再び武漢肺炎ウイルスの変異株が、南部アフリカで生まれたようだ。
◎東京初め、世界の株式市場が敏感に反応
26日、WHO(写真)は、専門家などによる緊急の会合を開き、南アフリカで確認された新たな変異ウイルスを「懸念される変異株」に指定したと発表した。「オミクロン株」と呼称されることになったこの変異株は、WHOによると再感染のリスクが高まることが示されているとしている(地図)。
このニュースは、世界に衝撃を与えた。
日本ではとっくに沈静化しつつある武漢肺炎パンデミックの再燃を懸念されてか、この日の東京株式市場は日経平均747円安の大幅下げとなり、再び2万9000円を割った。
この懸念は、オミクロン株感染者の出た香港など他市場でも共有され、香港株式市場では3%の下落となった。
◎下げは、原油相場にも
下げは、ヨーロッパ市場とニューヨーク市場にも波及し、ニューヨークのダウ平均株価は、一時1000ドル以上の下げとなり、終値で905ドル下げと今年最大の下げ幅となった。
下げたのは、株だけではない。パンデミック再燃で、再び世界は景気後退に見舞われるのではないかという連想で、原油相場も下げた。26日のニューヨークの原油先物市場では、1日で約13%もの劇下げである。
今、ヨーロッパ各国や隣国韓国などで、武漢肺炎デルタ型は世界でぶり返しの猛威を振るっている。一部の国では都市ロックダウンも行われている。
このようにあらゆる市場の指標は、再び景気後退に見舞われるリスクを否応なく意識せざるを得ないのだ。
◎日本はようやく収束の気配なのに
さて日本だが、奇妙にも我が国だけデルタ型パンデミックが収束しつつある。欧米、韓国などの傾向に反するこの沈静化は、謎だ。今も、疫学者や感染症専門家から、明快な説明はなされていない。
彼らは、8月までヒステリックに医療崩壊の危機を喚き立てていた。したがって予想外の沈静化には戸惑っていて、説明ができないのだろう。
1つの説明は、実証はされていないけれども、日本のデルタ株ウイルスだけに、自滅的な変異が起こったのではないかというものがある(今年11月9日付日記:「武漢肺炎急激な減少、なぜ?」
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202111090000/を参照)。
ただそれも、オミクロン株が上陸すれば、また「元の木阿弥」である。再び、パンデミックに襲われる懸念がある。26日の東証株の大幅下げは、その懸念の深さを示している。
◎6カ月後接種が必要なのに、またも動かない厚労省と岸田ばらまき政権
ただ、日本の厚労省当局は、小康化に安住してか、太平楽を決めている。
3回目接種(ブースター接種)を、当初は2回目接種6カ月後からとしていたのが、8カ月後と、変更した。第6波を懸念する自治体からは6カ月後を、と切望されているのに、頑強に8カ月後接種を基本、とする姿勢を変えていない。
欧米各国のぶり返しは、日本より接種の2回完了が2カ月ほど早く終わって半年後に顕著になった。これまでの研究によると、2回目接種完了後の6カ月たつと、中和抗体が顕著に減ることが分かっている。
つまり2回目接種完了6カ月後のブースター接種は、科学的に重要性が確かめられているのだ。
ところが厚労省も、愚図の岸田ばらまき政権も動かない。
◎ワクチン足らないならファイザーCEOに直談判しろ!
6カ月後接種にするには、必要なワクチンが揃わないということなのかもしれないが、それなら岸田は、ファイザー社などのCEOに直談判して取り寄せればいい。菅前首相は、4月の訪米時にファイザー社のプーラCEOと直談判して、ワクチン供給を前倒しさせた。
赤字国債を22兆円以上も増発して、ばらまき補正予算の編成には熱心だが、ワクチンのブースター接種には無頓着なこの首相、ほどほど呆れる。
日本の安全保障など任せられない思いを強くする。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202111290000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。
昨年の今日の日記:「イースター島原住民はモアイ像を運ぶためにヤシの木を過剰伐採し、文明崩壊に至ったのか:ダイアモンド博士への反説」
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202011290000/
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