マジック 小泉ポロン

●歌春「加賀の千代」
 髪の毛量が豊か過ぎる、というか昔より増えているような気が。この噺、年末の噺なのだが、割と時候関係なくかけられるのではないか。

<中入り>

●鯉八「藪の中」
 新婚夫婦、妻の弟、弟の彼女。フツーにお呼ばれで一堂に会したそれぞれの心情独白のあれこれ。鯉八の人間観察力の鋭さが際立つというか、微に入り細を穿ちすぎて辛可笑しい。

●漫才 おせつときょうた
 二人とも関西出身の漫才師。初めて聞いたがなかなかキャラもテンポも良い。おせつのほうが近大落研出身で、上方新作落語台本の賞を取っているとか。

●遊雀「堪忍袋」
 相変わらずお洒落で脱いだ羽織の裏地が凝っている。この狭い会場でも聞こえづらい声量なのもいつも通りだが。

●歌助「時そば」
 久しぶりに聞いたなあと手帳見返してみたら、10年ぶりくらいだった。師匠のホームだった横浜市内でよく落語会をやっているようなので、単に寄席で出会わないだけか。

●曲独楽 やなぎ南玉

●枝太郎「幾代餅」
 「遊雀師匠が楽屋で『今日若い女の子来てるよ』って云つてたのに」と、客席を眺めまわして恨み言。女性客は主任前に帰ってしまい、7人ほど残った客は中高年男性。
「枝太郎って上方では大名跡なんだよ」と落語に詳しい知人がよく云っていたが、先代もドラマチックな人生を歩んだ人で、浅草演芸ホール創設に関わった大人物なんだねぇ。当代は花丸時代に師匠・歌丸のかばん持ちでマメに立ち働いていたのを覚えている。いつも微妙な新作ばかり聞いていたが、古典はそんなに悪くはない。ただ花丸時代の記憶からすると恰幅が良くなり、しかも首が太くてがっちりした体形なので、ちょっと花魁が想像できないのが辛い。
 ウィキペディアによると芸協で夢丸などが演じる狂言由来の落語、この人が狂言を落語に落とし込んだ噺なんだそうだ。本業以上に人脈や企画力に優れている、こういう人どの業界にもいるんじゃないか。

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