不思議な現象である。おそらく第6波の来襲を声高に叫んでいた一部の「狼少年」的の疫学者・医学者も、首を捻っているに違いない。
◎減少率は99%超
8月など一時は、東京など一部で医療崩壊も起こっていた(大半は、補助金を受け取りながら患者を受け入れようとしない民間病院のせいだが)武漢肺炎パンデミックだが、同月後半から急激に新発患者も重症者も減り始めた。
皮肉にも、武漢肺炎パンデミックに無策と批判された菅前首相が辞任表明をしてからだ。あの時、もう少し我慢すれば、菅前首相も辞任しなくて済んだかもしれない。それにしても岸田首相は運が良い。これほど劇的に収束したことにより、新政権への逆風が和らぎ、総選挙では自民党は思わぬ「痛み分け」に踏み留まったのだから。
実際、8月下旬からの新規感染者数の減少は劇的で、減少率は99%超だ。
◎7日は死者ゼロ、新規感染者も全国で162人
7日、武漢肺炎による死者は全国でゼロだった。昨年8月2日以来、1年3カ月ぶりのことだった。新規感染者も全国でわずか162人で、東京は21人しかいなかった(昨日8日はわずか107人と、さらに減った)。このペースで推移すれば、12月上旬には1人になる。
しかし世界に目を転じると、武漢肺炎はまだまだ猛威を振るい、ワクチン接種が進んでいるはずの例えばイギリスで連日3万人超(写真)、ドイツで2万人超などの新規発生患者が出ている。日本の激減ぶりは、世界でも突出する快挙なのだ。
◎ウイルスに不利な変異が起こった?
いろいろ、あれこれ、理由が提出されている。
ワクチン接種が思いの外急速に進み(写真=先進国でも異例に早く進んだワクチン接種)、デルタ型武漢肺炎も抑え込まれたのだと。また人流抑制の政府・自治体の対策が奏功したのだとも。
しかし前者は、前記諸外国でパンデミックが収まらないこと、後者は、第5派以前にも行われていたことだ。理由には、ならない。少なくとも、僕には納得できない。
今のところ、実証はされていないが、以下のような仮説・推定がある。
強力な感染力のある、日本国内のデルタ型があまりにも多くの変異を起こしすぎて、ヒトに感染した時に増えるのに必要なたんぱく質を作らせる遺伝情報が壊れて自滅した、という説がある。ウイルスに限らず、生物の遺伝子の変異に起こる進化は、ランダムで、方向性など全くない。個体にとって、有利・不利もない。そうしたランダム変異の株が、国内のラムダ型ウイルスの主流になったのだろう(写真=武漢肺炎ウイルス)。
空・海とも海外との交流はほぼ閉ざされた状態なので、ヨーロッパなど他地域のデルタ型にはこうした変異は伝わっていないのかもしれない。
◎スペイン風邪に倣えば、そろそろ下火の頃
20世紀初頭、1918年〜1920年にかけてパンデミックを起こしたスペイン風邪は、発生2年を越えると、急激に下火になり、消えた。その後、生き残った株は、季節性インフルエンザとなって時折、流行を起こすが、以前ほどの感染力も毒性もなくなった。
パンデミックは、永久には続かない。長くて3年で収束し、下火になり、風土病になる。
武漢肺炎も、今、その時期を迎えているのかしれない。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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昨年の今日の日記:「アメリカ大統領選、バイデン氏が勝利も、上院選は水入り:共和党が死守したい上院過半数」
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