プロ野球パ・セ両リーグの優勝チームが決まった。
画期的だと思ったのは、両リーグの覇者パのオリックス、セのヤクルトとも、2年連続最下位から一躍優勝したことである。
◎地味なパ・リーグでもさらに地味なチーム
僕は、何度か本ブログでプロ野球はパ・リーグのファンだと言って来た。だからヤクルトについてはここでは言及せず、パ・リーグ優勝チームのオリックスについてだけ述べたい(写真)。
オリックスというのは、地味なパ・リーグの中でもおそらく最も地味なチームだ。かつてニックネームをブルーウェーブと言っていた仰木監督とイチローの時代は輝いていたが、その後は21世紀に入ってからずっとくすぶっていた。
ただ、オリックスに買収される前の上田監督が率いた「阪急ブレーブス」の時代が、このチームの黄金時代だったと言えるかもしれない。パ・リーグでは断トツの力を見せ、1975年〜 77年は日本シリーズでも読売巨人を破って3連覇した。
それまでパの万年最下位が近鉄だとすれば、阪急ブレーブスは万年5位で、「灰色のチーム」と揶揄されたこともある。
◎エース山本は2016年のドラフト4位
そうしたチームが、2年間の最下位から大躍進、いきなり優勝である。
その原動力は、何と言っても投の山本由伸投手の大飛躍だろう(写真)。高卒で、今年が5年目で、なんと両リーグトップの18勝5敗、防御率1.39という目覚ましい成績を残したのだ。勝率も.783と、先発すれば8割の確率で勝ってくれるのだ。
ベンチにとって、これほど計算が立ち、心強い投手はいない。
今シーズンの投手5冠(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率、最多完封)もほぼ確定した。ちなみに投手5冠とは、野手の3冠王に匹敵する栄光で、プロ野球史上でもわずか7人しか達成していない。山本投手は、15年ぶり8人目、となる。
むろんこの他に、読売新聞社が出す沢村賞も間違いないし、MVPも最有力候補だ。
その山本は、2016年のドラフトは4位だった。
まさにオリックス育成の勝利である。
◎山本と並ぶ左腕の宮城は、今年まだ2年目
さらに2番手投手がまた凄い。宮城大弥、2年目の左腕で、弱冠20歳(写真)。それなのに13勝4敗、防御率2.51と、山本と並んで左右の両エースとして君臨した。
2人の成績を合わせると、31勝9敗。差し引き22の勝ち越しで、ちなみにオリックスの今季成績は70勝55敗(引分け18)だったから、2人がいなければ負け越しだった。
いかにこの2人の貢献が大きかったか分かる。
◎打者は前年まで2軍が主だった杉本が本塁打王の活躍
打者でも、杉本裕太郎外野手がブレークした(写真)。2015年ドラフトは、なんと10位!
昨年までは控えで、2軍にいることが多く、パッとせず、年齢的にも(今年30歳)いつクビになってもおかしくなかった。ところで今年になっていきなり大開花した。
打率.301のパ・リーグ3位(首位打者は同僚の吉田正尚)、本塁打32本でホームラン王に輝き、打点も83でパ3位である。
つまり投手で山本、宮城、打者で杉本と、昨年までほとんど目立たなかった選手が、パの主力に躍進したのだ。
これなら優勝も、むべなるかな、である。
◎育成の重要度をはっきりさせた意義は大
僕は、オリックスのファンではないが(千葉県民だからロッテのファンなのだ)、今シーズンの優勝は、まさに育成の重要度をはっきりさせた点で意義大、と高く評価する。
どこかのチームのように、他球団のエースと4番をFAでかっさらって手っ取り早く優勝をつかもうとするのとは対局にある。
あらためてオリックスと同チームを率いた中嶋監督を祝福したい。
まだCSがあり、日本シリーズ出場が確定しているわけではないが、この投手力があれば、ロッテにも楽天にも勝てるだろう。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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