「夏はヴィラ=ロボスを聴こう」
グリー時代にもそう書いた気がするが、今年の夏もやっぱりヴィラ=ロボスをよく聴いた。
単純にブラジルだから暑い音楽というイメージがあるからだが、でも日本が夏ならブラジルは冬なんだな。
こちらはイサーク・カラブチェフスキー指揮サン・パウロ響による「交響曲全集」。
何気にヴィラ=ロボスに力を入れているNaxosからのリリースで、2011-2017年の録音。
ヴィラ=ロボスの交響曲全集といえば、CPOレーベルのカール・セント=クレア指揮シュトゥットガルト放送響盤(1997-2000)1つしかなかったと思うので、これは嬉しい。
指揮のカラブチェフスキーは1934年、サン・パウロ生まれ。
1987年に録音されたブラジル響との「ブラジル風バッハ」(全曲盤)を聴いており、これはお気に入り盤だ。
カラブチェフスキーは1994年までブラジル響の首席指揮者を務めた後、ウィーン・トーンキュンストラー管の首席指揮者やフェニーチェ劇場の音楽監督などを務めているから、即ち今や世界第一級の指揮者である。
そしてオーケストラの方も、ネシュリングやオールソップとの録音を聴いているのでそのクオリティの高さは保証済み。
実にがっつり本場ど真ん中の強力盤。
よくぞこんなCDを作ってくれたものだ。
唯一5楽章形式で60分超えの大作「第10番・アメリンディア」にのみ入る声楽は、レオナルド・ネイヴァ(バリトン)、サウロ・ジャヴァン(バス)、サン・パウロ交響合唱団。
この曲は本来テノール独唱のパートがあるが、ここでは合唱のテノールによって歌われている。
また最後のディスクは最後の「第12番」が25分しかないため、これらも録音自体が非常に貴重な「ウイラプルー」と「マンドゥ=サララ」が加えられており、この後者にもサン・パウロ交響合唱団と児童合唱団による歌が入る。
一気に聴いてしまったが、流石に演奏が素晴らしい。
オーケストラからは地元が世界に誇る長老指揮者を迎えて、ヴィラ=ロボスの交響曲全集の決定版を作ろうという意気込みが感じられる。
すこぶる音質も良い。
https://youtu.be/OSDfzDLE9Vs
#クラシック #オーケストラ
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