僕は、若い頃からの一貫した禁煙家、いや反喫煙家である。
そんな僕でも、タバコの文化史には関心はある。イギリスの科学週刊誌『ネイチャー』10月13日号に、極めて興味深いニュースが掲載された。
◎炉床跡から焼けたタバコの種子4点検出
アメリカ、カリフォルニア州立大デイヴィス校極西部人類学研究班のダロン・デューク博士らが、ユタ州のウエスト砂漠で1万2300年前のタバコの種子を発見したというのだ。タバコの記録では、これまでより9000年は遡る最古の例である。
遺跡は、オールド・リヴァー・ベッドと呼ばれる、今は水の流れていない先史時代の河床のそばにあり(写真=発掘調査風景)、先史時代の炉床からタバコの焼けた種子4点を検出した。
◎放射線炭素年代で1万2300年前頃と推定
タバコ種子そのものは、細かく脆かったので、放射性炭素年代は測定できなかったが、同一層位の炉の木炭を測定し、1万2300年前頃、と決定された。この頃、アメリカ中西部には、クローヴィス狩猟採集民が展開していた(写真=クローヴィス尖頭器)。
発掘チームは、タバコが何の目的で使われたかまでは断定していないが、種子だけ残っていたことから、タバコの薬理作用のある葉や茎が消費されたと推定される。おそらく今日のように、葉や茎を煙でいぶしたか噛んで使ったのだろうとみられる。
◎目的は不明
タバコは、白人と接触する以前の先住民(インディアン)は祭祀目的に広く愛好されていた(写真=ブラックフット族の白人を交えての「聖なるパイプ」による和平の儀式)。
それを見た白人植民者がヨーロッパに持ち帰り、嗜好品にした。
オールド・リヴァー・ベッドの狩猟採集民がタバコを何のために用いていたかは想像するしかないが、遺跡では大型のアヒルの骨が見つかっており、これとの関連も想像されている。
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昨年の今日の日記:「大阪都構想は再び挫折、維新は改革の旗を掲げてさらに前進を」
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